導入事例
- 取材
- 兵庫県加古川市立志方東小学校
- 使用製品
- ムーブノート
- 学年
- 1年生
取材にご協力いただいた志方東小学校は、1学年あたり7~14人の生徒が通う小規模校。校内アンケート調査では、ICT機器をほぼ毎日使用していると答えた生徒の割合が86%に上っている。今回は1年生クラスを担任する改發先生と石井校長にお話をうかがった。
- 目的
- 児童一人ひとりが自主的に参加する授業の実現
- 課題
- ・授業準備にかかる時間を短縮し、学習効率を高めたい
・教員がICT教育とどう向き合っていくか - 効果
- ・デジタルならではの機能で学習効率がアップ
・お互いの意見に刺激を受け、新たな学び合いが生まれた
導入背景・目的
教員が一方的に教えるのではなく
児童全員がいきいきと参加できる授業へ
引っ込み思案な児童も一歩を踏み出せるように
クラスの児童はそれぞれ個性が違って当たり前です。ただ従来のように、手を上げた児童を教員が当てる授業では、活発に発言する子とそうでない子に分かれがちでした。口下手だけれど意見をもっている子もいるので、その意見を可視化することができたら、という思いがありました。
課題
学習効果を高めるために積極的にICTを活用しつつ、
そこに固執してはならないと考えました
学習以外の作業に時間がかかっていた
例えば1年生の「かずしらべ」の授業では、あらかじめ教科書をコピーしておき、児童たちがハサミで切り、ノートに貼るといった作業をしていました。そこに時間をとられると授業にかける時間が減り、集中できなくなる児童も出てきます。効率よく授業を始められ、より理解しやすい形で実現することができれば、学習効果を高められるだろうという期待がありました。
アナログとデジタル双方の良さを大切に
教育現場で何十年と続けてきた指導スタイルが、ICTの導入によって変化を求められています。教員はデジタルツールの使い方を教えるだけでなく、それで何ができるのかを児童と一緒に発見していく必要があると思います。しかし、デジタルに固執してはいけないことも事実です。鉛筆を握り、文字や絵を書くことで脳が刺激されることもあるでしょう。アナログとデジタルの長所をミックスして、学習を進めることを意識したいと思います。
導入成果
全員の意見を匿名で可視化することで
クラスの意見交換が活性化しました
「動かせる」ことが直感的な理解につながった
ムーブノートを導入してまず実感したのは、学習効率が高まったということです。以前のように授業前の準備に時間をとられることなく、画面をタッチするだけで、切り貼りや並べ替えなどの操作ができます。図形を動かす場合などは、今まで以上に直感的に理解しやすくなりました。現在はほぼ毎回の授業でムーブノートを使っていますが、クラスの児童は加速度的に慣れていきました。今では「何をしたらいいかわからない」と固まっている児童は一人もおらず、全員が自主的に参加する授業を実現できています。
クラス全員の意見を一覧できるのはデジタルならでは
ムーブノートの最大の利点は、他の児童の意見を瞬時に一覧できることです。これは今までの手書きのノートでは実現できないことでした。児童は他の児童の考えから自分の考えを再構築できて、教員は児童の思考や能力を把握できます。ムーブノートで問題を出すと、児童同士で答え合わせをして、他の子の答えや考えを基に、自分の好きな題材で類題を考えることもあります。児童の数だけ問題があり、答えがあるという新しい授業の形が生まれています。他の児童の考えに接することで、思考のバリエーションが広がっていると考えられます。
今後の展望・期待
自然と意見交換が生まれる学びの場を
もっとさまざまな形で活用していきたい
子ども達が主役となって学び合う授業へ
「みんなの広場」の拍手機能は、クラス全員に授業参加へのハードルを下げてくれると感じています。ある児童の意見について、他の児童が「〇〇くんのこういう考えが新しいと思った」と評価したり、図工の時間に作った作品を撮影して全員で鑑賞したり。活用の場は他にもまだまだ広げていけそうです。ムーブノートを使った授業において、教員はいわば黒子のような存在。それぞれの児童が小さな先生となって、友達のために考え、意欲的に教え合う環境ができつつあります。私たち教員は、子ども達がこれからの時代を主体的に生きていく力を、ICTを活用して伸ばす意識を持つことが大切だと感じます。
※ページの内容は2022年7月時点の情報です。
使用製品
ムーブノート協働学習支援ソフト
子供たちが主体的に学び合い、
クラス全体で練り上げる授業を支援します。