藤本先生
「オクリンクプラス」は、1人での学習はもちろん、みんなで活動できる機会も作れるので、授業で使いやすいです。ICTを活用する最大のメリットは、子どもたちが自分の学びに向き合う時間が増えること。全員に意見を出してもらうために付箋を配布して、それを回収して、間違えた内容を消しゴムで消して、また書き直して、子どもに発表させて、それを板書に書いて…といった時間が圧倒的に短縮されたことと、全員で全員の考えるプロセスを中継的に見られることが、効率的な授業づくりに直結しているのだと思います。
私の授業では「みんなのボード」で、子どもたち全員が手を動かしながら考えるという活動をたくさん取り入れています。他者参照しながら考えを深めるというのは、私がめざす授業のあり方に近いので、そういった意味でも納得感がありますね。子どもたちはこれまでの活動の積み重ねで、自分たちがやらなくてはいけないことは概ねわかっているので、教員がやることは本時の活動の目的と、考える際の視点を伝えるだけ。その説明をヒントに、子どもたちはガシガシと自分たちで考え、話し合い、まとめていってくれます。

土屋校長先生
子どもたちは、先生から具体的な説明がなくても、タブレット上で本当にたくさんの感想を共有し合っています。そしてその後の「まとめ」の作業も、「オクリンクプラス」でスムーズに対応しています。カードを実際に移動し、項目別に仕分けすることができるので、頭のなかで整理するよりもわかりやすいのでしょうね。これまで付箋を使ってやっていた作業を事前準備なしでできるし、考えが変わっても繰り返し移動できる。教員にとっても、子どもたちにとっても、気軽に楽しく学習できるようになったのではと思います。
これまで、子どもたちは「自分の考えが浮かばない」ということに過度なプレッシャーを感じていたと思うんです。それが、「オクリンクプラス」で気軽に他者参照できるようになったことで、自分のアイデアのヒントにしたり、広げたりしやすくなったので、自分の考えを確立できる児童が増えたように感じます。表現の仕方がわからないという課題感に対しても、子ども同士で学び合うなかでコツを掴み、上手に言語化できるようになった児童がたくさんいて、その成長ぶりに毎度驚かされますよ。

土屋校長先生
よい授業づくりをしている先生の取り組みを、先生同士でもっと気軽に共有できるといいなと思います。私自身もそのハブとなって、どのような先生がどのような活動をされているのか研究し、よいものはどんどん広げていくつもりです。また、都留市で設定されているICT活用における技能レベルの学年目標を、進級までに全員にきちんと定着させることも学校の方針として掲げています。低学年から少しずつ積み重なっていけば中学に上がる時には、ある程度の活用レベルに到達しているはずなので、ちゃんと丁寧に対応していきたいですね。本校ではICTを用いた協働学習に関しては、子どもたちにも教員にも大分馴染んできたので、あとは「ドリルパーク」なども積極的に活用しながら個別最適な学びというところも強化していければと思います。

藤本先生
私のなかで「子どもたちに無駄な時間を与えない」ことはやはり重視している点なので、子どもたちが自分の学びに向き合う時間を増やすためにできることはこれからもどんどん取り入れていこうと思います。無駄を省き、やるべきことを早く終わらせることができれば、子どもたちの集中力も持続しますし、空いた時間で＋αの学びを創造することができますからね。学級全体にもまとまりが生まれて、授業時間がより充実すると確信しています。まだローマ字を習っていない3年生は手書きでの活動が中心になりますが、タイピング入力ができるようになれば、「選択肢集計」や「キーワード集計」なども使ってみたいです。一層効率的になると同時に、授業に深みが出ると思うので、今から楽しみです。とはいえ、手書きでの活動も、色分けや文字の大きさなどで子どもたち主体の工夫がなされておもしろいので、状況に応じて使い分けていければと思います。