導入事例

新潟県新潟市立光晴中学校
学力だけではなく、生徒自身が
“自己調整力”を育むツールとして
デジタルドリルを活用
取材
新潟県新潟市立光晴中学校
使用製品
ドリルパーク
学年
3年生

新潟市立光晴中学校は、全校生徒が約306人、1学年3〜4クラスの中規模校だ。GIGA導入期では新潟市のパイロット校にも指定され、全国よりも先駆けてタブレットを導入。現在は授業中はもちろん、行事や特別活動、生徒会などあらゆる場面で生徒自身がタブレットを文房具として活用。全校のICT活用を力強く推進してきた石川先生にお話を伺った。

目的
生徒自身が自己調整しながら、学びを深める
課題
・先生が次やるべきことを指示しないと進めない生徒がいる
・学力に差があり、一律の学習では対応できない
効果
・生徒自身が自分の課題を把握し、何をするべきか考えられるようになった
・一人ひとりの習熟度、ペースに合わせて個別最適な学びが進められている

導入背景・目的
学習指導要領の改訂とともに、評価の仕方も変えるべき。
ICTを評価観点にもうまく活かしたい

与えられた課題を言われた通りに解くことは、“主体性”といえるのか?

新指導要領で求められる力が変わったのであれば、評価方法も変えるべき。従来はノート提出や、ワークの取り組みなどで評価していたのですが、その方法に疑問を持つようになりました。そこで主体性を見取る観点として、重視するようにしたのが「自己調整力」と「粘り強さ」。
「自己調整力」は、自分自身で課題を把握し、解決するために何をするべきか考えられる力、そして、それを評価し改善していく力、「粘り強さ」は、自分で決めたことを最後までやり遂げられる力と捉えています。 この2つの力のうち、特に「自己調整力」を育み、見取る方法としてデジタルドリル「ドリルパーク」を活用しました。


課題
今、自分は何ができていなくて、それを克服するために何をすべきか?
また、自分は何が得意で、それをどう活用したいか?
さらにどんな学びをしたいか?
生徒自身が考え自走する、先生はその伴走役でありたい

先生の役割ってなんだろう、その疑問から全てが始まりました

今の時代はわからない問題や単元があった時、Youtubeに様々な解説動画があり、簡単に解決できます。Youtubeを観ればわかることを、授業で指導するのでは先生の役割が意味をなさなくなってしまう…そう自分に問いかけるようになったんです。
学校は人と人とが関わって学べる場所。だからこそ先生も生徒との関わりを通じて、その子が気づいていない課題を気づかせたり、迷っている時は伴走する、そんな役割を担いたいと思うようになりました。

自己調整の第一歩は、ゴールと現在地を知ることから

自己調整力を育てる方法として、単元の導入に力を入れました。そこで活用したのが、プログレスカードとデジタルドリル「ドリルパーク」です。
単元初回の授業で、じっくりと自分と向き合う時間を確保しました。写真のステップ図を示しながら、この単元における「ゴール」となる単元テストの類題を示すところから始まります。続いて「ドリルパーク」を使って既習事項の習熟度を確認することで、自分の現在地を自覚させます。
続いて、プログレスカードを記入することで、自分の力や伸ばしたい力が自然と見えてきます。あとは、それを伸ばすために「何を、どのように取り組むのか?」を自分で、具体的に設定させます。自分で設定した課題なので、宿題などよりも主体的に取り組むことができます。
その後は、単元の学習が「利用」に入る前に中間評価、単元の終わりには振り返りをプログレスカードを用い行います。自身の成長を可視化して自覚したり、自身の決めた課題と向き合ったりする機会を確保することで『自己調整』のサイクルを染み込ませていく狙いです。

学びのステップ
石川先生手作りの学びのステップ
   
プログレスカード
生徒自身が自分の課題を記入する プログレスカード

導入成果
「ドリルパーク」は学年を超えた学びが容易にでき、
学びたい内容にすぐに取り組むことができる

過去と現在がつながって見える「学び直しドリル」は効果的

冊子のワークは内容が1年分しかないので、前学年の振り返りが物理的に難しかった。また、前学年のワークに取り組むことに心理的な難しさを抱える生徒もいました。でも「ドリルパーク」には小学1年生から中学3年生までの9ヵ年分が含まれていて、中でも「学び直しドリル」は、単元ごとのつながりが目に見えて、学年を越えてさかのぼりができるのが魅力です。中学生でもこっそり小学生の内容から復習する、そんなことも簡単にできるのがいいですね。 あとはAIでレベル、問題量が個別最適化されるので、自主学習を進めるのに便利です。

生徒が気づいていない課題に気づかせてあげるのも先生の大事な役目

自己調整学習を進めるとはいえ、決して放置するのではなく、生徒一人ひとりの様子を見て、個別に声掛けすることを大切にしてきました。生徒によっては3年生の単元ができていても、実は2年生の単元でつまずきがある場合もあります。授業中の様子やドリルパークの正答率を見て、気づいていない課題を声掛けするようにしています。 1日において必ずクラスの生徒全員と会話する、そんなルールも自分の中で意識していますね。


今後の展望・期待
文房具としてICTを生徒が自由に使いこなす、
そして課題を自分で見つけ解決できる力を育んでいく

紙かデジタルか、生徒自身が得意にあわせて選べるように

「ドリルパーク」を使った自己調整を軸にした学習は、単元を重ねるごとに習慣化し、私から宿題を提示することはほとんどなくなりました。
しかし、ICTを使った学習がすべての生徒にマッチするとは限りません。今後は、冊子のワークも取り入れ、生徒自身が学びたい内容を、学びたい方法学べる環境を用意し、生徒自らが選択できるようになればいいなと思いっています。 学習に留まらず、生徒自身が社会における課題を発見し、解決するために何をするべきか考え、そのツールとしてICTを活用する、そんな学びをこれからも推進していきたいです。


新潟県新潟市立光晴中学校

※ページの内容は2024年3月時点の情報です。

使用製品

ドリルパーク個別学習ドリル

個々に合ったレベル・ペースで、知識の確かな定着や
主体的に個人で学ぶ姿勢を支援します。

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