導入事例
自分らしく学べるように。
オーダーメイドの学びと
間口の広い見取りを目指す。
- 取材
- 岐阜県岐阜市立草潤中学校 | 石榑千恵校長先生、若原康司教頭先生、大島 晴香先生、竹村雅仁先生
- 使用製品
- ドリルパーク
- 学年
- 全学年
岐阜市立草潤中学校は、2021年に開校した学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)。岐阜市内全域から通学可能で、現在50名の生徒たちが草潤中学校で学びを深めています。
どのような背景がある生徒でも、「ありのままの自分で学ぶ」。その実現に向けて、石榑校長先生をはじめとした先生方は情熱を傾けています。学ぶ場所も、学ぶ内容も、学び方も、個々の生徒に応じた形を取るオーダーメイド式の学習に、ドリルパークがどう寄与しているのか。石榑校長先生、若原教頭先生、大島 晴香先生、竹村雅仁先生に伺いました。
導入成果
自分らしい学びの徹底。
それを支える間口の広い見取り。
どちらにもドリルパークが欠かせない
すべての生徒が安心し、自分らしく学べる学校を目指す
石榑校長先生
本校は学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)として2021年度に開校しました。不登校を経験した生徒が抱える課題は様々です。どのような心の状態であっても、安心していられる環境の中で、生徒が心身の安定を取り戻し、自己選択により自分らしく学び、新しい自分を見つけ歩む姿を目指すことを教育方針として掲げています。
2025年度は50名の生徒が在籍していますが、「安心できる居場所」や「自分らしい選択と行動ができる環境」は生徒によって様々です。50通りのアプローチを行うには、柔軟な制度と、多様性を踏まえた包摂性を持つ空間、対話のある文化が欠かせません。この制度づくりや空間・文化づくりに開校以来、腐心してきました。

石榑校長先生。取材当日も、学校生活の中で校長先生が積極的に生徒へ声をかけていた。
個々の教室の設計も工夫しており、仕切り付きの机で静かに勉強できる「Eラーニングルーム」や、軽運動ができる「アクティブルーム」、ソファのある空間で休憩したり、おしゃべりや物づくりを楽しんだりすることができる「アゴラルーム」と、多様な教室を設けています。担任も、学び方も、学ぶ内容も、学ぶ場所も、生徒自身が自分らしく決められる。それが本校の特徴の一つです。

Eラーニングルーム。ソファでゆったり学ぶことも、仕切りの中で落ち着いて学ぶこともできる。
開校から5年目を迎え、生徒に学びを届けるプロセスは益々バリエーションに富んできました。「指導と評価」を、本校では「学びを届け、その成長を見取る」と呼んで実践しています。
また、本校は通知表(教育通信)も生徒それぞれ個別に様式を選びます。生徒・学校・保護者の三者が話し合って決めることにしています。5段階での評価を希望される場合もありますし、学習状況を文章で評価することを望まれる場合もあります。いずれにせよ、生徒が「成長している」と実感できるためには、生徒たちの達成度はもちろん、努力や試行錯誤の過程、そして成長の実感すべて見取ることが欠かせません。
実際、今日の授業でも、数学の授業に集まった数人の生徒に対し、複数の教員が、学びや学びに向かう姿勢を支えていました。今、全教職員で、こうした見取りの実践に努めています。

授業の様子。一つの授業に多数の先生が入り、ほぼ一対一で生徒を見取っていた。
ドリルパークの活用は、私たちが大切にするこの見取りや、個別の生徒に対するアプローチに対して、とても効果的に働いています。学習の足跡がログとして残り、生徒たちがどんな学びに興味を示しているのか、どんな学びに喜びを感じているのかが把握しやすくなりました。まだ導入して日は浅いですが、ツールに対する期待感は膨らむばかりです。
ドリルパークだから、学びを選択できるし、選択したくなる
大島晴香先生
学習面の指導について、詳しくお話します。不登校を経験した生徒は、学習の進み具合も多様です。数学の場合、例えば九九がうろ覚えであったり、二桁の足し算がうまくできなかったりする子もいます。そのため、本校では入学の段階で、生徒たちがどの程度学習に習熟しているのか、問題を解き、できなかったら少し前の段階に戻ってまた取り組みと、じっくり時間をかけながら、学習の現在地を一緒に探してきます。

取材当日の授業を主導した大島先生。同校ならではの授業の進め方をお話いただいた。
授業も本校ならではの方法で進行します。今日は1年生の数学の授業を行ったのですが、前半は講義形式で、後半は個々の生徒が演習に取り組む形式を取りました。このうち、講義部分はオンラインで配信。校長先生がお話したEラーニングルームやアクティブルームなど、授業を行っている教室以外の教室で受けてもいいですし、もちろん自宅で受けても構いません。参加する授業も自分で決めることができ、興味や習熟に応じて別の学年の授業を受けることも可能です。

授業の一部は端末を用いてオンライン配信しており、教室外や自宅の生徒も視聴できる。
加えて、放課後には「マイスタディ」という、自由参加の学び直しの時間もあります。5教科の勉強のどれでも、必要なところから教員が見守ります。
竹村雅仁先生
ドリルパークはこの自己調整に基づく学びと教員の見取りを、一気に加速させてくれました。
例えば、学習の現在地を探すとき、これまでは紙のドリルを使っていたのですが、何冊も問題集や教科書を用意して、丸付けをして、また問題を解いてと、教材を行き来するのが大変でした。ドリルパークは小学校から中学校までタブレット端末一つで演習でき、様々な単元をシームレスに移動できます。通常の授業やマイスタディの時間でも、以前の学習内容が定着していない場合は、その場で「この問題もやってみたら」と促せます。個々の生徒の学習進度が多様だからこそ、この学習範囲のシームレスな移動が学びやすさにつながっていると感じます。

竹村先生。ICTの活用に積極的で、ドリルパークについても前向きにお話いただいた。
竹村雅仁先生
生徒たちにとって、学び方の選択肢が増えたのも嬉しい変化でした。特に、自宅から授業を受けている生徒にとって、ドリルパークは頼りになる存在です。「ここが得意だから、今日はこういう勉強をしたい」と、真に自律した勉強を始められている子も少なくありません。AIドリルだと、自分で勉強を進めやすいからでしょう。もちろん、紙のドリルの方が勉強しやすい子もいますので、ドリルパークはあくまで選択肢の一つではありますが、勧めてみると意外と夢中になって取り組む子もいますね。

ドリルパークの問題を解く生徒の様子。落ち着いて、真剣に問題に向かっている。
竹村雅仁先生
ドリルパークのAIドリルは、私自身、最初に触れたときとても関心を持ちました。一人ひとり問題が違いますし、タブレット端末上で回答しますから、答えを書き写すといったことができません。そして、自分に最適な問題が出題されますので、確実かつ最短距離で、学びをものにできると感じています。
大島晴香先生
課題の変化も、ぜひお伝えしたいです。以前の課題は手作りのプリントを配付していたのですが、提出率が芳しくなかったんですね。それが、プリントをドリルパークに置き換えたところ、みんなよく提出してくれるようになりました。
プリントに比べて、ドリルパークは達成感を得やすいのだと思います。個々の生徒に合わせる以上、プリントで用意できる問題数は限られていましたから。また、勉強で困っている子には前の学年や範囲の問題を用意するのですが、紙でその問題を突きつけられるのは、傷つくところがあったのでしょう。
一方でドリルパークは、問題を選ぶ余地があったり、解けた分だけポイントを得られたり、そのポイントが記録として残っていったりと、努力しやすく、その努力の軌跡も可視化される。それが生徒たちにとって安心して学びに向かうきっかけになっているのだと思います。

生徒同士が自然と協働し、ドリルパークの問題に向かっている様子も見られた。
さらなる見取りの深化に、高まるテストパークへの期待
石榑校長先生
テストパークの活用はまだこれからなのですが、すでに楽しみにしています。最初にお話した通り、理想とする見取りを実現するには大変な努力が必要です。今も教科担任の先生方は、とてつもない時間と労力をかけて、それぞれの子どもたちが達成感を感じられる問題を作問しています。
その先生方の情熱はそのままに、AIの手助けを受けながら、より効率的にテストを作問できるようになるのであれば、それは大歓迎です。作問にかかっていた時間を、生徒と信頼関係を築いた人間にしかできない、別の見取りに生かせるのですから。
若原教頭先生
実務的なことで言えば、子ども一人ひとり達成度が違いますので、一度のテストで作成する問題の種類が他校よりも非常に多いんですね。昨年度は一度に5種類のテストを作成した教員もいました。労力の面から、完全に一人ひとりにオーダーメイドしたテストはできていなかったのですが、テストパークであれば実現できるかもしれません。
見取りの間口を広げる。そのために、これからもミライシードの力をどんどん借りていけたらと思います。

見取りに欠かせないという対話。その対話は、取材中の随所で豊富に見て取れた。
※ページの内容は2025年9月時点の情報です。
使用製品
ドリルパーク個別学習ドリル
個々に合ったレベル・ペースで、知識の確かな定着や
主体的に個人で学ぶ姿勢を支援します。




お問い合わせ