ミライシード

導入事例

東京都福生市立福生第一中学校 金子 敏治 先生(統括校長)、鵜飼 あずさ 先生(教務主任)、藤岡 雄祐 先生(ICT担当)、石田 直人先生(進路指導担当)、遠藤 竣先生
「誰一人取り残さない教育」を
実現するミライシード活用と
教員への充実したサポート体制
取材
東京都福生市立福生第一中学校 | 金子 敏治 先生(統括校長)、鵜飼 あずさ 先生(教務主任)、藤岡 雄祐 先生(ICT担当)、石田 直人先生(進路指導担当)、遠藤 竣先生
使用製品
ドリルパークカルテオクリンクプラステストパーク

東京都の福生市立福生第一中学校では、生徒一人ひとりに応じた「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実を目指し、ベネッセの学習プラットフォーム「ミライシード」を積極的に活用しています。ドリルパークを用いた基礎学力の定着や学習習慣の形成をはじめ、オクリンクプラスを活用した意見共有や表現活動など、各教科の特性に合わせた多彩な実践が日常的に行われています。また、同校の大きな特徴として、ICT支援員やオンラインサポートの存在があり、先生方の授業実践のサポートが行われています。
本記事では、学校経営のトップである金子校長先生へのインタビューと、4名の先生方による座談会を通じて、ミライシードの具体的な活用法とそこから生まれる確かな成果に迫ります。

導入背景・目的
誰一人取り残さない教育と個別最適な学びの追求

福生市立福生第一中学校では、学校経営の根幹として「誰一人取り残さない教育」を掲げています。金子校長先生は、公教育の使命とICTの役割について次のように語ります。

「本校のホームページの最初の言葉にも記していますが、目標でもある『誰一人取り残さない教育』を全教職員で挑戦しています。公教育ですから、生徒一人ひとりが『この中学校で生活できてよかった、学べてよかった』と思える時間を持たせることが非常に大切です。そのためには、学校生活の大半を占める『授業』が、子どもたちにとって『楽しくて、わかって、できる』ものでなければなりません。50分があっという間に過ぎるような魅力的な授業を、先生方とともに目指しています。」

さらに、中学校3年間での学びにとどまらず、その先の人生を見据えた教育の重要性についても金子校長先生は言及します。

「より大きな目標として、人間は生涯にわたって学び続けていく存在です。だからこそ、学ぶ目的や意義、楽しさを実感し、『自ら学ぶ術』やその気持ちを中学校生活のなかで身につけてほしいと考えています。

前年度まで福生第一中学校の分教室だった学校が、2026年度に学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)である『福生市立牛浜もくせい中学校』(福生第一中学校分校)として開校しました。文部科学省の指定のもと、不登校の生徒に配慮した特別の教育課程を実施することができる学校であり、個別最適な学びを徹底しています。こういった学びの多様化学校において、多様な生徒に対する学習をきめ細やかにサポートするツールとして、ミライシードは有効です。福生第一中学校にとっても、牛浜もくせい中学校にとっても、一人ひとりに応じた学び方を獲得させるために、ICTは欠かせない存在となっています。」

「デジタルにはデジタルの、紙には紙の良さがあります。それぞれの良さを生かした学びを展開し、最終的には生徒自身が判断してツールを選択・活用できる力を育てていきたいですね。」と語る金子校長先生。学校全体としてICTの積極的な活用を推奨し、授業観察のチェックシートにもICT活用の項目を設けるなど、先生方が挑戦しやすい環境づくりを力強く牽引しています。

 

学校経営方針抜粋


実際にミライシードを活用している4名の先生方に、日々の授業や家庭学習における具体的な実践と、その成果についてお話を伺いました。

<座談会参加メンバー>

鵜飼先生(国語科/教務主任)

藤岡先生(国語科/ICT担当)

石田先生(数学科/進路指導担当)

遠藤先生(社会科)



ICT活用のきっかけと一歩を踏み出した理由

ミライシードを活用し始めたきっかけについて、ICT支援員に相談したり、他の先生の授業を見たり、先生方は様々なきっかけで活用の一歩を踏み出していました。


鵜飼先生(国語科/教務主任):

「最初はICTがあまり得意ではなかったのですが、職員室にあった活用事例のパンフレットを読んで興味を持ちました。その後、ICT支援員さんに『付箋を使った意見の並び替え活動をデジタルでやりたい』と相談したところ、オクリンクプラスでのカード作成や具体的な授業イメージを提案していただき、そこから一気に活用が進みました。」

 


石田先生(数学科/進路指導担当):

「道徳の授業で、クラス全員でお互いの良さをコメントし合う協働学習を行いたいと考えた際、他の先生の授業を見てオクリンクプラスが情報共有に便利だと知り活用しました。」

 



ミライシードを活かした授業・家庭学習の工夫


先生方は、ドリルパークやオクリンクプラスを日々の学習でどのように活用されているのでしょうか。大きく3つのポイントに分けて伺いました。


(1)「ドリルパーク」活用で学習を習慣化

遠藤先生(社会科):

遠藤先生は、授業のルーティンとしてドリルパークを効果的に組み込んでいます。

「授業の最初の5分間は、必ずドリルパークに取り組ませています。今回の単元に関連する特定の範囲を指定し、そこを開いて解くように指示します。その範囲がすでに完璧な生徒は、自ら判断して別の教科や過去の復習をやっても構いません。このように、自分で選択しながら学習を進めるスタイルを定着させています。」

 

また、遠藤先生は単に問題を解かせるだけでなく、その取り組み状況を緻密に分析し、生徒へのフィードバックに活かしています。

「ミライシードの『カルテ』機能を使うと、取り組み時間、正答数、正答率、解き直し回数などが詳細に把握できます。私は月に1回、これらのデータをエクセルでまとめ、差し込み印刷を使って短冊状に切り、生徒一人ひとりに配っています。クラスの平均値と自分の数値を比較できる紙の資料を渡すことで、生徒たちは『先生はちゃんと自分の頑張りを見てくれているんだ』と実感し、次へのモチベーションに繋げています。」


鵜飼先生(国語科/教務主任):

鵜飼先生は、長期休業中の課題としてドリルパークを活用しています。

「夏休みパックを使って全学年に課題を配信し、保護者にもプリントで周知して家庭学習の習慣化を図っています。」と、学校と家庭を繋ぐツールとしての有効性も指摘しました。


(2)「オクリンクプラス」を活用した表現活動と協働学習

オクリンクプラスの「カード」や「みんなのボード」は、生徒の表現力や協働性を引き出す強力な武器となっています。


鵜飼先生(国語科/教務主任):

鵜飼先生は、故事成語の学習で4コマ漫画を作成する活動において、手応えを感じたと言います。

「以前は画用紙を4等分して手書きで描かせていましたが、絵が苦手な生徒は手が止まってしまいがちでした。しかし、オクリンクプラスで『フリー素材やイラストを使ってもいいよ』と伝えたところ、絵を描くのが苦手な生徒も意欲的に取り組み、作品を仕上げるようになりました。完成した作品はすぐに画面上で全員とシェアできるため、私の準備や回収の手間も大幅に減りました。」


遠藤先生(社会科):

遠藤先生は、深い学びを促す「ジグソー学習」にオクリンクプラスを活用しています。

「例えば、クラスをA〜Dの担当に分け、それぞれの担当テーマについて調べ学習を行います。その際、『みんなのボード』をグループごとに作成し、そこで調べた情報を集約・共有させます。生徒たちは他のボードを自由に行き来し、有益なカードがあれば自分のボードに送ってもらうなどして、活発に情報交換を行います。移動の時間をかけずに、デジタル上で知識を構成していくこの手法は、オクリンクプラスと非常に相性が良いです。」

その他にも、遠藤先生は需要供給曲線のグラフを座標カード上で動かして問題を自作させたり、職場体験の新聞づくりでレイアウト機能を活用したりと、多岐にわたる実践を行っています。

 


藤岡先生(国語科/ICT担当):

藤岡先生は、書写の授業での効率化について教えてくれました。

「習字の作品をiPadのカメラで撮影してカードに貼り付け、その横に今日の振り返りを文章で入力して提出させています。毎回の授業でこれを積み重ねていくことで、生徒自身の成長の軌跡がデータとして綺麗に残ります。時間が余ったときには、提出された作品を一覧表示して『展覧会』を開き、みんなで投票を行うなど、生徒が楽しみながら振り返る機会を作っています。」

 



(3)ICT支援員とオンラインサポートのフル活用による授業デザイン

同校のミライシード活用がここまで広く、深く浸透している背景には、ICT支援員とオンラインサポートの存在がありました。

「ICT支援員さんには本当に助けられています。」と声を揃える先生方。


藤岡先生は、「『こういうことがしたい』と抽象的なイメージを伝えるだけで、『それならこの事例が合いますよ』『このカードを使うといいですよ』と、具体的な形にして提案してくれます。私たち教員の思いを的確に汲み取ってくれるので、相談のハードルが非常に低いです。」と厚い信頼を寄せます。

鵜飼先生や石田先生も、「授業で使うカードのひな形を作成してくれたり、『提出先の指示をカードの上部に書いておくと生徒が迷いませんよ』『思考ツールは色分けすると視覚的に分かりやすいですよ』といった細やかなアドバイスをいただいたりしました。さらに、実際の授業を巡回して見ていただき、時間配分や進行のコツまでフィードバックをもらえるので、とても心強い存在です。」と語ります。

 


また、同校では「オンラインサポート」も活用しています。藤岡先生はそのスピード感について語ります。

「1時間目の授業で少し操作に関して疑問点があり、その後の10分休みにオンラインサポートのチャットで質問を投げたんです。すると次の授業が始まる前には的確な解決策が返ってきて、無事に授業を乗り切ることができました。このスピード感は現場にとって本当にありがたいですね。」

導入成果
子どもたちのモチベーション向上と、先生の「見取り」の変化

ミライシードの活用を通じて、子どもたちの学習姿勢や先生方の見取りや指導にはどのような変化がもたらされたのでしょうか。


【生徒】学習へのモチベーションの向上

ICTツールを導入したことで、子どもたちの学習への心理的ハードルが下がり、主体的に取り組む姿勢が見られるようになりました。


遠藤先生(社会科):

「ドリルパークに夢中になり、1ヶ月で1,600問以上を解き進めて【レジェンド】の称号を獲得した生徒も現れました。即時に正解・不正解が判定されるため、紙のワークよりも前向きに取り組めるようです。」  


石田先生(数学科/進路指導担当):

「紙に文字を書くことに面倒くささや苦手意識を感じている生徒にとって、端末上でタップして選択できるドリルパークは非常にとっつきやすく、学習に向かうハードルが低く、良い入り口になっていると思います。」


藤岡先生(国語科/ICT担当):

「授業の中で先生が扱っていない教科の定期テスト対策ドリルを、子どもたちが自ら開いて進めている姿が見られ、主体的に学習に向かうきっかけの一つとなっています。」


鵜飼先生(国語科/教務主任):

「オクリンクプラスを活用した4コマ漫画づくりでは、絵が苦手な生徒もフリー素材等を用いて意欲的に表現できるようになり、「全員が授業に参加できるようになった」という変化がありました。」

 


【先生】見取り、指導の深化

先生方の見取りの深化にも寄与しています。


遠藤先生(社会科):

「オクリンクプラスのリアルタイムモニタリングを活用し、『困ったらカードの色を青にしてね』とルールを決めておくことで、意思表示が苦手な生徒のSOSにもいち早く気づき、適切な個別指導に入れるようになりました。」

一方で、デジタルならではの課題に対しては以下のように語ります。

「オクリンクプラスは簡単に他の生徒のカードをコピーしたり送ってもらったり出来てしまうため、完成した作品だけを見て評価すると、本人の本当の理解度を見誤る危険性があります。そこで私は、提出させた作品をもとに、あえて口頭試問を行います。自分がまとめた内容について自分の言葉で説明できて初めて、本当の学びとして評価するようにしています。」


藤岡先生(国語科/ICT担当):

「書写の授業で習字の作品の撮影と振り返りをオクリンクプラスで提出させることで、毎回作品を集めて赤を入れる作業に比べ、作業時間が3分の1程度になりました。」


鵜飼先生(国語科/教務主任):

「手書きの画用紙を集めていた頃に比べ、子どもたちの作品をすぐに画面上でパッとシェアできるため、準備や回収といった教員側の負荷がとても楽になりました。」


福生第一中学校の実践は、ICTツールを単なる「便利な道具」として終わらせるのではなく、教師の緻密な授業デザインと見取り、そして手厚いサポート体制が見事に融合した素晴らしい事例です。「誰一人取り残さない教育」の実現に向け、福生第一中学校の先生方の挑戦はこれからも続いていきます。

※ページの内容は2026年7月時点の情報です。

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