導入事例

山形県寒河江市教育委員会
子どもが
「自ら学び取る」教育・
子どもが
「学び方を学ぶ」教育へ
取材
山形県寒河江市教育委員会
使用製品
まるぐランド
学年
2,3,4年生

全国学力調査の結果から「読解力(汎用的な資質・能力)」の育成に踏み切ることを決めました。児童が楽しく主体的に学ぶ様子から、先生の指導観にも変化が出てきています。

導入背景・目的
きっかけは「読解力」への課題感

これまでの全国学力・学習状況調査において、国語「読むこと」の正答率に課題を抱えていました。国語に限らず、算数においても、短答式や記述式よりも選択式の正答率が低いという状況がありました。このようなことから選択肢や問題文の文章をよく理解できていないのではないかと分析し、対策を行う必要性を感じていました。
また、学級を構成する児童は多様化しているなかで、担任の先生が問題のない子だと感じている子も含め、その子の特性を的確に把握し、すべての段階の児童の能力を最大限に伸ばしていきたいと考えていました。
そこで、令和4年度に市教育研究所にて新たに課題研究部会を立ち上げて取り組みを始めました。取り組み内容を検討するなかで、読み書きの発達特性に配慮したICT学習教材である「まるぐランド」が、課題解決の一助になるのではないかと考え、小学校2年生対象にモニター実施を決めました。

導入成果
モニター実施から見えた効果と学校現場からの期待の声

モニターで行ったチェックテストの結果では、学校によって違いはあるものの、読み書きに困りを抱えている児童が減少し、とくに学力に課題があった学校では、やや困りのある児童含め、困り感を抱える児童が幅広く減少していました。
学校現場からは、「子どもたちが意欲的に取り組む姿がある」という声が最も多く寄せられ、「来年度から本格導入を是非検討してほしい」という強い要望も寄せられました。この声は、学力に課題がある学校ほど強いものでした。
こうした結果を受け、予算要求に至りました。財政からは県内での実績がないうえに、他市町で結果が出てからでも良いのでは、という言葉をもらい、一度は見送られそうになりました。しかし、令和の日本型学校教育と読解力の関係から、どうしても目指したいのは「自立した学習者の育成」であることを説明しました。子どもが「自ら学び取る教育」、子どもが「学び方を学ぶ教育」を展開していきたい、そのためには子どもの特性に合わせた「学び方」で学習を提供することができる「まるぐランド」が必要であることを、強く説明し、導入の理解を得ることができました。


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学校での活用を深めるために、活用計画を双方で検討

まずは、各校の校長先生が委員になっている市教育研究所運営委員会にて、予算要求時に取り上げた、本市で目指したい教育のあり方を説明し、次年度導入する予定のある「まるぐランド」の特徴等について理解をしてもらいました。
新年度になってからは、各校へ説明文書を送付しました。さらに、各校での取り組みが促進されるよう、実施計画書の提出を求め、より良い活用に向け、必要に応じて計画の内容についてやり取りを行ないました。
週3回程度・1回15分の取組時間を目安に、朝の学習時間や課題が早く終わった後といったスキマ時間・家庭学習等のように、活用の場面は学校の状況に応じて異なります。一斉に学級全員が行う使い方だけでなく、課題の進み方に応じて、児童に選択させて取り組ませる学校もありました。

児童だけでなく教員の指導観にも変化が

「教師のこれまでの指導では難しかった児童が、アプリからの花まる等に手をたたいて喜びながら取り組む姿が見られた」「立ち歩きのあるADHD児は、これまでひらがなの読み書きを苦手としていたが、まるぐランドに集中して取り組むようになり、読み書きの成長が見られた」と、担任は驚きと同時に、その成果を感じているようです。また、「板書を見て書くのが苦手な子が、耳で覚える能力が高いことがわかり、教師の範読によりノートを取ることができた」と、チェックテストでその子の認知特性を客観的に把握できたことで、日頃の指導改善にもつながっているようです。
「これまで全員に同じタイミングや同じ成果を求めていたが、その子なりのペースで、学習を進めていくことの良さを実感できた」と、プリント学習では実現できない有意義な学び方で、子どもたちが学びを楽しく進める姿から良さを実感しているようでした。
児童の変化のみならず、教員にも、通常学級にて児童の特性に合わせた指導を心がけようという意識の変化が見られています。これまでの経験や勘による指導ではなく、客観的なデータを生かした指導の大切さを改めて感じているようです。


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今後の展望・期待
今後は、高学年にも取組拡大を検討

今まで見過ごされてきた困り感を持つ児童に対して、個別の支援を可能にし、すべての児童の読み書きスキル向上や学習意欲の向上、自己肯定感の向上を図っていきたいと考えています。そのために、まずは今年度の取り組みを継続していきます。
さらに、「読みとり」のレッスンが加わる4年生以降での実施も視野に入れ、読解力育成の推進を図っていきます。


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※ページの内容は2025年1月時点の情報です。

使用製品

まるぐランド

読み書き・認知特性の基礎スキルを測り、児童一人ひとりの特性に合わせた「学びかた」を提供することで児童に自信をつけていくことができるICT学習サービスです。

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