導入事例

岐阜県大垣市立江並中学校 高木一範先生
待ち望んだあるべき
ツール×教師のファシリテーション
〜「知りたい」「学びたい」
「解決したい」を刺激する
環境を整えるために〜
取材
岐阜県大垣市立江並中学校
使用製品
オクリンクプラス
学年
全学年

「ひとりだち-自立・協働・貢献―」。現代社会では、グローバル化や人口知能等の先端技術の高度化に伴い劇的に変わる未来社会を「生きる力」が求められている。中学校卒業後、一人の大人として自立し、協働しながら、社会に貢献して生きていく。そのようなメッセージが込められた、大垣市立江並中学校の学校教育目標です。
この学校教育目標を本質的なものへと変えていくために、今、同校ではICTを活用した授業改善が進められています。学校を代表し、理科をご担当されている高木一範先生に、授業改善のご状況やミライシードのご活用状況を伺いました。

導入成果
授業はもちろん、教員としての価値観も変わった

自己肯定感が伸びる協働学習や呼びかけが可能に

高木先生
本校の理科部では、学校教育目標に沿って、「自分で考え」「仲間と協働し」「自分の考えを再構築する」力の育成をめざした授業改善に取り組んでいます。
こうした個別最適な学びや協働的な学びを実現するうえで、今やICTは欠かせない道具となりつつあります。ところが、これまでに我々が活用していたツールは、今一歩物足りなさを感じるものでした。例えば、共同編集の際にデータがうまく同期されなかったり、箋機能を使っている時に誰が作業しているのか分からなかったりしました。こういったトラブルや不具合が続いていて、生徒も教員も、前向きに活用しづらい面がありました。

そういった点で、オクリンクプラスは実に活用しやすいツールです。私にとっては、まさに待望のツールでした。第一の魅力は、共同編集が大変にスムーズであることです。「みんなのボード」は操作性が良く難しい面なく、生徒同士の共同編集を実現できました。




第二の魅力は、クラウド上で行うAIテキストマイニングです。アナログでも、デジタルでも、生徒の意見やアウトプットに目を通し、集約して授業に反映するのは情報力が多すぎて、どうしても時間がかかってしまいました。ですから、どうしても一人二人の意見を抜き出して、まとめて全画面で表示させるほかなかったのですが、テキストマイニングを活用すると、クラス全体の意見をぱっと集約して示すことができる。生徒にとっては、「私の意見もちゃんと入っている」と自己肯定感が高まるきっかけができますし、教員としてもごく短時間で生徒が考えている傾向をチェックできる。これは本当に便利ですね。

例えば、今日の授業でも「大地」の写真を提示し、知っていることを投げかけてから、生徒の意見をテキストマイニングにかけて、「断層」というキーワードを使った生徒に詳しく発表をしてもらいました。授業のキーワードとなる意見をもった生徒を意図的に指名し、ファシリテーションしていくことで、クラス全体に広げたり、深めたりしていく掴みの部分で特に役立つ機能だと感じています。


子どもたちが大人になっても学び続ける姿を想像して始まった、自由進度学習

高木先生
今の子どもたちが大人になったときに必要になるのは、氾濫する情報の中から自分で選択を行い、学習に向かい続ける力だと考えています。そして、中学校でも、その土台を築く努力が必要です。こうした思いから、本校の理科部は今年度から部分的に、自由進度学習を取り入れ始めました。自分で学習方法を選び、自由に学んでいくスタイルの授業です。
今の段階で行なっている自由進度学習は、単元の学習内容が書かれた紙の「学習カード」を配布します。そして、生徒はオクリンクプラスのマイボードで自分はどのように学んでいくのか付箋に入力して、提出BOXに送ります。生徒が送った内容をもとに、学習集団を調整して、学習環境を整え、それぞれの学びを支援します。最終的に、本時で学んだことを学習カードに書いて提出します。最後に、生徒一人一人がどこまで理解することができたのかを見届けます。つまり、ICTと自由進度学習の相性は、極めて高いと言えます。




ICTによる協働的な学習や、自由進度学習に取り組む中で、一つ気づいたことがあります。それは、生徒本来が持っている学ぶ意欲や、協働する力の強さです。一斉授業を行っているときは、恥ずかしながら、どこかで「授業とは教員が教えるもの」という意識がありました。一方で、こうした新しい形式の授業を行ってみると、教員がいちいち言わなくても、身を乗り出して対話に向かったり、想像以上に深く調べた成果物を持ってきたりする生徒がたくさん見られました。「子どもは一人でも学べる」。教員が持っている固定観念を崩してくれた、今の生徒たちに感謝しています。




自由進度学習は、個々の生徒によって進度が変わります。だからこそ、すべての生徒が正しく学ぶ力を身につけているのか、検証していくプロセスが欠かせません。ただし、「テストで点数が取れる」ことだけが学ぶ力ではないでしょう。先にお伝えしたとおり、VUCA時代を生き抜く子どもたちだからこそ、学びに向かおうとする姿勢も、生涯にわたって必要となる力です。

と言っても、現実問題、中学校教育では高校入試に対応する必要もありますから、学年が上がるほどに、教員が「教える」授業の割合が高まっていってしまう現状もよくわかります。私自身、学生時代は一斉授業を受けていた時代の教員ですから、生徒にとってあるべき授業とは何か、毎日考えさせられています。これからも、生徒が何を学び、どのような力をつけていくべきか、またその力をどのように測っていくべきか、一回一回の授業を大事に、日々アップデートしていく所存です。

※ページの内容は2024年12月時点の情報です。

使用製品

オクリンクプラス

個人思考と共同作業の自由な行き来により
子ども同士が対話し、主体的に学んでいく授業運営を支援。

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