導入事例
- 取材
- 香川県綾歌郡綾川町立陶小学校
- 使用製品
- ドリルパーク
- 学年
- 全学年
綾川町立陶小学校で5年生を担当している横山大河先生は、ドリルパークとオクリンクプラスを使った全国的にも珍しいご実践を進められています。今回は、理科の「台風」の単元で実施された授業について、授業のつくり方やねらい、ドリルパークとオクリンクプラスを取り入れる利点を伺いました。
また、陶小学校では、横山先生を中心に、多くの先生にミライシードをご活用いただいています。横山先生と同じ5年団の善生先生と磯﨑先生にも、あわせてお話を伺いました。
導入成果
「子どもに学びを返す」、児童が選択する授業づくり
ドリルパークによる問題演習で、協働学習をサンドイッチ
横山先生
今回実施したのは、未履修の単元を、協働的な学びを通して学習する授業です。その過程で、ドリルパークとオクリンクプラスを活用しました。
授業を実施したのは、理科の「台風」の単元2時間分です。はじめに、単元のドリルパークの問題を全員で解き、正答率の低かった問題をみんなで確認します。今回の「台風」の単元では、「台風の発生時期」「発生場所」「強さ」「災害」がそうでした。
次に、調べる活動に取り組みます。「台風の発生時期」など、自分が調べたいテーマが決まったら、同じテーマの人と班をつくって、話し合いながら調べを進め、オクリンクプラスのカードをつくります。ここまでが1時間です。
次の時間では、自分とは異なるテーマを調べた3人に、その子たちがつくったカードについてインタビューします。話し手は説明を通して調べたことへの理解を整理し、聞き手は自分が調べてないことについて学びます。
ここまでできたら、オクリンクプラスのカードを、各班で提出。誤った解釈の訂正を行ったり、数名の児童を指名して発表してもらったりと、クラス全体で単元の内容を振り返ります。最後に、授業冒頭で解いたドリルパークの問題を解き直し、正答率の差を児童と一緒に確認します。
関心に合わせて学ぶから意欲が高まる。自己の成長を振り返るから自信がつく。
横山先生
総合的な学習の時間では、自分の興味・関心について様々な方法で調べ、まとめ、発表することがよくあると思います。そして、そうした学習は決まって意欲的に参加する児童が多い。「これって、ほかの教科の学習でもできないか?」と気づき、始めたのがこの実践でした。理科だけでなく、算数や社会科でも同様の授業を行っています。
実践のポイントは、「はじめにドリルパークでわからないことを洗い出す」「興味があるテーマについて調べ、オクリンクプラスでまとめる」「ドリルパークで達成度を確認する」流れにあるように、オクリンクプラスによる協働学習を、ドリルパークでサンドイッチしたところです。ドリルパークでわからないことを洗い出すから、興味・関心を粒立てて調べ学習に向かえる。授業の冒頭と終わりの両方で達成度の変容を確認するから、学びに対する自信がつけられるのです。
また、この実践で、教員はほとんど「教えること」をしません。もちろん、うまく調べを進められない児童もいますので、調べている間は班をまわり、「それって本当?」と問いかけてみたり、最後のまとめで全体に問いを投げてみたりと、大事なポイントで教員が介入する場面もあります。ただ、基本的には子どもたちに学びを任せるスタイルです。
私は「子どもに学びを返す」という表現を好んで使うのですが、すべて教員が御膳立てするのではなく、子ども自身に学びを手渡すことこそ、本来的な意味での主体的な学びだと考えています。学びについて児童が選択できる割合をできるだけ増やすことを、今は強く意識しています。
児童がどう選択しても、教えたいことの枠組みから外れない
横山先生
この実践でも、教えたいこと、教えなければならないことはもちろんあります。そこを補ってくれているのが、ドリルパークです。問題が教科書準拠なので、仮に生徒の正答率が低かった問題が何であろうと、授業は教科書の枠組みから外れません。また、問題を解いてすぐに正答率が出る点も、この実践を可能にしているポイントです。プリント等でいちいち採点していたら、その場ですぐに授業に反映することはできないでしょう。
横山先生中心に、ミライシード活用の輪が広がっている
磯﨑先生
横山先生と同じ、5年生を担当しているのですが、横山先生がドリルパークを活用しているのを見て私も最近授業に取り入れるようになりました。今は主に小テスト代わりに活用しているのですが、瞬時に採点結果を渡せるのは大きなメリットですね。問題を解いた熱い頭のまま、振り返りまでいきいきと進められるからです。採点の手間も減りましたし、生徒の解答の進捗がリアルタイムでわかるので、授業がつくりやすい点でも助けられています。
善生先生
私は子どもたち同士の協働学習や、教員から何か資料を送りたいとき、気軽に活用できるオクリンクを主に活用しています。特に協働学習は重視していて、何ごともコミュニケーションを取ることが関心をもつきっかけになると思うんですね。ただ、コミュニケーションが苦手な子ももちろんいます。そうした子たちでも、自分らしく他者と接することができるのが、オクリンクをはじめとしたICTのよさだと思います。
横山先生
本校には「陶小学校(S)をどんどん(D)元気にしよう(Gs)=SDGs」という活動があって、それぞれの教員が得意分野で、自発的に活動する委員会があります。ICTに関しては、町が校内環境を整備してくれていることもあって、もともと取り組みが進んでいたのですが、今はこのSDGsを起点に、ICTが得意な教員が活用法を広めてくれています。それから、ベネッセのICTサポーターの方がミニ研修を開いてくれてもいますし、様々な形で活用が深まっていますね。今後もどんどん実践例をつくって学校を盛り上げていきたいです。
※ページの内容は2024年9月時点の情報です。
使用製品
ドリルパーク個別学習ドリル
個々に合ったレベル・ペースで、知識の確かな定着や
主体的に個人で学ぶ姿勢を支援します。