「この学校に来て初めてミライシードを知りました」と語るのは、校内のICT活用を推進する西川先生です。これまで一部の児童の意見しか共有できなかった授業に、「全員参加」の可能性をもたらすミライシードの機能性に価値を感じたといいます。

関根先生は、「iPadに元々入っているアプリだと、特に低学年には文字入力が難しい場面もあります。でも、ミライシードなら手書きでも書き込めるので、学年を問わず使いやすいです」と話します。関根先生は、その優れた操作性を実感し、現在は4年生の担任として新聞作りなどの実践に取り組んでいます。

このように、授業改善につながる「機能性」と、それを支える「操作性」という異なる視点からミライシードの活用を始めたお二人は、日々の実践の中でその効果を確かめています。

「これまでは、手を挙げた子の意見だけがクラスの意見でした。でもオクリンクを使えば、発言していない子の優れた意見も取り上げることができます」。
西川先生は、ミライシードがもたらした大きな手応えをそう語ります。考えがまとまらない子が他の子の多様な意見を参考にしたり、自分の作品へのこだわりを写真付きで解説したり。発表の得意・不得意に関わらず、児童全員が思考を可視化し、表現する場が生まれているそうです。特に道徳の授業では、匿名で意見を共有できる機能が効果を発揮しています。「名前が出ていると言えない本音も、匿名なら表明できる。これが対話的な学びを活性化させています」。
この変化は、授業後のアンケートにも明確に表れています。西川先生のクラスでは91%、関根先生のクラスでは96%の児童が「自分の考えをまとめたり、発表したりしやすくなった」と回答。さらに、関根先生のクラスでは96%、西川先生のクラスでも78%が「友達の意見を知り、比べることが簡単になった」と答え、確実に対話的な学びの場を創出していることがわかります。

またこの変化は、書くことに苦手意識を持つ子どもにとっても大きな意味を持っています。関根先生は、4年生の国語と総合の授業で新聞・リーフレット作りにオクリンクプラスを活用しました。
「紙のリーフレット作りでは、紙面の構成に苦戦していた子がいました。でもオクリンクプラスなら、文字の大きさや写真のレイアウトを試行錯誤しながら、自分の考えを論理的に構成し、表現できたんです。試行錯誤の容易さが、児童の思考を助けていると感じます。その子の持つ力が発揮されたのが嬉しかったです。」
ミライシードは、一人ひとりの子どもたちが輝ける教室の実現を後押ししていました。

ミライシードの魅力は、子どもたちの学びに留まりません。「単純に、先生方が簡単に使えて、授業準備の時間が短縮できるようになりました。」と西川先生は言います。
「朝、車を運転している時に『あ、こんな授業をしたら面白いかな』と思い立つことがあるんです。以前なら前日準備が必要でしたが、今では授業の合間の5分でワークシートを作って配布できる。この即時性は本当に大きいですね」。
関根先生も、「これは紙、これはデジタル、と授業のねらいに合わせてその場で柔軟に表現方法を選択できるのがいいです」と頷きます。

この「時短効果」は、ドリルパークの活用でさらに加速します。「以前は、丸付けを待つ子の列ができて教室が騒がしくなることもありました」と西川先生は振り返ります。「ドリルパークなら、その丸付けの時間が無くなるのです。そのため、創出された時間で、個別指導もできます」。自動採点機能が、子どもたちの待ち時間を無くし、教員の指導の質を高めるための貴重な時間を生み出しているのです。

子どもたちも、ドリルパークの魅力に夢中なようです。「子どもたちは『ドリパやりたい！』って言うんですよ」と関根先生は微笑みます。
課題が早く終わった子の活動として取り入れたところ、子どもたちが自発的に取り組むようになったといいます。「今のクラスには、4年生なのに自主的に中学3年生の漢字に挑戦している子がいます。得意な子が、学年の壁を越えてどんどん先に進めることで、学ぶ楽しさや意欲が育まれます。まさに学習の個別最適化です」。

その言葉を裏付けるように、アンケートで「紙のドリルよりも楽しく学習が進められたか」と尋ねたところ、西川先生のクラスでは100%、関根先生のクラスでも86%が「はい」と回答。子どもたちがドリルパークに前向きに取り組んでいる様子が伺えます。

西川先生も、「算数の計算問題は反復練習が重要ですが、ドリルパークならそれが可能です」と、その効果を分析します。間違えた問題を即座に解き直せる機能は、つまずきをその場で解消し、学習の定着を促します。ドリルパークは、子どもたち一人ひとりの習熟度や興味関心に寄り添い、その可能性を最大限に引き出していました。

ミライシードは、今もなお進化を続けています。その進化に、先生方も期待を寄せています。
「オクリンクは、ずっと縦書きがやりづらいなと思っていたんです。そうしたら去年、オクリンクプラスで簡単に縦書きにできるようになりました。できる機能がどんどん増えているので、授業のねらいに応じて最適な手段を選べるように、これからも色々試していきたいです。」と語るのは関根先生です。かつて西川先生と同学年を組んだ際には、「カードBOX」で教材を共有し、その有効性も実感したといいます。
一方、西川先生は、今後のICT活用のあり方を見据えています。「GIGAスクールが始まって数年経ち、何でもICTを使えば良いという風潮から、『紙の良さ』も見直され始めています。だからこそ、『これはICTでしかできない学びだよね』という本質的な活用を研究していきたいです。」と熱意を込めて話します。

そして、西川先生は最後にこう締めくくりました。「深い学びを支えるためには、先生自身の時間的・精神的なゆとりも大切です。ミライシードを活用することで日々の業務が効率化され、より教育の本質に向き合う時間が生まれることを伝えていきたいです。これが持続可能な活用につながると考えています。」
子どもたちの学びの質を高め、先生たちの指導の質も高めること。常盤小学校の挑戦は、ミライシードと共にこれからも続いていきます。