導入事例

鹿児島県枕崎市立桜山小学校 上田 博昭先生
「わからない」と安心して言える
学級基盤が、学びを深める
「曖昧な理解」を「伝えられる自信」に
変えた桜山小学校の実践
取材
鹿児島県枕崎市立桜山小学校 | 上田 博昭先生
使用製品
ドリルパークオクリンクプラス
学年
小学3年生

「わからない子が『わからない』と安心して言える」。そんな心理的安全性の高い学級経営を何よりも大切にしている桜山小学校の上田先生。児童の主体的な学びを促すために「自由進度学習」に取り組む中で、新たな課題に直面します。
それは、学習が「個」に閉じがちになり協働的な学びが減少すること、そして「わかったつもり」のまま学習を終えてしまう児童がいることでした。これらの課題を乗り越えるため、上田先生がオクリンクプラスを用いて導入したのが「解説動画づくり」です。この取り組みが、児童の学習意欲や学力にどのような変革をもたらしたのか、お話をうかがいました。

導入背景・目的
「個」に閉じる学習と「わかったつもり」。自由進度学習の先に見えた新たな課題

上田先生
私は、以前自由進度学習を試したのですが、突き詰めるほどに児童が一人で黙々と学ぶ時間が増え、クラス全体が「シーン」としてしまうことに違和感を持ち始めました。
同時に、「なんとなく分かった気になって」学習を終えてしまう児童がいることも懸念していました。自己評価は高くても、本質的な理解には至っていないケースです。
その懸念は、研究授業で単元のふりかえりを行った際、「算数としては浅い」というご指摘(※「そろえる」などの算数的なキーワードが児童から出てこない)を受けたことで、より明確になりました。「個」の学習効率だけでなく、「協働的な学び」と「曖昧な理解の解消」が重要です。
そう考え、児童がアウトプットを通じて深く理解し、互いに学び合える活動として、オクリンクプラスでの「解説動画づくり」を導入しました。


導入成果
「家庭学習が授業で役に立つ」実感。解説動画が、学習への自信と意欲を育む

上田先生
授業では、まず一斉指導で知識をインプットした後、グループで「どう解説するか」を考え、オクリンクプラスで解説動画を作成します。
単元によりますが、例えば8時間扱いの単元なら、3時間はこのグループ学習に充てています。この活動を始めてから、顕著な変化がありました。元々、学習課題への取り組みに意欲的でなかった児童が、1学期の終わり頃から自主的に課題をやってくるようになったのです。
恐らく家庭学習で得た知識が、授業での解説動画づくりで「役に立っている」と実感でき、学習への有用感や自己効力感につながったのだと思います。


「黒板の写真」と「キーワード」で振り返る。児童が主体的に「学びの要点」を掴む

上田先生
解説動画づくりと並行し、授業の振り返りもオクリンクプラスで行います。特徴的なのは、授業後に担当グループが話し合い、「今日の授業の重要なポイントはどこだったか」を考え、その重要部分の黒板を写真に撮ってボードに配置することです。
さらに、自由進度学習を実施した際の研究授業での「算数として浅い」という指摘を受け、授業で使う「考え方」のキーワードを「みんなのボード」に掲示するようにしました。児童は、自分たちが撮った黒板の写真が、どの算数のキーワードに該当するかを自分たちで考え、ボード上で関連づけて配置していきます。



「わかったつもり」の児童も、いざ「解説して」と言うと、言葉に詰まってしまいます。しかし、この「解説動画」と「キーワードとの結びつけ」という活動を通じて、児童は主体的に学びの要点を掴み、わかっていないことへの気づきを促すことができます。結果として、単元テストの平均点が4月から約10点向上しました。

ICT活用がもたらす相乗効果と授業の効率化

上田先生
授業の最後には、ドリルパークに取り組む時間も選択肢として設けています。その場で自動採点され、すぐにフィードバックが返ってくる即時性がいいですね。解き直しをすることでしっかりと知識が定着するため、私は放課後等に学習ログをチェックし、解き直しが終わっていない児童については翌日声をかけています。




また、オクリンクプラスは授業準備の効率化にも大きく貢献しています。一度単元の指導の流れを作ってしまえば、次の授業ではそのテンプレートを複製して使えるので、準備時間が10分程度で済むようになりました。児童の学習成果物がデータとして残るので、理解度も把握しやすくなり、授業の充実度は格段に上がりました。
今後も挑戦した上での失敗は歓迎する、という雰囲気をつくり、どの子も取り残さず「わかる喜び」を感じられるよう支援していきたいと思っています。


※ページの内容は2025年10月時点の情報です。

使用製品

ドリルパーク個別学習ドリル

個々に合ったレベル・ペースで、知識の確かな定着や
主体的に個人で学ぶ姿勢を支援します。

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オクリンクプラス

個人思考と共同作業の自由な行き来により
子ども同士が対話し、主体的に学んでいく授業運営を支援。

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