導入事例

滋賀県甲賀市立貴生川小学校 近藤寿美先生
実践的な学習で
児童の興味・関心と
積極性を引き出す
取材
滋賀県甲賀市立貴生川小学校
学年
小学5、6年生

小学校の外国語専科として、甲賀市内3校の5・6年生を対象に外国語科(英語)の授業を担当されている近藤寿美先生。今回は見学させていただいた貴生川小学校5年生の授業をもとに、ICTを活用する目的と、その効果についてお伺いした。

導入背景・目的
ICTを活用した「英語の音に慣れる」授業でアウトプットの機会を増やす

小学校の英語教育で大切なことは、音声で聞き、耳で慣れるという習慣です。タブレットがなかった頃は、全体で練習したり、先生やALTに質問したりして聞く機会しかありませんでした。そのため、自分の力に合わせて苦手な発音を繰り返し練習することや、振り返りができず、必要な学びが十分にできていないもどかしさを感じていました。また、授業時間が限られているため、全員が平等に発言することができず、英語表現に必要なアウトプットの機会を増やせないものかと考えていました。


導入成果
オクリンクプラスの機能を最大限に活かした協働的な学習を実現

今では、単元に合わせた単語・表現の音声を事前にオクリンクプラスに入れているので、児童が練習したいと思ったタイミングで確認できるようになりました。教科書以外でも、児童が使いたい単語をALTに発声してもらい、タブレットに録音して聞き返すこともできます。

「道案内」の単元では、オクリンクプラスのカード機能を使い、理想の貴生川の街を紹介し合う取り組みをしました。さまざまな建物のイラストが描かれたカードを用意し、タブレット上の地図の好きな場所に配置。紹介したい建物までの行き方を英語で説明するという内容です。これまでは、紙で地図や建物のカードを用意していたので、授業準備や配布にも時間がかかっていましたし、一度貼るとやり直しができないため、自由度も高くありませんでした。オクリンクプラスを活用することで、準備時間が大幅に短縮されただけでなく、児童にとってもタブレット1台で完結できるので、集中力を切らすことなく取り組めるようになりました。また、他の児童が作ったものをタブレットで見られるようになったので、全員が積極的に発信しながら他者の良い部分を吸収できる、協働的な学びが深められるようになりました。


自分ごと化できる授業内容で児童の興味関心を喚起する

今日は、全8回ある「町のみりょくをしょうかいしよう」という単元の7回目。自分たちが住んでいる地域の魅力をALTのお母さんに紹介するために、地域にあるものや特徴を英語で紹介し、動画で撮影します。




【授業の流れ】
1. 今日のめあてを共有:振り返りシートを活用し、各自のめあてを考え、ペアで伝え合う
2. 前回撮影した動画の視聴:自分の班と他の班の動画を視聴し、工夫できていた点、良かった点を共有。ワークシートに感想やアドバイスを記入
3. 動画撮影:感想をもとに修正点を意識して撮影
4. 振り返り:工夫できたこと、修正したこと、次の撮影で頑張りたいこと、意識したいことを共有

今日の目的は、児童が自分で話す姿を確認し、より良くするためのポイントを見つけること。また、他の班が工夫していた点や、さらに良くなりそうなポイントを相互評価することです。動画を観ながら紙のワークシートにコメントを記入し、それを撮影して提出ボックスに格納してもらいました。




単元の初めには、児童に8回の授業の中でどのように進めていくか計画を立ててもらいました。オクリンクプラスに土台となる表を用意し、「表現を学ぶ」「相手に伝わる工夫をする」といった学習すべきことを考えたカードを、必要な時間の幅に伸び縮みさせて配置してもらいます。全ての班の計画をクラス全体で見て、各班の考えを取り入れながら時間配分を確定。自身で計画することで、主体性とやる気を引き出すことができます。




教科書に沿った学習だけだと、自分の意見を英語で伝えられるようになることは難しいですが、オクリンクプラスを活用し、児童の生活とリンクさせた取り組みを行うことで、生きた英語表現が身につけられていると感じています。次時が実際にALTのお母さんに届ける動画を撮影する本番。今日は保存した動画を見返しながら、積極的に班のメンバーと改善点を確認する姿勢が見られました。オクリンクプラスを使うと、経過を子どもたち自身が振り返ることができるので、成長を実感して自信を持つことにもつながるのではないでしょうか。

ICT支援員のサポートで工夫を凝らした授業が可能に

今日の授業のように児童が「自分ごと化」しやすい学習ができるよう、単元ごとの授業計画でICTを使った新しい取り組みを考えています。アイデアは浮かぶけれど、実際の活用法が分からないときは、支援員さんに相談することで情報がアップデートされ、児童にも新鮮な気持ちで取り組んでもらえるので非常に助かっています。自分の知識だけだと使える範囲が狭まってしまいますが、教員も常に学ぶ姿勢を持つことで、一歩進んだ効果的な授業ができると感じています。これからも支援員さんと協力し、児童の意欲を引き出せる、工夫を凝らした授業を展開していきたいです。


※ページの内容は2024年11月時点の情報です。

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