導入事例
「カルテ」がもたらす個別最適な学び
- 取材
- 三重県四日市市立四郷小学校 | 酒井亮輔先生、服部恭子先生
- 使用製品
- ドリルパークカルテ
三重県四日市市立四郷小学校では、ミライシードの<ドリルパーク>や<カルテ>を日常的な授業および家庭学習に深く組み込んでいます。従来、紙ベースで行われていた漢字練習や単元テスト前のプレテストなどをデジタルへ移行したことで、児童の学習意欲向上だけでなく、保護者の金銭的負担の軽減や教員の業務効率化を同時に達成しました。子どもたちが主体的に学び、教員が一人ひとりの習熟度をきめ細かく見取る、同校の先進的な活用事例を詳しくご紹介します。
導入背景・目的
これまでの紙ベースのみの指導からの脱却
四郷小学校においてドリルパークの本格的な活用が始まったのは、児童1人1台のタブレット端末が導入されたことがきっかけでした。しかし、当初からすべてが順調に進んだわけではありませんでした。6年生担任の酒井先生は、「当初は端末があってもなかなか授業で使いこなせず、従来の紙のドリルやノート、紙ベースの宿題という従来の授業スタイルから脱却できずにいました。」と振り返ります。「せっかく導入されたタブレット端末をなんとか有効に活用していこう。」と、先生方が手探りで模索を始めました。


ミライシードを活かした授業・家庭学習の工夫
四郷小学校では、ミライシードの機能を単なる紙の代替として使うのではなく、デジタルの強みを生かした効果的な活用を工夫されています。
1. 朝学習(帯時間)と宿題のリンク
同校では、月曜日から金曜日まで毎日10分間の<朝の学習時間>を設けています。この朝学習の時間に、ドリルパークを活用しています。
● 朝学習のルーティン: 6年生では、朝の会が終わった瞬間から児童が自主的にタブレットを開きます。教員が事前に<何月何日朝学>として配信しておいた3〜4文字の新出漢字の課題に対し、児童はドリルパーク上で取り組みます。
● 家庭学習への接続: 宿題も朝学習で取り組んだものと連動しており、家庭にタブレットを持ち帰って取り組みます。朝学習と宿題をリンクさせ、児童の<ページ間違い>や<どこをやればいいかわからない>というトラブルは解消されました。
さらに酒井先生は、現在の6年生に対し、前の学年までの国語の復習内容を5〜10分で取り組める課題として朝学で配信することもあります。「プリントだと膨大な量になり、印刷するのにも時間がかかりますが、ミライシードなら一瞬で配信でき、過去の振り返りも容易です。」と、そのメリットを語ります 。
2. 理科のテスト対策ルーティンと単元のまとめへの発展
5年生の理科を担当する服部先生は、<テストパーク>と<ドリルパーク>を組み合わせた授業ルーティンを確立しています。
高学年の理科は専門的な言葉や複雑な現象が多く、子どもたちにとって難易度が上がります。そこで服部先生は、単元テストの前の1時間を以下のようなルーティンに充てています。
1. 授業の冒頭で、プレテストとしてテストパークを実施する。
2. デジタルですぐに自動採点・返却される結果を見て、児童は即座に解き直しを行う。
3. 自分が間違えた、または苦手だとわかった部分をドリルパークで集中的に復習する。
このテストパークを挟むことで、児童は<この単元で本当に大事なポイントはどこか>を自ら掴むことができます。
服部先生の授業では、単元の終わりに児童自身に単元のまとめスライドを作成させています。「以前はどこをまとめていいか分からず、ただ教科書の内容を丸写しするだけの子が目立ちました。しかし、テストパークで重要ポイントを把握できるようになってからは、核心となる部分を絵や図を使って上手にまとめられる児童が劇的に増えました。」と、服部先生は確かな手応えを感じています。

3. 「質の高い解き直し」への指導
ドリルパークは手軽に取り組める反面、児童が「間違えたままでも進められるから。」と、適当に回答して終わらせてしまうケースもありました。
そこで酒井先生は、学級通信に、個人名が出ない形で<丸ばかりのドリルパーク画面>と<バツばかりのドリルパーク画面>のスクリーンショットを並べて掲載し、そして児童の前でも通信を見せながらこのように語りかけました。
「間違えるのは全然かまわない。けれど、バツのままほったらかしにしていたら自分の身にならないよね。ゲームで例えるなら、バツのまま進むのはレベルも上がらずに初期装備のまま戦っているようなもの。何回も解き直してクリアしていくことで、レベルが上がり、強い装備を身につけて戦えるようになるんだよ。」
このゲームに例えたフィードバックが児童の心に強く刺さり、児童が書く感想欄には「次からはちゃんと直そうと思いました。」という言葉が見られ、実際に通信を発行した前後で、児童が1つの問題に対して5回、6回と粘り強く解き直す回数が明らかに増加しました。

導入成果
子どもたちのモチベーション向上と、先生の「見取り」の変化
ミライシードの日常的な活用は、児童の学習態度や教員の指導スタイル、さらには客観的な学力データにも大きな好変化をもたらしました 。
1.「カルテ」機能がもたらす、個に応じたきめ細かな見取り
教員側の管理画面にあるカルテ機能の活用により、児童への声かけの質が大きく変わりました。カルテには、「先週より解き直し回数が増えた。」「5日以上連続で取り組んでいる。」といった、児童のポジティブな変容が色付きで分かりやすく自動表示されます。
「カルテを見ることで、『今週はすごく頑張って解き直しているね』と、具体的かつタイムリーに褒めることができるようになりました。」と酒井先生は話します。また、学校では目立たなくても、家庭でコツコツと努力を積み重ねている児童の姿など、従来の机間指導だけでは見えづらかった家庭での学習状況まで一目で把握できるため、児童を多面的に知るための貴重なツールとなっています。

2. 自主的学習の定着と学力差への対応
カルテ機能をきっかけに教員が強制しなくても、児童が自ら目標を設定し、家庭で1日に合計1時間近く自主学習を進めるケースも珍しくなくなりました。
また授業内では、これまでは学習進度に差があっても個別に先生がサポートしていくことが難しかったという課題がありました。しかし現在では、問題の取り組みを早く終えた児童は自発的にタブレットを開き、自分に合ったドリルパークの課題をどんどん進めていくルーティンが定着しています。
酒井先生は、「上位層の児童が自律して学びを進めてくれるおかげで、教員は本当に声をかけたい、個別の支援が必要な児童のサポートへじっくり時間を割くことができるようになりました。授業内での指導の効率が上がったと感じています。」と語ります。

3.「みえスタディチェック」での確かな学力向上
こうした地道な取り組みは、確かな結果となって表れました。三重県で実施されている<みえスタディチェック>において、同校の4年生当時の結果は、県平均を下回るという結果でした。しかし、ミライシードを活用し、特に国語の読み書きや苦手の解き直しに力を入れて取り組んだ結果、直近のデータでは国語の平均点が県平均を大きく超えるという変化が見られます。理科においても、平均点付近までしっかりと成績が向上しており、楽しみながら自ら繰り返し学習するスタイルが学力向上へ直結していることを実感されています。
4. 劇的な働き方改革と、保護者費用の削減
教員の働き方や保護者の経済負担という面でも、多大な導入メリットが生じています 。
● 教員の負担軽減: テストパークによりプレテストの回収・採点・返却の手間が一切なくなり、児童が取り組んでいる間に教員は次の単元の準備や教科書の確認ができるようになりました 。宿題も1週間分を見通して事前に予約配信できるため、放課後の負担や慌ただしいプリント準備の時間はほぼゼロになりました 。
● 教材費の返金・有効活用: 漢字ドリルや長期休業用の冊子ドリルをすべてデジタルに代替したことで、浮いた予算を他の教材(理科や図工など)の購入に充てたり、修学旅行の積立金へ回したりすることが可能となり、保護者への追加負担の心配がなくなりました。
今後の展望・期待
使ってみることで効果を実感できます
最後に、これからICT活用やミライシードの導入を進めようとしている他校の先生方に向けて、お二人の先生から温かいメッセージとアドバイスをいただきました。
服部先生:「まずは、『試しにちょっとやってみませんか?』と声を大にして言いたいです。私自身、最初はICTの専門知識があったわけではありませんが、自分のクラスで試しにテストパークを使ってみたところ、想像以上に子どもたちが楽しそうに食いついてきました。プリントを作る時間がない時にパッと配信できるなど、教員にとっても良いことしかありません。まずは一歩、使ってみることから始めてみてください。」
酒井先生:「長年の経験がある先生ほど、新しい教育方法に一歩を踏み出すのは億劫に感じられたり、従来の紙のやり方に頼りたくなったりする気持ちはよく分かります。私もそうでした。しかし、いざ使ってみると、案外簡単でこれほど便利なものはないと気づかされます。自分で一からすべてを構築する必要はありません。同じ学年の先生や、得意な誰かがやっている配信を真似させてもらうところからで十分です。そこから、使える実感が少しずつ広がっていくはずです。」
ミライシードの活用により、子どもたちの<学びの質>を高めながら、教員の<指導のゆとり>と保護者の<安心>を同時に生み出した四郷小学校。同校の挑戦は、これからの個別最適な学びと、持続可能な学校教育の手本となる活用事例と言えるでしょう。
※ページの内容は2026年7月時点の情報です。
使用製品
ドリルパーク個別学習ドリル
個々に合ったレベル・ペースで、知識の確かな定着や
主体的に個人で学ぶ姿勢を支援します。
カルテ
ミライシードの学習履歴を活用し、
子どもの自己調整力を育むとともに、先生方の日々の指導と評価を支援します。


