導入事例

 兵庫県加古川市教育委員会 青木課長 角谷指導主事
児童生徒たちが自ら「学び合う」
全員参加の授業が実現しました。
取材
兵庫県加古川市教育委員会
使用製品
ムーブノート

協同的探究学習による「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、授業改善に力を入れている加古川市。2021年5月から、市内の小・中学生1人1台Chromebookを導入している。今回は、ムーブノートの導入時から活用に関わってきた青木課長と角谷指導主事にお話をうかがった。

目的
「主体的・対話的で深い学び」を実現する
課題
・クラス内の意見交換や協同的な学びを活性化したい
・児童生徒と教員が使いこなせることが必須
効果
・全員の意見を瞬時に可視化できるようになった
・楽しく学ぶという空気が生まれ、授業への参加意欲が高まった

導入背景・目的
児童生徒が自ら学ぶ授業を
ICTツールを活用して実現することが目的でした

児童生徒の主体的な学びを実現するために

青木課長
加古川市では、従来の教育とICTのベストミックスを図り、Society5.0を主体的・能動的に生き抜く子どもの育成をめざしています。1人1台の情報端末などICTを活用して情報活用能力の育成を図るとともに、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現するべく、学習環境の整備を進めてきました。その過程で単に問題を解くだけではなく、児童生徒の主体的な学びを深める支援ツールとしてムーブノートを検討しました。

クラス全員が互いの意見を確認し、当たり前に使いこなせることが重要

角谷指導主事
授業支援のICTツールを導入するにあたって、児童生徒が作成した文章や図表などを、クラス全員が一覧して確認できることは外せない条件でした。プリントなど紙媒体を使用した従来の授業では、プリントの配付や回収など、意見交換までの準備が必要でしたが、その点ICTツールは児童生徒の参加意欲を高め、教員の作業負担を軽減してくれます。だからこそ、児童生徒も教員も文房具と同じ様に、当たり前に使いこなせるものをと考え、ムーブノートの選定に至りました。

ムーブノートでスムーズに実現できる授業の流れ

課題
ICT活用に際し、「これが正解」ということが定まっていない状況で、
導入と授業での活性化が課題でした

授業支援ツールには、直感的に使えることが不可欠

角谷指導主事
当たり前に使いこなせるという点で、学校の授業で使うことを前提に作られているムーブノートは、Googleアプリケーション等と比べると迷わず直感的な使いやすさがあります。児童生徒が自分で考えた意見を持ち寄り、お互いの意見に触れることで自分の考えを見直し、思考を深めていくという一連の行動がスムーズに起こるので、インタフェースとしてよく考えられていると思います。

DX化を教育現場にわかりやすく伝えてくれた

青木課長
単なるソフト開発会社としての関わり方ではなく、授業の活性化につながるICTツールの使い方の提案を期待しました。教育のDX化をどのように進めるべきか手探りの段階で、ベネッセ担当者に相談し、現場にわかりやすく伝える方法を模索できたことは、デジタル環境を教育現場にスムーズに導入する推進力になったと思います。

導入成果
全員の意見を匿名で可視化することで
クラスの意見交換が活性化しました

拍手機能が授業参加を促してくれる

角谷指導主事
ムーブノートにはさまざまな機能がありますが、よく使っているのは拍手機能とコメント機能です。児童生徒同士で評価し合える拍手機能は、やる気を引き出し、授業への参加意欲を高めてくれます。意見の集計機能も教員にとっては便利ですが、自動的に集計するよりも児童生徒自身に考えてもらう方が良い場合もあるので、授業のねらいを考えながら使う必要があります。また特徴的な活用として、スタンプ集計を推薦図書の人気投票に取り入れている例もあります。

教室の空気が変わったという確かな実感

角谷指導主事
児童生徒がとにかく楽しんで使っているな、という実感があります。楽しいから使い、楽しいから自ら学ぶという好循環が起きて、教室の空気が変わりました。一方的に説明を聞くだけでは集中できない児童生徒でも、自分の意見を入力する時間は集中して取り組んでいます。従来の授業では、全員で同じ内容を一斉に学んできましたが、ムーブノートの導入によって、全員が個別に入力した内容を瞬時に可視化できるようになりました。引っ込み思案な児童生徒も匿名で意見をやりとりできるので、気後れなく発言しやすい環境が生まれています。

活用研修を行ってもらい、ムーブノートの活用を促進できた

角谷指導主事
ベネッセの担当者には、導入時に管理職やICT推進担当者に研修を行ってもらいました。ムーブノートでどういったことができるのか、どれくらい簡単に使えるのかを知ってもらうことで、学校全体での活用促進を図りました。また、夏季に行った研修では講師が一方的にしゃべるのではなく、参加した教員が児童生徒役となって実際にムーブノートを使い、話し合うことで、教室での協同的な学びをイメージしてもらいました。

今後の展望・期待
先生が一方通行で「教える」授業から、
児童生徒が互いに「学び合う」授業へ

授業の主役は児童生徒だと改めて感じるように

角谷指導主事
ムーブノートを活用することで、子どもたちの意見交換が自然発生的に起きるようになりました。教員だけが正解を知っているのではなく、児童生徒からアイデアが出るのを待ち、時間を割いて考えを深めることが大切だと考えます。主体的な学びにおいて、授業の主役は児童生徒であり、教員は興味関心や学習意欲を高めるファシリテーターとして、「指導者」の役割を変えていくことも必要だと感じています。

ムーブノート上では相互に拍手やコメントが送れる

児童生徒の学び合いがさらに活性化することを期待

角谷指導主事
ムーブノートを使った授業では、児童生徒のアイデアを見て「そんな視点から考えるんだ!」と驚きや発見をもらうことがあります。使い方に慣れてくると、授業と関係のないことをムーブノートに書き込む児童生徒も出てきますが、活用のルールづくり自体も教室で考え、意見交換して決めていけたら良いと思います。

青木課長
今後、ムーブノートの先生向け機能を児童生徒が自由に使えるようになれば、児童生徒自身が授業をつくっていくこともできます。先生が一方通行で「教える」授業から、児童生徒たちが主体となって互いに「学び合う」授業へ、さらなる質の変化を期待しています。

 兵庫県加古川市教育委員会

※ページの内容は2022年7月時点の情報です。

使用製品

ムーブノート協働学習支援ソフト

子供たちが主体的に学び合い、
クラス全体で練り上げる授業を支援します。

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