導入事例
可視化し、「体を動かす」だけで
終わらない授業を実現!
視点が変わることで、主体的、客観的に
体育の授業に参加できる
- 取材
- 新潟県南魚沼市立六日町中学校 | 佐野 祐太朗先生
- 学年
- 中学2年生
体育は、体を動かすことそのものが目的になりがちです。しかしICTを活用することで、体育は「考え、ふり返り、次につながる学び」へと大きく変わります。学習指導要領で示される運動への多様な関わり(「する・見る・知る・支える」)をミライシードを使って実現することで、生徒一人ひとりが自らプレーするだけでなく、自分自身の動きを見つめ直し、仲間と対話しながら学びを深める姿が見られるようになりました。
導入成果
「できたつもり」が変わる!
体を動かすだけではなく、「考え、対話し、学びを深める」体育の授業
体育の「できたつもり」をICTが気づかせてくれる。
佐野先生:
ICT活用のきっかけは、生徒が「できているつもり」になってしまっているという課題意識でした。
例えば柔道の前回り受け身では、本人はうまくできていると思っていても、実際には視野に入る範囲の動きだけしかできておらず、自分では見えていない部分の動きが不十分なことがあります。「足は90度曲げる」という動きを連写や動画で自分の動きを確認すると、「やっているつもりだったができていなかった」という事実に生徒自身が気づきます。
その気づきを「どこが、どうできていないのか」と言語化することで、学びは一段深まります。ミライシードを使えば、映像や記録を蓄積し、ミスを分析して次の改善につなげることができます。
体育で起こりがちな「わかる」と「できる」のズレを、ICTが確実に近づけてくれています。
体育の時間が単に「楽しかった」で終わるのではなく、「何を学んだか」を説明できる授業を目指しています。
バレーボールの授業だったら、ただプレーをしてうまくいった、いかなかった、というのではなく、ボールの落下地点を座標で記録してどこに多く落とされているかを可視化し、「何が起こったか」を全員で確認しながら次の作戦を考えます。
「楽しかった」で終わるのは遊びですが、「なぜうまくいったのか」「次はどうするのか」を考えて言葉にすることは学びです。そのための材料をICTが蓄積してくれます。

▲自分の動きを客観的に確認できる ▲試合の時のボールの落下点を記録
先生の体育の授業はメリハリがはっきりしています。もちろん体育の時間はプレーする時間がほとんどですが、すべての子がずっとそうできるわけでもありません。
体を使うだけでなく、ふり返りをしたり、生徒同士がコミュニケーションをとったり。プロの映像を見て自分たちのプレーと比較したり、ダラダラしていることがないのです。
先生の授業イメージがはっきりしているので、ミライシードをどのように使うと効果的なのかという技術的な面でのサポートを心がけています。手書きがいいか、入力がいいかなど、生徒目線で考えた時のよりよい方法などを提案しています。
ICTを使うことで、生徒の役割が広がり、関わり方が変わる。
佐野先生:
学習指導要領でも示されているように、運動には「する」だけではなく、「見る」「知る」「支える」という4つの関わり方があります。ICTを活用することで、運動が得意な生徒だけでなく、データ分析が得意な生徒や仲間を支えることが得意な生徒も活躍できるようになりました。
運動が苦手でも、動画を撮影して、それを見ることで客観的な分析に参加できます。「する」というプレーヤーだけではなく、「見る・知る」というデータアナリスト、さらに「支える」というサポーターという、それぞれの得意なところで役割を担えるので、学びに主体的に関われるようになっています。
男女共修が進む中で、男子から女子へ、あるいは女子から男子へアドバイスをするという場面もあります。視点が異なることで新しい気づきがあったり、立場を変えて考えてみることにつながったり、さまざまな視点の広がりが見られます。
アドバイスというと欠点を指摘すると考えがちなのですが、そうではなくて「丸(〇)を二重丸(◎)にする」とか「この部分がよかった」「参考になる」という視点でのアドバイスを中心にしています。上から下ではなく、横につながる関係性が生まれ、生徒同士の対話も深まっています。
アドバイスをふり返っての話し合いの際に、自然と「つまり」とか「ということは」といった言葉が使われるようになっているのも、よさの一つですね。考えを整理し、根拠をもって相手に伝える力も育ってきました。

「体を動かすだけ」の授業を「考え、対話し、学びを深める授業」へと進化させる。
佐野先生:
ICTを活用することで、動画やデータを残し蓄積できることは大きな価値があります。また、アドバイスカードやふり返りの入力に関しては、文字の上手さに左右されず、同じスタートラインで生徒を見取れるという点で、評価の公平性にもつながっています。
体育は「体を動かすだけの授業」から、「考え、対話し、学びを深める授業」へと進化しています。データを取って、それを活用することで、「遊び」から「学び」になり、それが「体を動かす喜び」へとつながっていき、最終的に心身の健康や生涯スポーツということにつながっていくと考えています。
《スポレック「室内テニス」 全7時間》
1)個人とチームの課題発見
自己やチームの実態を知るためにお試しゲームを実施し、課題を洗い出す。
課題を整理する際、2種類のカードを提示する。
カードA:ゾーンで見る。
カードB:人の動きを起点にして見る。
自分がやりやすいカードでやってよい。どちらを選んでもOK。
2)作戦会議
ダブルスのチームを組み、2人の話し合いで相手を崩す方法を考える。
それぞれが自分の戦略カードを持ち寄って話し合い、それぞれの戦略を試す。
3)アドバイスタイム
男女の視点のアドバイスカードを送り合う。
男子・女子と異なる視点を入れることでさらに考える。
4)チーム会議
試合のたびに振り返りをおこなう。
うまくいった戦略、うまくいかなかった戦略を振り返りながら、次の試合に生かす。
データを活用することで、主観的な話し合いではなく、客観的な視点に基づいた話し合いが行われる。
話し合いの記録を残すことで、技能と戦略を強化していく。

撮影した動画とプロの試合映像を見比べる。
ボールを持っていない人の動きにも意味があることに気づき、自分たちの次の試合に生かす意識につながる。
5)振り返り
「試合→振り返り→チーム会議」を何度もくり返しながら、課題を発見し、解決策を練り続けるという営みが継続的に続けられる。
毎時間の振り返りが蓄積されることで、勝ち負けではなく、一人ひとりの違いに応じたプレーをすることと、仲間の学習を援助する姿勢が見られた。

※ページの内容は2025年12月時点の情報です。




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