導入事例
自ら決定して調整しながら
学習する姿勢を育てる
- 取材
- 東京都調布市立第三小学校 | 秋國 光宏校長先生
- 使用製品
- オクリンクプラス
- 学年
- 小学4年生
調布市立第三小学校の秋國校長先生は、「オクリンクプラス」などのICTツールを活用することで、子どもたちが自分に合った学び方を見付け、主体的に学ぶ力を育んでいると語ります。校内での具体的な取組や、ICT支援員との連携による授業改善の広がりについて、秋國校長先生とICT支援員の稲場さんにお話をうかがいました。
導入背景・目的
ICTを学びの道具として
子どもが必要に応じて選択できる環境を整える

秋國校長先生
学習をすすめるに当たり子どもたちには、自分で学び方を選び、決め、調整しながら学習に向かっていけるようにする。——この在り方は、本校の研究で取組んでいることです。教員としてそのための環境を整えることが、とても大事だと思っています。
例えば、先日の社会科の授業で、ノートを取ることを極端に嫌がるというか、ほとんど書かない子どもがいました。しかし、「オクリンクプラス」のワークシートを提示したときには、自分で書式を整えて、学習内容を書き入れている様子が見られました。
それが、普段ノートに書くときとはまったく違う取り組み方なのです。言葉の選択も、思い出して変換して選んで入力するという感じでした。タブレットの画面を操作しながら書き、まとめる方法が、その子どもにとっては学びやすいのだなと感じました。
その子どもが意欲的に取り組む姿を見て、次の授業では「ノートまたはオクリンクプラスで、自分がやりやすい方法を選んでよい形式に変えました。要するに子どもが自分で選択できる場面を授業の中に設けるように提案したのです。
結果として、その子どもはオクリンクプラスを選び、そこに書き込む形で学習を進めていました。
もちろん、すべての学習にICTが適しているわけではありません。場面によってはアナログまたはICTなのかを選択する機会を設けることが、子ども自身の「自分にとっての学びやすさ」を考えるきっかけになり、それが主体的な学びにつながっていくのだと思います。
だからこそ子どもたちの学びの道具の選択肢として、ICTの環境を整備していきたいと考えています。
導入成果
ICTを活用した効果的な評価を通して
個別最適な学びの実現をめざす
秋國校長先生
ほかにもICTを活用する有用性はあると思います。一つは視覚効果や聴覚効果を授業に加えることができること、もう一つは個々の子どもの評価を通して個別最適化をめざします。
自分が教員として授業実践していたころもそして今も、子どもの成果物と向き合い、評価して子どもにリターンすることを大切にしていました。ICTを活用することで、これを効率的かつ効果的にできると感じています。
例えば、図工の授業では、作品の振り返りと評価にオクリンクプラスを活用しています。
子どもが自分の作品を自己評価し、それに対して教師が個別にコメントを返しています。以前は紙のワークシートで行っていたことですが、オクリンクプラスを使うことで、デジタル上でいつでも見返せ、家庭とも共有できることが画期的だと捉えています。
私はこれこそが、いわゆるICTを活用した「個別最適な学び」の具体的なかたちの一つではないかと考えています。
こうした取組を広げて、個別最適な学びの実現を目指していきたいと思います。
調布市立第三小学校の図工の授業実践はこちら
今後の展望・期待
子どもが自分で学び方を選び、調整できる力を育む授業へ
ICT支援員の存在と今後への期待
秋國校長先生
私がこの学校に着任した時、調布市の研究推進校としてICTの利活用が研究テーマになっていました。その当時、教員同士が実践を交流し合いながら、ICTを積極的に授業に取り入れていました。
今でもOJT研修を通じて、教員同士が自分の専門分野でICTを活用した事例を紹介し合う場を設けています。
ICT支援員の存在は、校内のICT活用を広げるうえで欠かせないものです。月に2回の訪問で、教職員の個々の要望に丁寧に応えてくれることが非常にありがたいです。例えば、オクリンクプラスの新しい使い方や効果的な活用方法を、30分程度の研修でコンパクトに紹介してくれることで、教職員が実際の授業で活用するようになりました。
また今も「こういう授業をしたいなら、こういう設定をするといいですよ」といった具体的な提案していただいています。もっともっと授業づくりに参加し提案をしていただきたいですね。
例えば、六年生の国語の授業での文章構成を考える活動でのことです。授業の最初に付箋を使う方法かオクリンクプラスのカードを使う方法の2つの選択がありました。これこそまさに自分で選択し、決定して、自己調整しながら学ぶという形だと捉えており、こういう学び方を広げるサポートもぜひICT支援員の方には力を貸してほしいと思っています。
ICT支援員 稲場さん
先生方の授業で求めることをお伺いして、調布市内の他校や全国の実践的な活用例をご紹介するようにしています。例えば1年生にタブレットの使い方を教えたいが何かおすすめのやり方はありますか?というご相談では、他県で使われているタブレットの使い方を学べるデジタル教材をご提案しました。全クラスに取り組んでいただいて、とてもよかったとおっしゃっていただくことができ、とてもうれしく思いました。
また、第三小は校長先生をはじめ熱心な先生方が素敵な活用をされていらっしゃいます。訪問させていただいている市内の他校等でもご紹介させていただき、市内全体の活用促進にもお役に立てたらと思っています。
秋國校長先生
ICT支援員の方が進めてくれるのは、ちょうどやろうかなと思っていることに最適な事例が多いと聞いています。事例は人に紹介される方がやってみようかなと思えます。今後も我々教員がやってみようかなと思うきっかけをたくさん提案していただければと思っています。
※ページの内容は2025年7月時点の情報です。
使用製品
オクリンクプラス
個人思考と共同作業の自由な行き来により
子ども同士が対話し、主体的に学んでいく授業運営を支援。




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