導入事例
「マイプラン探究学習」で
育つ学びの力
- 取材
- 神奈川県鎌倉市立西鎌倉小学校 | 髙橋先生
- 使用製品
- オクリンクプラス
- 学年
- 小学6年生
一人ひとりが「自分の問い」と向き合う学びへ
ICTを活用した「マイプラン探究学習」で育つ、問いと意味のある学び
「正解」を求めるだけでなく、「なぜだろう」「どうしてこうなるのか」という疑問を起点に、自ら学びを深めていく――。西鎌倉小学校の6年生算数では、子どもたちが“自分の問い”を軸に学ぶ、新たな探究スタイルに挑戦しています。ICTを活用しながら、自由進度型で進める「マイプラン探究学習」には、子ども自身が学びを設計し、振り返り、再び進んでいくサイクルが根づき始めています。
導入背景・目的
問いを軸にした“自由進度型”の算数学習に挑戦
「モヤモヤ」から始まる、子ども主体の学び
2025年度より、西鎌倉小学校では6年生算数において「マイプラン探究学習」という新たな学びのスタイルに挑戦しています。この授業は、子ども自身が“モヤモヤ”した疑問から問いを立て、自ら学びの道筋を考えながら進めていく「自由進度型の探究学習」です。
特徴的なのは、オクリンクプラスを活用して探究ログ(振り返り)を蓄積し、学びのサイクルを自ら回していく点です。自分の思考や問いの変化を見える化し、継続的に確認・発展させていく仕組みが、探究の質を高めています。
さらに、子どもたちはそれぞれの表現方法を模索し、ICTツールを活用しながら「自分に合った学び方」を選び、アウトプット。友だち同士で感想や改善点を自然とフィードバックし合うことができ、自他の視点を取り入れながら、問いが深まり、学びが深まっていく実践です。
導入成果
学びのサイクルが自走する探究の教室
個別と協働がつながる、“問い”を軸とした学びの流れ
授業実践の様子

「マイブラン探究学習」スキーム

まずは教科書などを通じて基礎事項を押さえたうえで、単元後半では探究的な活動を取り入れ、学びを深めています。
基礎を学んだあとの“探究フェーズ”へ
ここでは、「問いを立てて深掘る」「自分に合った方法で表現する」という過程が重要視されます。
(黒板には探究の型の一覧が貼られており、子どもたちはこの中から自分に合った表現方法を選択します)
授業は毎回、前時にオクリンクプラスに提出された「探究ログ」の振り返りから始まります。
教師は、子どもたちの探究ログの言葉を引用し共有。子どもの学びに向かう姿を価値づけ、探究の意識を高めます。
子どもたちは前回の自分の気づきや課題を読み返し、現在地を確認。
「今日はここを深めよう」と目的意識をもって学習に入ることで、前回からの継続性を意識した学びが促されます。
(オクリンクプラスに提出された探究ログ、振り返りの質が高い)



探究活動は大きく「個別探究」と「協働探究」に分かれます。「個別探究」では、子どもたちが自分で決めた問いについて、ノート、オクリンクプラスのカード、工作などを使って自由に思考・表現を行います。
さらに、同じテーマに取り組む子どもたちでペアやグループを組み、互いのアイデアを交換したり、自作問題を解き合って感想や改善点を伝え合ったりする「協働探究」も同時に進んでいきます。アウトプットとフィードバックの往復を通じて、探究がさらに深まっていきます。
(オクリンクプラスで自作問題をつくり、交換して解き合うグループ)
また、学年全体で探究内容を掲示・共有しており、子どもたちは他クラスの問いや取り組みに触れることで、新たな視点を得ることができます。
(子どもたちの問いを集めた“問いの葉”)

授業の最後には「今日の探究の振り返り」を行い、次につながる問いや行動を記録します。オクリンクプラスに探究ログが蓄積されていくことで、学びのサイクルが見える化されている点が大きな特徴です。



こうした探究型の授業を通して、子どもたちは自分の問いを見つけ、その問いに向かって粘り強く学びを進める力を少しずつ育んでいます。教師の声かけや安心できる学習環境の中で、子どもたちは自分の考えを言葉にし、友だちと共有しながら、学びのプロセスそのものに意味を見出すようになってきました。
今後の展望・期待
「正解」から「意味・問い・価値」へ――教室文化としての探究へ
「自分で決めて学ぶ」子どもたちが育つ土壌を広げていく
高橋先生が「マイプラン探究学習」を算数で行うねらいは、算数を「正解を出すための教科」から、「意味を見出し、問いをもち、自ら価値を創る教科」へとアップデートすることにあります。
そのため、子どもたちが“問いに向かおうとする姿勢”を大切にし、「学んでよかった」と感じられるような言葉がけや、安心して発言できる空間づくりを大切にしています。
こうした土壌の中で、今後はより一層、子どもたちが自分の問いについて自発的に話し合い、議論を重ねながら学びを深めていけることをめざしています。
西鎌倉小学校が掲げる研究テーマ「自分で決めて、学びを進める子ども」の実現に向けて、子どもたちが問いを起点に試行錯誤しながら学ぶスタイルを、教室全体の文化として根づかせていくことが今後の展望です。
※ページの内容は2025年4月時点の情報です。
使用製品
オクリンクプラス
個人思考と共同作業の自由な行き来により
子ども同士が対話し、主体的に学んでいく授業運営を支援。







お問い合わせ