導入事例
—ICTが創り出す、
児童が主導権を握る算数授業
- 取材
- 兵庫県加東市立滝野東小学校 | 授業者:藤原 達矢先生 校長: 小林 美穂先生 講師:長谷 浩也 先生
- 使用製品
- ドリルパークオクリンクプラステストパーク
- 学年
- 小学2年生
導入3年目を迎え、ICT活用が「日常」へとフェーズを変えた加東市立滝野東小学校。特に算数科においては、前時の既習事項と本時の課題が密接にリンクするため、一人ひとりの習熟度をいかにリアルタイムで把握するかが長年の課題でした。滝野東小学校では、単なる知識の伝達ではなく、児童が自らの理解度をメタ認知し、自律的に学びを調整する「自己調整学習」の実現を目指しています。今回の取材では、藤原先生、小林校長先生、講師の長谷先生にお話を伺いました。
導入背景・目的
「できたふり」に隠れたつまずきと、採点に追われ失われていた支援の時間
藤原先生 :
これまではノートで練習問題に取り組ませてきましたが、正直なところ、見取りが不確かだったなという反省があります。児童に取り組ませているけれど、なんとなくできている感で終わっていました。児童同士で少し見合って、自分の答えを消して書き換えてしまうこともありました。それでは、本当に誰がどこでつまずいているのかが見えてきませんでした。また、紙のプリントやノートだと、教師が全部の採点を見なければならず、この物理的な負荷が高かったんです。丸付けに追われてしまって、本当に支援が必要な子に声をかけるタイミングを逃してしまうのが、これまでの課題でした。

授業例:算数 小学2年生「もっと大きな数はどうあらわすの」
1.毎時間冒頭に計算ワークを行い、数感覚を高めるとともに学習への集中力を養う。

2.本時の課題として、「数直線上の6500はどこか」を予想。オクリンクプラス上でピンを置かせる。反転学習の要素を取り入れ、前時終末のテストパークと合わせて取り組ませることで、本時の話し合いにスムーズに取り掛かれるようにするとともに、児童が見通しをもてるようにする。

3.オクリンクプラスのピン集計機能を活用。回答の集中場所を可視化し、一目盛りの大きさに焦点を当てる。

4.教科書の適用題をノートに取り組ませる。早く終わった児童から、近くの友だちと答えを確認したり、困っている友だちに声をかけたりさせる。教員は疑問がある児童に個別に対応。

5.教科書の練習問題やドリルパークの練習問題、問題づくりなど、児童が自己選択し、主体的に取り組む。

6.テストパークでカスタムテストを配信。自動採点により、児童はその場ですぐに結果を確認し、次に自分が必要な練習を判断する。

導入成果
「個」の存在を認め合い、教室の空気を幸せにする承認のプラットフォーム
藤原先生:
オクリンクプラスになって本当に良かったのは、リアクションボタンがあることです。クラスには発表することが苦手な子もいますが、カードを出して友達が『いいね』をつけてくれただけで、その子は今日一日嬉しく帰れるんです。今日も、すごいアイデアを出してたくさんリアクションをもらった子が、ニヤニヤして帰っていきました。みんなで見合って『面白い!』と言い合える時間は本当に幸せです。

長谷先生:
オクリンクプラスは、個人で考えることと友達と考えを交流することを往還させながら、対話的な学びを支えます。「授業で活用できるピンの集計機能は、学級全体の回答傾向を即時に把握できるため、教師は児童の理解のずれやつまずきをその場で見取りやすくなります。この機能は、単に答えを集めるためだけではなく、誤答の理由を考えさせたり、考えの違いを比べさせたりすることで、理解を深める支援につながります。
テストパークを授業の「羅針盤」に。3回の反復で児童の伸びを実感させる設計
藤原先生:
テストパークを軸に単元を設計し、同じ問題を前時・本時・単元末と合計3回解くようにしています。これにより「[前は分からなかったところが分かった」というトータルな伸びが見えるようになりました。児童の理解度を把握し、授業の構成に活かしています。

長谷先生:
テストパークの自動採点で即時に結果が返ることは、単に便利というだけではありません。児童自身が自分の理解度を把握し、次にどの学習に取り組むべきかを判断する契機になります。こうした積み重ねが、単元を通した形成的評価と自己調整学習を支えているのだと思います。
今回の実践では、ミライシードの各ツールを組み合わせることで、「どこでつまずいているのか」「何が不足しているのか」を授業中から単元末まで一貫して可視化できています。その結果、授業内での即時支援だけでなく、単元末までの補充や追加課題の設定といった手立ても講じやすくなります。さらに、自動採点や集計によって教師の負担が軽減され、その分の時間を必要な個別支援に充てられます。『学習改善に生かす評価』や『個別最適な学び』を具体化する実践だと言えます。
児童に学びの主導権を預け、共に授業を楽しむパートナー
藤原先生:
ICTを使うことで、児童に学びの主導権を預けられるようになりました。今まで紙でやっていると、何を書いているかよく分からず、ぐちゃぐちゃになっていたかもしれない。でも今は、児童たちの画面が見えるし、彼らもぐっと入り込めている。教科書、黒板、ノートだけでない、新たな学びのプラットフォームとして、先生と児童が一緒に楽しめるようになった感覚があります。

今後の展望・期待
教材研究を深化させ、ICT活用の裾野を学校全体の文化へ
藤原先生 :
今後はICTを活用する先生の裾野を広げていきたいです。一部の先生が使うだけでは児童の活用力も上がっていきません。周りに『こういう教材を作りましたよ』『こんなふうに授業ができますよ』と紹介しながら、学校全体に波及させていきたい。先生たちが使えるようになれば、児童が使える機会も自ずと増えていくはずです。

小林校長:
ICTを広げることは大事ですが、一方でICTだけに頼るのではなく、教材そのものとしっかり向き合うことが不可欠です。教材研究をした上でのICT活用こそが、協働的な学びと個別最適な学びの一体的な充実に繋がります。藤原先生のような教材研究に基づいた提案が学校に広がることで、教育の質をさらに高めていきたいと考えています。
※ページの内容は2026年2月時点の情報です。
使用製品
ドリルパーク個別学習ドリル
個々に合ったレベル・ペースで、知識の確かな定着や
主体的に個人で学ぶ姿勢を支援します。
オクリンクプラス
個人思考と共同作業の自由な行き来により
子ども同士が対話し、主体的に学んでいく授業運営を支援。
テストパーク
次の学びにつながるデジタルテスト。
先生方の働き方改革と子どもたちの学力向上を支援します。


