導入事例

瀬戸市にじの丘学園 瀬戸市立にじの丘小学校・瀬戸市立にじの丘中学校 勝谷校長先生、渡會先生、松山先生
他者参照を通した
「協働型課題解決能力」
を発揮させるICT
活用授業のデザイン
取材
瀬戸市にじの丘学園 瀬戸市立にじの丘小学校・瀬戸市立にじの丘中学校
学年
全学年

瀬戸市立にじの丘学園は、2020年に市内の小中学7校が統合して開設された、公立の小中一貫校です。「協働型課題解決能力」を発揮できる児童・生徒の育成を目標に掲げ、小・中相互の乗り入れ授業やICTを取り入れた授業づくりを積極的に展開されています。このうち、ICTを取り入れた授業について、オクリンクプラスを使った実践を小学校担当の渡會先生、中学校担当の松山先生、そして中学校の勝谷校長先生にお話を伺いました。

導入成果
めざす児童生徒像の実現に、欠かせないツールとなった

子ども同士の活発な意見交流を生み出す

渡會先生
オクリンクプラスのよい点は、子どもたち同士でカードを送り合い、カードに対してリアクションできるところです。リアクションされた子どもは自分の意見が肯定された満足感を得られますし、ほかの生徒もいいリアクションをもらっている子どものカードから自分の考えを広げたり、深めたりできます。まさに、本学園がめざす「協働型課題解決能力」を発揮するために役立つ特徴です。




教員にとっても、子どもの意見を拾いやすいアプリケーションですね。私はよく、「はい」なら赤のカードを、「いいえ」なら青のカードをと、子どもたちに使うカードを分けさせていて、今日も同じ実践を行ったのですが、こうした少しの工夫で子どもたちの考え方を簡単に把握できます。




子どもたちは、自分の意見をしっかり書いてくれます。紙のノートやプリントだと、書き直しがしにくく、よく考えずにさっと出してしまう子どももいたのですが、アプリケーションで書き直しが容易になったことで、こだわって自分の意見を考えてくれる子どもたちが増えたように感じます。

松山先生
私は、ちょうど今日の理科の「光の性質」の単元の学習でオクリンクプラスを活用しました。前時に光の反射の法則について観察したのですが、その際に記録したノートをタブレットで撮影し、オクリンクプラスのカードに貼り付けてクラス全体で共有しました。観察用紙そのものは以前と同じように使っていますが、ICTを活用することで、簡単にクラス全体でシェアできるようになったのは便利ですね。




普段の授業では、私からカードを送ることが多いです。例えば教科書の内容をまとめたカードや、参考になるウェブサイトのリンクを貼り付けたカードのように、その授業で特にポイントになる部分をよく送っています。


先生方も主体的に学び、授業づくりに生かす

勝谷校長先生
本学園が育成する児童生徒像の一つである「協働型課題解決能力」を発揮できる児童・生徒ですが、その定義は「多様な他者と協働しながら、社会や身の回りの問題を発見し、問題の解決に必要な情報を集め、整理・分析し、他者との話し合いを通じて最適解や納得解を見つけ、それを他者にわかりやすく伝えることで、問題を解決する能力」です。もともとは瀬戸市が掲げる児童・生徒像なのですが、本学園は4年前から市の研究パイロット校として、この能力を発揮させる授業の研究に取り組んでいます。

すでに取り組みから4年が経って実感していることは、協働的な学習や、主体的な学習を深めようとすると、ICTを活用したほうがよりねらいに迫りやすいことから、必然的にICTの活用が欠かせなくなっているということです。本学園では学びのためのツールとして、学び合いや考えを深める学習など様々な場面で自然と活用が広がっています。

オクリンクプラスについても、ICTに詳しい先生から研修を実施してもらいました。また、授業で使う前に、校内の会議や研修でも使ってみましたね。


松山先生
研修では、「子どもたちから画面がどう見えるか」を、実演しながら共有してもらいました。実際に授業で使ってみると、私たちは教員側の端末しか自分で操作しませんので、子ども目線でカードがどう送られてくるとか、どこが操作しづらいかがピンと来ないものです。子ども目線で研修をしたり、送られる側として会議で使ってみたりしておいてよかったです。
職員室でも、情報交換は盛んです。今こう使っている、どの場面だと使いやすいという話は日常的に聞こえてきます。


ICTだからこそできる、誰も取り残さない授業へ

渡會先生
私は自由に自分の意見を表現できるところに、ICTの可能性を感じています。少数意見であっても、立ったり手を上げたりせずに、その場で臆せず表現できる。だからこそ、多様な意見に触れられる授業がつくれる。少数意見にもっと焦点をあてた授業づくりを進めて、本学園がめざす「協働型課題解決能力」を発揮する児童・生徒の育成をもっともっと、図っていきたいです。


松山先生 
私は「協働型課題解決」をより発揮しやすくするために、個別最適な授業づくりを進めていきたいです。中学校の場合、その授業が好きでどんどん学びを深めていける子どもと、そうでない子どもの差が大きくなります。授業全体は後者に合わせるとしても、ICTを活用すれば、前者の子どもも退屈せずに、さらに先の学びを深めていけるでしょう。すでに発展的な学習に関するカードをどんどん送るようにしていますが、こうした自分の力で学習を深めていける、子どもが自分の学び方を考えていくことができる授業づくりに取り組めたらと考えています。



※ページの内容は2024年11月時点の情報です。

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