導入事例

愛知県豊橋市教育委員会髙橋史雄さん — 「自らすすんで学び続ける
子どもの育成」をめざし、
ICTを道具として
活用するなかで具現化する
〈個別最適な学びの充実〉

取材: 愛知県豊橋市教育委員会　|　髙橋史雄さん
使用製品: ドリルパークオクリンクプラステストパーク
学年: 全学年

愛知県豊橋市では、多くの市内小中学校において問題解決的な授業が展開されていますが、タブレットを含むICTの活用が停滞しているという課題がありました。市教委として、「第2期とよはし版GIGAスクール構想」を掲げ、子どもたちに「自らすすんで学び続ける力」を今以上に身につけさせるためには個別最適な学びの充実が必要だと考え、その第一歩として「ミライシード」の導入に踏み切られました。今回は、豊橋市教育委員会の髙橋史雄さんに、導入に至った背景や経緯、今後の展望についてお話を伺いました。

導入背景・目的
現状維持は退化。授業内外でのICT活用を後押しするために、現状を受け入れたうえで新しいサービスへの切り替えを実現

人生100年時代の子どもたちが、「自らすすんで学び続ける力」を身につけることで、生涯にわたって充実した日々を歩むことができるように

豊橋市は、「第2期とよはし版GIGAスクール構想」として、「自らすすんで学び続ける子どもの育成　〜1人1台端末を道具として活用する活動を通して〜」を掲げています。
自らすすんで学び続けるためには、「魅力あるソフトを導入することで授業を改革していくこと」「ICTを道具として活用するためには、使いやすい端末とストレスのないネット環境を整備すること」が必要だと考えています。
目標の達成を見据えて、目の前の授業をどう変えていけばいいか考えた時、まずは授業のあり方を変える必要があると思いました。現在の授業形態では、もっと先に進みたい子は手持ち無沙汰に、遅れをとっている子は置いてきぼりになってしまう傾向があります。
そこで、自分で調べたり、解いたり、友達と協働的に学び合ったりする現在の授業形態に授業支援ソフト等を組み合わせ、効率的に思考力等を育成するハイブリット授業への転換について、議論をスタートさせました。

タブレットの活用が停滞している事実を受け止め、現状を打破するために、オールインワンで全方向の学びをフォローできる新しいサービスへの切り替えを検討

豊橋市では、協働学習ならこのソフト、デジタルドリルならこのソフト、というふうに目的ごとに違うソフトを使っていました。しかし、教員による管理という側面や、子どもたちの学びやすさを考えても、最適ではないなと考え、各ソフトをオールインワンで、一元管理できるサービスを前提に探し始めました。
様々なソフトを検証するなかで、授業への転換の可能性を感じたのが「ミライシード」でした。そこで、学習指導の研究を委嘱している大清水小学校に「ミライシード」の検証活用の許可を出し、研究の一助としたところ、子どもたちがそれぞれの手元や教室前の画面で、リアクションやコメントを通して意見交流するなど、タブレットを道具として活用した問題解決的な授業が展開されている光景を目にしました。
同時並行で他社さんのサービスも比較しましたが、授業支援ソフトの操作性に優れていること、AIドリルの性能の高さ、「テストパーク」による単元テストの可能性を踏まえ、「ミライシード」の導入を決断しました。
当然、「なんで今のソフトじゃダメなの？」という議論もありましたが、豊橋市のタブレット活用が停滞している現状を打破するきっかけにしたいと考えました。

導入成果
子どもたちの学習効果と教員の校務負担軽減の両面において、
これまでの不可能を可能にする「ミライシード」が頼れる存在に

「オクリンクプラス」を基本的に活用するだけで、深く考える時間が充実したものに

「オクリンクプラス」を活用するようになってから、協働的な授業を展開しやすくなり、考えを深める時間をより多くもてるようになりました。

例えば、自らの考えを書き、学級全体で共有し、話し合う場面においては、他の子の考えをオクリンクプラスでリアルタイムで共有するとともに、気になる考えにリアクションスタンプを押しておくことで、話し合いの焦点化が容易にできたり、時間短縮を図ったりすることができます。
また、授業の振り返りも、各々が書いた感想を教員に提出して終わりではなく、子どもたち同士で振り返りの内容について意見を交流させることができます。紙や口頭でやりとりする場合では多くの時間がかかる部分を「オクリンクプラス」を基本的に使うだけでスムーズに行うことができるようになり、子どもたちにとっても、教員にとっても、よりよい環境が整ったと感じます。

個別最適な出題と子どもたちの集中力を維持する仕掛けで、解けば解くほど力がつくことを実感

「ドリルパーク」については、期待していた以上に活用しやすく、基礎・基本の定着のための「個別最適な学習」が実現できていると感じています。
いろいろと試してきたデジタルドリルのなかには、理解していなくても勘で進められてしまうものもありました。
「ドリルパーク」は、一人ひとりの得意・不得意をベースに、類似問題も交えて出題されるので、解けば解くほど力になることが目に見えてわかります。
さらに、ゲーム感覚で楽しめるポイント制は子どもたちにとって大きな魅力であると考えます。教員にとって、目の前の子どもたちの様子だけでなく、その取り組み状況が実績として把握できるのもありがたいです。
あとは、紙の宿題では難しかった漢字の書き順などをしっかりと確認できるのもいいですね。

今後の展望・期待
「子どもたちのためのICT活用」という文脈を強く伝えていくことで、教員一人ひとりの意識改革を実現したい

今後は、小中学校の教員で構成される情報教育推進委員会を中心に、モデル校を選定したうえで、来年4月以降の本格導入に向けて「ミライシード」の活用事例や感想等を蓄積していく予定です。
教員側に「やらされている感」があるうちは活用が進まないと思いますので、委員会のメンバーを起点とし、情報を交換しながら全体を巻き込んでいける設計を検討しています。
直近では、夏休みに、「主要アプリ活用研修」を全教職員対象に3日間かけてオンラインで開催しました。また、実際の活用に重点を置いた「夏期研修講座」を、活用が進んでいる大清水小の先生を講師として計6回開催予定です。さらに、市の研究指定校には、「ミライシード」の活用を積極的に行ってもらうよう既にお願いしています。
本格導入前ですが、「ミライシード」の活用や機能についてわからないことがあると、大清水小の教員に自主的に尋ねる教員もおり、ICT活用における意識が高まっていることを実感しています。すぐには難しいと思いますが、教員一人ひとりの「子どもたちのために授業のやり方を変えていこう」という意識改革を図り、市内全体のICT活用率を上げていければと思います。

※ページの内容は2025年８月時点の情報です。