中島先生
子どもの学びにおいて大切にしているのは子ども同士の「学び合い」です。
子どもたちが話し合い、互いに学び合うためには、ICTが有効なツールだと感じています。
すべての子が自分の考えを言葉にまとめて発言できるわけではありませんが、ICTを活用することで、絵や写真、WEBサイトなどを手軽に共有することができます。「ねえねえ、見て！」と直感的に気づきを伝えられることで、話し合いが自然に始まり、広がっていきます。
子どもたちが直感的に感じたことをすぐに伝えられる環境は、話し合いを活性化するうえでとても重要だと考えています。

中島先生
子ども同士の学び合いや話し合いの場面で、直感的に伝え合うことが活性化する、という話をしましたが、教師のICT活用においても、同じように「こうやりたい」と思った直感的なアイディアを、そのまま授業に投影できることが大切だと感じています。
ICT支援員の方がいることで、そうした直感的に思いついたアイディアをスムーズに形にすることができると実感しています。
今日の総合の授業では「情報モラル」を扱ったのですが、普通に進めても子どもたちの興味を引きづらいと感じて、何か良い導入はないかと考えていました。ミライシードをいろいろ見ていたところ、「ドリルパーク」の社会の中に、導入にちょうどよさそうな問題が見つかり、「これ、使えるかも？」と思ったんです。
ただ、実際にうまくいくか少し不安もあったので、古畑さんにも相談させてもらい、結果的に授業で実現することができました。

総合「情報モラル」の授業
子ども主体で話し合い
タブレット端末の取り扱いについてのルールを考える

１　「ドリルパーク」社会情報産業の問題へのリンクをつけた「オクリンクプラス」のカードを子どもに送る。子どもはドリルパークの問題に取り組み、話し合いの前提となる「情報」に対する基本的な知識の確認を行う。

２　話し合いや意見交流は「オクリンクプラス」を活用して行う。
まず、「タブレット端末の取り扱いについてどんなトラブルが考えられるか」というテーマで、ピン集計によって意見を可視化するためのカードを送信する。子どもは「マイボード」で受け取ったカードに、自分の考えに合わせてピンを押し、完成したカードを「みんなのボード」に送る。

 
３　「みんなのボード」に集まったカードをピン集計し、今までのメディアとの付き合い方についてのクラスの意見を可視化する。

４　今の付き合い方を確認したうえで、今後の情報モラルとの付き合い方について話し合いを行い考えまとめていく。できあがったカードは「みんなのボード」に送り、他の子の意見を参照。コメント機能でお互いの意見に評価をつけていく。

５　振り返りカードを子どもに送る。児童は授業の感想を記入し理解度を選択肢で選ぶ。

中島先生
川原代小学校は小規模校ということもあり、教員同士の連携がとてもスムーズです。そこにICT支援員さんが加わってくださることで、ICT活用がさらに活性化するきっかけそして支えになっていると感じています。
若手の先生たちとICT支援員さんとで勉強会をしたり、実際に授業で実践してみたことを教師間に広げたりする という流れができています。新しい機能や使い方もどんどん試してみて、よいことはシェアし合うことができます。
またICT支援員さんに授業の直前で直感的なアイディアを相談しても、実現できるように対応してくれますし、授業中の子どものサポートをしてもらえます。担任は授業に集中できるので、授業づくりがとても円滑にできています。

古畑さん
学校全体で効果的な活用をしたいと思われている学校です。そこに 寄り添ったサポートをしていくことを心掛けています。
中島先生は「ドリルパーク」も「オクリンクプラス」も積極的に活用してくださいます。「普通にやったらつまらないよ」とアイディアがどんどん出てくるので、それに合わせて資料や提案をしています。先生がお話していた総合の授業でのドリルパーク活用についても、お話をお伺いし、よりスムーズに授業が展開できるようなカードの作り方などご相談させていただきました。
子どもたちの反応をいちばんよく見ていらっしゃる先生からたくさんアイディアをいただくことで、私たちも新たな視点を得ることができてご支援の幅を広げることができていると感じています 。

中島先生
小規模校ということもあり、リアルな交流はしやすい環境ですが、ICTを活用することで、より深く、タイムリーな学び合いが実現できていると感じています。
たとえば、オクリンクプラスを使えば、複数の友達の意見を一度に見ることができ、キーワード集計によって全体の傾向をぱっと可視化することも可能です。こうした機能は、話し合いを深めるうえで非常に有効です。
子どもたちは1日の大半を学校で過ごしています。教師から学ぶこと、一人で学ぶことももちろん大切ですが、みんなで話し合ったり、誰かの意見から学んだりすることで、学びが定着したり、情緒が育まれたりするのではないかと考えています。