探求的な学びの思考は、
デザイン領域の思考と似ている。
大学で専攻したこともあり、前職はデザインに関わる仕事をしていました。転職活動をするなかで、ベネッセに関心をもったのは「探求的な学び」というテーマです。デザイン領域でも、課題を設定し、解決に向けて情報を収集してアウトプットするという思考があり、ある種「探求的な学び」に親和性を感じたということもありました。子どもたちが興味関心のあることから問いを立て、他の生徒の意見を聞いたり、先生たちとも一緒に考えたりして、多様な学びを実践する。入社してからは、そんな学びを提供したいと考えてきました。ICTの活用によって、これまでの一斉授業ではできなかった、個別最適化した新しい学び方が少しずつできるようになっています。それぞれの個性や興味、状況に合わせた内容は、子どもたちがワクワクするような学びの機会につながると信じています。
アセスメントとドリルにより、
個別最適な学びを実現していく。
メインの業務はアセスメント(総合学力調査)の担当で、ミライシードの「ドリルパーク」に出題する問題の制作にもかかわっています。年に2回実施するアセスメントは、学力の定着度を測るものです。そこで間違えた問題、ニガテと判定された問題が、「ドリルパーク」で復習ができるというしくみです。自分の弱点部分を重点的に学習できることは、学習内容を定着する上で効果的ですし、学習のモチベーションも保ちやすい。紙でもアセスメントによる復習はありますが、デジタルなら間違いを重点的に復習できるほか、理解のステップを分解して出題することも可能です。デジタルだと正誤判定が瞬時に確実にできるので、ステップごとにつまずきや間違いを確認しながら、答えにたどりつくまでを追えるのも利点だと思います。
新学習指導要領では、知識や技能の定着だけでなく、学んだことを使いこなせることも重視されています。求められるのは、インプットだけではなくアウトプットする力。問題の作り方も、生徒の思考力を伸ばすきっかけになるよう試行錯誤しています。教科編集では、学ぶべき内容と意図に合わせて正しく問う問題を良問とされています。思考力を測る良問の制作は難題ですが、考えることを楽しみ、学ぶことを楽しめるような問題が制作したいと思っています。
問題制作の背景には、
現場のリアルな声があります。
問題の制作は、ただ問題を作ればいいというわけではありません。先生へのヒアリングを行った上で、さまざまなリソースから必要な要素を考えて、次の学びにつながるよう制作しています。アセスメントの最後に、教科に取り組む態度を聞く質問があります。たとえば理科なら、「学んだことを日常生活に活用しようとしているか」「実験や観察では仮説を自分で立ててから取り組むようにしているか」など。このスコアが伸びていることは、教科に対する学びの意欲が上がった証なので、非常にうれしく感じます。これからも、授業やアセスメント、復習などを通し、教科に向かう姿勢が前よりも伸びていくような学びのきっかけを作っていきたいと考えています。
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