導入事例

最新の情報とツールを手に
「思い描く授業」を形にする
- 取材
- 三重県鈴鹿市立加佐登小学校
- 学年
- 全学年
鈴鹿市立加佐登小学校の森本葵先生は、授業における積極的なICT活用で、個別最適で協働的な学びを実践されています。ご自身がめざす授業の形を実現させるため、ICT支援員の岡部さんと協力しながら、情報や体験を常にアップデートし続けていると語る森本先生。今回は、お二人がめざす授業のあり方や、オクリンクプラスの活用についてお話を伺いました。
導入背景・目的
多様な意見を引き出し、新しい視点や考え方を一人ひとりの学びに還元したい
意見が対立した時こそ、ICTを用いた協働学習で「学び」を深めるチャンス
森本先生
私自身が新しいものやことが大好きなので、鈴鹿市にChromebookが導入された直後から、積極的にICTを授業に取り入れています。特に、子どもたちから多様な意見を引き出したい場合や、友達の意見を参照しながら自分の思考を整理したうえで再構築し、深めていくといった活動において、ICTの力を借りることが多いです。例えば、国語科における物語の授業の導入では、ある作品に対する感想を問うと、「悲しい」「寂しい」という意見が出る一方で、「楽しい」「うれしい」という異なる意見が出てくることがあります。そのような幅広い意見が表出した場合は学びが深まるチャンスなので、アナログとICTを掛け合わせ、協働学習の時間を一層充実させるようにしています。
導入成果
最新の情報とツール、支援員のサポートのおかげで、自分が思い描く授業を実現できている
充実した機能で、自身がめざす協働学習の形を具現化
森本先生
私の授業では、以前からあらゆるツールを積極的に使ってきましたが、オクリンクプラスを導入してからはほぼこれ一択です。最大の理由は、私が創りあげたい授業を実現できるから。私が子どもたちの学びにおいて重要視している、「人の意見や考え方に触れる」という活動をオクリンクプラスでは気軽に行うことができます。例えば、思考ツールを背景に設定したカードを用いて個人で思考し、その後グループやクラスで共有すれば、子どもたちはいろいろな友達の「考え方のプロセス」を知ることができます。私の場合は、オクリンクプラスにデフォルトで登録されている思考ツールに加え、パワーポイントで自作した画像を背景として配布してます。そして、子どもたちは、思考ツールと友達のカードを参照しながら、自然に自分の思考を整理し、再構築することができているように思います。
視点を変えると、教員の負担軽減という側面でも役立っています。例を一つ挙げるなら、「ボード」を分けられる機能。同じカードを班ごとのボードに一斉に配付することができ時短になるので、実際の授業で多用しています。また、機能面に限らず、子どもたちの、オクリンクプラスを使った協働学習の経験そのものが、間接的に私がやるべきことを減らしてくれていると感じるときもあります。最近の授業で、Chromebookで撮ったスクリーンショットを印刷機で出力するというシーンがあったのですが、子どもたちはデジタルデバイスを器用に使いこなし、自然発生的に子ども同士での使い方についての学び合いが展開されていました。子どもたちが主体的にICTを活用し、学び合っている姿を見て、普段の授業での経験がしっかりと彼らの力になっていることを実感しました。
ICT支援員という相棒とともに、情報や体験のアップデートを続ける
森本先生
ICT支援員の岡部さんは、私にとって相棒のような存在です。ほかの学校も担当されているので、月に2回ほど、他校でのおもしろい実践や新しい取組などについての情報を共有していただいています。岡部さんから伺うお話は(私にとって)とても刺激的で、いつも「ほかの学校や先生に、負けていられないぞ!」と、より良い授業づくりへのモチベーションになっています。校内で見かけたときは、すかさず授業に新しく取り入れてみた活用内容をお伝えし、「ここがよかった」「もっとこうしたいのだけど、どうしたらいい?」などの報告や相談をさせていただくことが多いです。岡部さんは、他校での事例やご自身のご知見を元に、授業における活用だけでなく、パスワード設定などの機能面でもサポートしてくださるのでありがたいです。
岡部支援員
森本先生が授業で実践されているICT活用は、とにかくレベルが高いので、他校の先生方に積極的に共有させていただいています。私が回っている学校の多くが、森本先生の影響を受けているはずです。少ない空き時間にもかかわらず先生が、でこまめに話し掛けにきてくださるおかげで、コミュニケーションをたくさん重ねることができ、信頼関係がここまで深まりました。これからも森本先生がめざす授業の実現のために、サポートしていきたいです。
二人三脚で「複線型授業」の実現をめざす
森本先生
子どもが多様な探究方法の中から自ら選択し、主体的に学びを進めていくという「複線型授業」に興味を持っていて、今後自分の受け持つ授業で、少しずつ実践していきたいと思っています。教員が提示したテーマに従って、個人で黙々と探究を進める児童もいれば、友達とChromebookの画面を覗き込みながら協働的に学びを深める児童もいるという環境下で、どの子どもも「勉強って楽しいな」と思える。そんな授業を、ICTの力を借りて実現したいです。
岡部支援員
支援員をやって5年目になるので、端末の操作という点ではある程度フォローしきれたかなと。今後は、現在ご提案しているよりも、さらに質の高いICTを活用した授業案を作成するお手伝いができたらと思っています。森本先生が実現したい授業を、今以上に力を合わせて形にしていきたいです。
※ページの内容は2024年11月時点の情報です。