導入事例

徳島県阿南市吉井小学校 村上悦久先生
考える過程を共有することで
子ども達の間に
学び合いが生まれる
取材
徳島県阿南市吉井小学校 | 村上悦久先生
使用製品
ドリルパークオクリンクプラス
学年
全学年

徳島県の山あいに位置する阿南市立吉井小学校は、子どもたちが主体的に考え、自ら行動する力の育成を重視しています。2026年度からは、よりイノベーションスクール〈小規模特認校〉として新たなスタートを図ります。今回は、5年生の担任を務める村上先生に、オクリンクプラスとドリルパークの具体的な活用についてお伺いしました。

導入成果
お互いのアイデアやまとめ方に刺激を受け、子ども達同士が学び合うクラスをめざして

村上先生
オクリンクプラスはどの教科の授業でも活用しています。意識しているのは、授業の目的と振り返りを子ども達自身に行ってもらうこと。最初に授業の「めあて」を共有して、何のために、どんな内容をどこまで学ぶのかを、一人ひとりが意識できるようにしています。



今日は「総合的な学習の時間」の授業を行いました。地元の魅力や産物を、万博のお客さんに紹介するなら何を伝えるか、という内容です。3人と4人のグループに分かれて、情報を集め、アイデアをみんなのボードに記入してもらいました。みんなのボードは4つの象限に分けて、情報を整理しやすくしました。

【授業の進め方】
①カードに書かれた授業の「めあて」と目標を確認して意識付ける
②グループに分かれて、テーマについて調べる
③カテゴリー分けしたみんなのボードにアイデアを入力
④1枚のカードには1つのアイデアだけを入れるように調整
⑤他の人のアイデアを見て意見を伝え合う
⑥最後に振り返りとして自己評価を行う

オクリンクプラスは、ライブモニタリング機能があるので、子どもたちが意見を書き込む過程を教師がリアルタイムで見ることができます。紙に書いて黒板に貼るという形と違って、「待つ」必要がなくなりました。一人の児童に指導をしながら、他の子の様子も流し見でチェックできるというのは、このモニタリング機能の非常にありがたいところです。



子ども達にとっても、他の子がどのように書いているかを途中で参照できるようになったことで、新しい学習効果が生まれています。意見を書く過程で友達のやり方を見てもいいし、『この子はどうやっているんだろう』と気づいて、『なるほど、そうか』と自分の作業に戻ることもできます。クラスの仲間と同じ時間・場所で学習している中で『そういうやり方があるんだ』と気づくことが大切ですね。教師が教えた方法ではなく、子ども同士でできた!という成功体験が、さらなる学習意欲につながります。



みんなのボードを使って協働学習に取り組み始めた当初は、子どもたち同士でちょっとしたすれ違いが発生することもありました。自分の意見に「?」というコメントが付いた時に、送った子は「本当にわからなかったから」と言い、送られた子は「ちょっとさみしい」と答えたのですが、これは協働学習のリテラシーを身につける過程の一つ。実際に取り組んでみて、小さなすれ違いも経験しながら、今は他人の意見を認めながら学び合うことができています。



授業ではインターネットからの情報だけでなく、リーフレットや資料集などアナログの情報源も使います。ICTを利用することが目的ではなく、子どもたちが情報を集めて、整理してまとめる力をつけることをめざしているからです。インターネットの情報は大人向けの言葉で書かれているので難しいこともあります。だから、わからない言葉が出てきたら辞書を引いたり、タブレットで調べたりするように伝えています。


子ども達自身による振り返りを重視

子ども達が主体的に考え、行動できるようになるために、授業の最後に必ず振り返りの時間を設けています。当初は『楽しかった』といった感想が多かったのですが、『どうしてできたのか/なんでできなかったのか』『次は何をしたいのか』といった点を意識して書いてもらうことに慣れることで、次の授業につながるようになりました。子ども達自身が自己評価することで、次からの授業で「前回うまくいったから、あのやり方でやればいいんじゃない?」と自ら考える積み重ねの効果を感じています。

ドリルパークの課題配信を宿題に活用

ドリルパークは主に宿題として、週に2〜3回配信しています。紙のドリルと違って学習プロセスが可視化されるので、問題を解く秒数が短すぎたり、取り組む時間が夜遅かったりした場合は、声がけをするようにしています。また、ドリルパークはAIによって個別最適に近い出題をしてくれるので、自習時間に活用する場合は、「『先生何すればいいですか?』は言わないようにしてね、自分で考えようね」と伝え、自ら学ぶことを習慣づけるようにしています。

今後の展望・期待
一人ひとりが自立して、仲間で進んでいく学習が理想

教師が子ども達に教える形ではなく、ファシリテーターに徹する状態で実りのある学習を進められるようになれば理想ですね。これから中・高・大、そして社会人になっていく子ども達だからこそ、自分たちで考え、判断して学ぶ力を身につけてもらいたいと思います。
一方、教員側は今後もICTに関するリテラシーの差をさらに縮めていけるように、学校・地域全体で活用事例を共有していこうと思います。

※ページの内容は2025年8月時点の情報です。

使用製品

ドリルパーク個別学習ドリル

個々に合ったレベル・ペースで、知識の確かな定着や
主体的に個人で学ぶ姿勢を支援します。

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オクリンクプラス

個人思考と共同作業の自由な行き来により
子ども同士が対話し、主体的に学んでいく授業運営を支援。

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