導入事例
- 取材
- 愛知県知立市立猿渡小学校
知立市立猿渡小学校は明治時代に開校した歴史ある学校。市内の他校と比較すると校内でのICTの活用に遅れをとっていたという背景があったなか、「子どもも教員も一緒に学ぶ」をテーマに、校長先生をはじめ、教員と支援員がアイデアを出し合いながら新しい取り組みを日々実践されている。今回は、ICTを取り入れるうえで支援員とどのように協働しているのかについての事例として、杉浦校長先生と情報担当の岸先生にお話を伺った。
導入背景・目的
支援員との協働は目線合わせから。大切にしたい想いやスタンスの共有は丁寧に
はじめに、教育への思いを共有する
猿渡小学校が大切にしているのは、「子どもも教員も一緒に学ぶ」というスタンス。杉浦校長先生によれば、はじめにしっかりとこの部分の目線合わせができていたからこそ、学校が求めているサポートや提案をICT支援員から受けられているとのことだった。
杉浦校長先生
私たちの想いや方針を前提に、子どもたちのその時々の状況や興味関心、そして支援員自身が持っているICT教育におけるビジョンを掛け合わせながら、いつも一緒に授業を創っている感覚です。今ではすっかり必要不可欠な存在。これからもチームとしてよりよいものを実現させていければと思います。
新しいことを取り入れる時こそ、専門的な知見を頼りに
新しいアプリやサービスを利用する場合、やり方がわからなかったり、効果的な活用方法が思いつかなかったりすることもある。猿渡小学校の先生方も、例外ではない。ただ、そうしたときこそ、専門家であるICT支援員を頼りにしているそうだ。
岸先生
やりたいことや子どもたちに身につけてほしいことをICT支援員に相談するだけで、具体的なアイデアを持ってきてくれるので授業の幅が広がり助かっています。
例えば、キーボード入力に慣れていない低学年に向けては楽しくタイピング練習ができるアプリを使った授業を、芋掘りを体験したタイミングでの授業では、さつまいもを収穫するゲームを開発するプログラミングの授業を提案いただきました。ICT活用におけるマナーやモラル、ルールにも精通されており、子どもたちに丁寧に伝えてくださるので安心です。
導入成果
大切なアウトプットの機会こそ「協働」してよりよい時間に
ICT支援員との協働で、本質的な学びの時間を強化する
猿渡小学校は、自分の考えや思っていることを表現する力の育成を重視し、特に高学年でアウトプットのプロセスを体験する授業を積極的に実施している。
岸先生
「山の学習新聞づくり」は、アウトプットを特に重視した授業の一つです。この授業づくりでも、ICT支援員の的確な提案ときめ細やかな配慮には助けられました。例えば、授業当日を効果的なアウトプットの場にするため、「見出し」「山の学習の思い出ベスト3」といった項目を記入する事前課題のフォーマットをつくっていただきました。教員と相談しながら、苦手な子でも簡単に文章を組み立てられるようベストな形に落とし込んでいただき、良い実践につながったのです。また、授業当日には、子どもたちの表現活動を後押しするような声かけはもちろん、手が止まっている児童の個別フォローまで即座に対応してくださいます。こうした丁寧なサポートがあるからこそ、大切なアウトプットの時間が充実したものになり、「子どもも教員も一緒に学ぶ」を実現できているのだと思います。
最後に、ICT支援員との協働について、今後の展望を岸先生にお話しいただいた。
岸先生
これからも他校との交流や情報交換を積極的に行っていただき、新しいアイデアや事例をどんどん担当校に持ち帰ってほしいです。猿渡小学校では、今後コミュニティスクールも始まります。ICTが一層重要な役割を担っていくと思うので、学校を超えた地域との連携という側面でも支援員の力をお借りしながら、子どもたちがすくすく育つ環境を実現していきたいです。
※ページの内容は2024年7月時点の情報です。