導入事例

東かがわ市立白鳥小学校 宮浦先生、奥先生、大野先生
オクリンクプラスで実現する
子ども同士が刺激し合う授業実践
取材
東かがわ市立白鳥小学校
学年
5,6年生

「夢や希望に向かって自ら考え行動し、心豊かにたくましく生きる白鳥の子~気づく かかわる 創り出す~」。香川県東かがわ市に構える、白鳥小中学校の学校教育目標です。この共生・共創を育む指導をめざし、教員同士が教え合いながら、ICTの活用を深めています。2024年度にリリースされた「オクリンクプラス」についても、既に実践を積み上げられている同校。今回はその授業例を、宮浦先生(英語専科)、奥先生(5年生担任)、大野先生(6年生担任)に伺いました。

導入成果
どんどん考えが深まる!他者参照を取り入れた短歌&俳句づくり

オクリンクプラスには「みんなのボード」という、各児童のカードが見られる機能があります。この機能を使い、6年生国語のある単元で、短歌をつくりました。



短歌のテーマは「みんなの楽しみ」。このテーマに沿って、最初から「みんなのボード」上に短歌の下書きをつくってもらいました。ポイントは、下書きの時点でクラス全員のアイデアが見られること。「こんな楽しみもあったな」「こういう書き方、ステキだな」と、友達の考えに刺激を受けながら作品をブラッシュアップすることをねらいました。教員にとっても、児童の考えの変化をリアルタイムで把握できる利点があります。 最終的なアウトプットは手書きしてから、写真に撮ってまたボードへ。ここでも積極的にコメントや「いいね」をつけるよう声かけしました。同じクラスメイトから肯定されることで、作品や、考えへの自信を深められるからです。
短歌を作る作業自体は個々で行いますが、その過程は最初から最後まで協働に満ちています。これまで以上に他者参照を行いやすい、オクリンクプラスならではの授業です。



5年生の国語でも、6年生国語とよく似たオクリンクプラスの使い方を実践。春をテーマにした俳句づくりに挑戦してもらいました。 まず、「春で思い浮かぶ」ものを「みんなのボード」に児童それぞれが挙げ、俳句をつくる材料を共有し合います。それから各自俳句をつくり、提出BOXに提出してもらいました。
また、「みんなのボード」にも作品を提出するボードをつくり、そこでも作品を共有。初めは名前を表示せずに作品だけに注目させ、それからコメントをつけてもらいました。
オクリンクプラスは「全体での共有」や「相互評価」の場と「個人活動」の場の垣根が低く、作業、他者の作品の閲覧、コメントを、一つのアプリ内でシームレスに行き来できます。従来に比べ、個別最適な学びと協働的な学びを両立しやすくなったと感じました。


デジタルだから対話に集中できる英語表現を磨くTシャツデザイン

英語はアウトプットが肝心な教科。どの学年でも、単元の終わりには、それまでの学習で使った英語で表現を行う時間を設けています。オクリンクプラスは、そのアウトプットを補助するツールとして活用しています。
この取材当日も、「習った形を使ってTシャツをつくろう」という課題を行いました。習った色や形に関する英語表現を活用し、オクリンクプラス上で各々自由にTシャツをデザイン。
カードが完成したら提出BOXにアップしてから教員のもとに行き、英語でデザインを説明してもらいました。
カードをつくるのも、紹介し合うのも、どのカードが気に入ったか意思表示するのも、アナログで行うのは手間と時間がかかります。授業 の趣旨はあくまで「(他者に)英語で説明すること」。その他の準備や過程にかかる時間を減らし、この本質的な学びに費やす時間を増やしやすいのは、ICTのメリットですね。

みんなで手を動かせるから班活動が容易になった

最後に紹介するのは、5年生社会での実践。
生活と食料生産の単元で、給食の材料を調べて発表する取り組みを行いました。
まず、全国の給食の写真を見ながら、それぞれの給食が地域の特産品でつくられていることについて学びます。それから農産物なら黄色、水産物なら水色、畜産物なら赤色といったように、あらかじめ色分けしておいたカードを使い、給食に使われている材料を班ごとに分類分けしてもらいました。

オクリンクプラスは、班ごとのボードをつくるのも、班ごとのボードに入るのも、とても簡単。カードの並べ替えもみんなで行え、班活動が容易です。個人活動に比べて集まるカードの数が多く、児童はたくさんの気づきを得られているようでした。



今後の展望・期待
“送る”過程がスマートになったオクリンクプラスの新しさ

オクリンクプラスは、オクリンクとムーブノートそれぞれのよさが詰まっています。これまでムーブノートでアウトプットを個人提出させる場合は、一度オクリンクにカードを移し、オクリンク上で提出してもらっていました。マイボードやみんなのボード、それから提出BOXと、「送る」先が整理され、ワンステップでなんでも「送れる」ようになったのは、大きなメリットだと思います。
本校は小さな学校で、小学校は一学年に2クラスしかありません。だからこそ、教員同士の教え合いも盛んです。普段の授業研究でも、「これってどうすればできるの?」「こうするといいよ」といった会話や、「オクリンクプラスはこの教科でこう使える」といったアドバイスが、自然発生的に生じています。決してもともとICTが得意な教員だけがいたわけではありません。それでも多くの教員が新たなツールを使いこなせているのは、教員も他者参照し、教え合っているからかもしれません。


※ページの内容は2024年7月時点の情報です。

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