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レポート

「ミライシードSUMMIT2024」イベントレポート

8/5(月)、年に一度のユーザーカンファレンス「ミライシードSUMMIT2024」を開催しました。今年はミライシードリリースから10周年の年。記念すべきカンファレンスを、東京国際フォーラムとオンライン配信の双方で盛大に開催いたしました。1400名を超える先生方にご参加いただいた当日の内容を、プログラム順にご報告します。


トークセッション
■登壇者

・東京都公立小学校教諭 二川佳祐先生
・元公立小学校教師/ジェネレーター 伊藤恵子氏
・NPO法人 Waffle ディレクター 森田久美子氏
・ベネッセコーポレーション 小中学校事業本部長 小柳 博祟
・ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター研究員 庄子寛之

トークセッションはベネッセ教育総合研究所の庄子が司会。それぞれ違った立場から、「教育の未来」をテーマに様々な議論を行いました。

例えば森田氏は、テクノロジーで個別最適な教育を展開しやすくなった今、これからはインクルーシブ教育(多様性を尊重する教育)がより重要になっていくと話されました。伊藤氏や二川氏の予想する未来もよく似ていました。いわく、多くのことはインターネットやAIで効率よく解決できるようになる。だからこそ、テクノロジーに拾われない日常の小さな歩みを記録していくことや、デジタルとアナログを上手に融合させていくことが必要になる、とのこと。どの方も、ICTが進歩する“その先”を見据えているのは変わりませんでした。


そのほか、ミライシードの語源や、それぞれの方の“推せる”ポイントについて触れる場面も。プログラムの冒頭から、大きな盛り上がりを見せたトークセッションでした。

最優秀賞 事例発信
加賀市立庄小学校
「全校で自由進度学習!マイプラン学習実現の道」

ミライシードAWARD2023最優秀賞に輝いた加賀市立庄小学校。事例発信では、取り組みの柱である自由進度学習「マイプラン学習」についてご発表いただきました。

マイプラン学習の具体的な方法をご紹介いただく場面では、単元の目標や学習内容が書かれた「学習の手引き」、子どもに学習内容を伝えるためにオクリンクでつくった「学習カード」についてお話しいただきました。

自由進度学習というそもそも高いハードルに、全校を挙げて取り組まれた庄小学校。最初からすべてがうまくいったわけではなかったそうです。自由進度学習のつくり方はもちろん、「挑戦することは楽しいこと」と話された野田校長をはじめ、失敗を恐れずに新たな取り組みへ向かわれた先生方のマインドも、ご参加された多くの先生方に響いたのではないでしょうか。最優秀にふわさしい、チャレンジングなご実践でした。
>>>取り組み内容のインタビューページは こちら から<<<



優秀賞① 事例発信
旭川市立末広北小学校
「一人一台端末の活用で広がる学習者主体の学び オクリンクプラスの活用 ルールづくり・ノートづくり」

旭川市立末広北小学校からは、児童たちによる学習のルールづくりやノートづくりをご紹介いただきました。

お取り組みが始まったのは、コロナ禍直後。子どもはもちろん、大人も端末についてよくわかっていない中、どうすれば授業で効果的に活用できるのか、児童会と教員が一緒になって活用のルールを考えていったとのこと。現在はオクリンクプラスのカードを利用した「コンテスト」も開催し、ノートづくりのポイントを子どもたちが発信し合っているそうです。

ICTで学ぶ環境そのものを、子どもたちがつくる。まさに主体的な学習者を育てるご実践でした。
>>>インタビューページは こちら から<<<


優秀賞② 事例発信
宇城市立豊野小学校・中学校
「好奇心から始まる主体的な学びの創造」

前年にも、ミライシードAWARDを受賞している宇城市立豊野小学校・中学校。

今年は、個人でのご実践をいかに学校全体のご実践へと昇華したのか、校内研究のあり方についてご発信いただきました。
印象的だったのは、児童・生徒はもちろん、教員も含めて、誰一人取り残すことなく、ICTの活用技能を習得させようと努められたこと。
「一人の十歩より全員の一歩」を合言葉に、教員が協働的に学ぶための様々な工夫をお話しいただきました。
>>>インタビューページは こちら から<<<


優秀賞③ 事例発信
彦根市立稲枝東小学校
「思考の流れを止めない学びの実現 学級から「学校」へ その広がりを意識して」

彦根市立稲枝東小学校の受賞理由は、「すぐにはICTを使えない」と考えられがちな低学年で、みごとな取り組みを進められたこと。

ミライシードの活用事例はもちろん、ICTを活用するうえでの約束ごとの設定、約束ごとを子どもたちに伝えるための工夫など、低学年でICTを活用するための具体的なポイントをご紹介いただきました。

なお、登壇された平岩先生からは、「どうせ使えないだろう、無理だろうではなく、子どもたちの可能性を信じ、その可能性を広げてあげること。それが指導者の責任です」という金言を頂戴しました。
>>>インタビューページは こちら から<<<


特別賞① 事例発信
久喜市立菖蒲中学校
「埼玉県の音楽教育の発展を願って ~見て理解・聴いて実感・体験して感動~」

中学校の音楽科教員は、基本的に学校に一人。指導に悩んでも相談できる相手は少なく、先生ごとに得手不得手もあります。

そこで、ICTを活用し、誰でも一定の指導ができる仕組みづくりに挑戦したのが、久喜市立菖蒲中学校の実践です。事例発信では、具体例として「オクリンクを使った『紹介スライド鑑賞会』をご紹介いただきました。

登壇された秀嶋先生は現在、県内の研修会などを通じて、こうした授業例・教材の共有に努められています。
>>>インタビューページは こちら から<<<


特別賞② 事例発信
八王子市立上柚木中学校
「AIでも成長へのアクション~特別支援教室の試み~」

八王子市立上柚木中学校の中澤先生は、主体的で対話的で深い学びの「対話的」に注目し、生徒が「自分との対話」を行う授業づくりに臨まれています。

活用しているのは、AIとオクリンク。なりたい自分をテーマにAIを使って小説をつくる、オクリンクを使って自己分析を行うといった授業例をお聞かせいただきました。先生のお話が上手で、多くの方が聞き入っている様子でした。
>>>インタビューページは こちら から<<<


ドリルパーク授業事例
福知山市立日新中学校 小野朋美先生
「ドリルパークを日常に学び方を習得し、継続していく力をつける。」

福知山市立日新中学校からは、授業・家庭学習・長期休暇のそれぞれにおける、ドリルパークの活用方法や効果をご紹介いただきました。
ご発信によると、毎回の授業のまとめや課題としてドリルパークに取り組み続けることで、自ら学ぶ習慣を持つ生徒を徐々に増やせていけたとのこと。4年間、ドリルパークを活用し続けた学校様らしく、活用における様々なノウハウをお伝えいただきました。 


テストパーク授業事例
横浜市立旭小学校 玉置哲也先生
札幌市立伏見小学校 坂本亜姫奈先生

現在実証研究中の「テストパーク」について、2つの協力校から事例を紹介いただきました。

最初に発表されたのは、横浜市立旭小学校の玉置先生。テストパークのメリットとして、児童にとっては「取り組みやすさ」や「繰り返し実施できる」ことが、教員にとっては「早くフィードバックできる」「丸つけが容易になる」こと、「テスト中、児童の観察に時間を使える」ことなどをご紹介いただきました。


続く札幌市立伏見小学校の坂本先生からは、早くフィードバックできることの利点について、詳しくお話しいただきました。坂本先生は小テストにテストパークを活用し、テストは紙で実施しています。この中間というタイミングで、「その場で」「理解できていない部分を数値で」フィードバックできることが、期末テストという次の学びに対し、主体的かつ効果的に学習を進めるきっかけになる。また教員が見取る時間も増え、子どもの学びが豊かになるとお話しいただきました。


自治体お取り組み事例
相模原市教育センター 木原智裕先生・島田真人先生
「情報活用能力向上のための相模原市の取り組み」

ミライシードSUMIITにおける、初めての自治体発表です。

最後のプログラムで、時間も短い中、学校の自走化をテーマに、自治体による情報化推進支援の施策をご紹介いただきました。 例として挙げていただいたのは、「校内研修用資料のパッケージ化」、「各種ハンドブック作成」「学校の情報化推進計画の立案」の3つです。

研修用の資料は10分前後で行えるワークを10種類提供しており、ハンドブックについては授業などの好事例を一般公開しているとのこと。学校の情報化推進計画の立案については、各学校の負担感を減らすために、雛形となる計画書を提供しているそうです。

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2024年度は「オクリンクプラス」や「テストパーク」の登場など、ミライシードにとっても大きな変化の年となりました。これからも、ミライシードは進化し続けます。それに合わせて、セミナーやイベントも積極的に開催予定。全国的なセミナーやイベントだけではなく、地域限定のイベントも継続的に実施してまいります。
また、「ミライシード ファンサイト」でも、日々の活用に役立つ情報を発信していきます。 今回ご参加いただいた方も、そうでない方も、引き続きご期待ください。
 



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