導入事例

大阪府枚方市市立中宮中学校 佐納達平先生
クラス全員の考えを参照し、
個人思考を磨く
取材
大阪府枚方市市立中宮中学校
学年
2年生

枚方市立中宮中学校で社会科を担当されている佐納達平先生は「教師主導の授業ではなく、生徒同士が対話し、生徒が主役になる授業」を一貫して実施されています。オクリンクプラスを使い、「最も住みやすい都道府県はどこか」というテーマで、日本の地域的特色を調べまとめた、2年生社会科の地理の授業をレポートします。


導入成果
途中経過も含めて参照し、他者の調べ方、表現方法を取り入れる

これまでの単元の学習を活かして最も住みやすいと考える都道府県を一つ選び、理由や根拠について資料を用いてカードにまとめ発表、共有する授業。オクリンクプラス「みんなのボード」をエリアごとのボードに分けて、生徒一人ひとりがカードに情報を集めていきます。もとにするのはこれまでの授業で得た情報。単元を通してオクリンクプラスを使用しているため、これまでの授業で活用した資料や、自分が作成したカードを一括で確認することができます。前時までの授業で使ったカードを参照したり再利用したりしながら、その都道府県を選んだ理由を整理します。
 この時、クラスメイトがどんなカードをつくっているか、どんな情報を整理しているか、リアルタイムで更新の様子を見ることができるため、着眼点や資料の使い方、多様な表現方法からどんな見せ方を選択しているのかなどを参照。自らのカードに取り入れ「伝わるカード」として磨き上げていく。この途中経過の参照は、手が止まっている、作成に悩んでいる生徒にとって大きなヒントに。個々で作業し完成したものから公開するのではなく、途中経過から公開しておくことで参照する機会が増え、よりよいまとめに繋がっています。

クラス全員の考えに触れ、気づきを増やす

カードが完成したら、まずは自分の班で発表しあい、友だちの発表に対する感想や気づきをメモしていきます。「そのグラフ、どこからもってきたの?」「自分もその県を調べたけど、今の話は知らなかった」など、生徒同士の対話が進みます。その後は班をシャッフルし、先ほどとは異なるメンバーで共有。この時点で既に6名、つまり6種類の考え方に触れていますが、さらに「みんなのボード」をのぞきまだ見ていないクラスメイトのカードをチェック。コメントを書きこみ、相互評価を進めます。同じ都道府県を調べていても、調べた項目やまとめ方が全く異なっていることに気づき、自分のカードを手直しする生徒もいます。


複数の観点から、多面的に振り返る

最後に、自分のカードに寄せられた友だちからのコメントや、友だちのカードを見た感想をもとに振り返りとしてまとめます。紙を使って同様の活動を行っていた時よりも、より多くの考えを見て振り返りの観点を増やすことができます。カードのまとめ方や伝え方、集める情報の種類など、生徒は多面的に学習を振り返ります。佐納先生が社会科の授業で大事にされている、教師から生徒へ教えるのではなく、生徒同士で学び合える活動がまさに実践されていました。


「今後は、コメントやスタンプ機能を使い相互評価を授業内で有効活用したい」と佐納先生は話します。「オクリンクプラス」の共同編集も含め、これらの機能で生徒同士はもっとつながりやすくなり、より多くのことを学びあえる授業になるのではないかと期待されています。「8月にリリースされる集計機能は、生徒自身が選択肢やピン集計を設定できる点が楽しみ。もっと生徒主体の活動が増えていくはず」。佐納先生の生徒主体授業への挑戦はさらに続いていきます。


※ページの内容は2024年6月時点の情報です。

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