
ICT支援員の皆様
先日、5月度のICT支援員ミライシードセミナーを実施しました。今回も多くの方にご参加いただきありがとうございました。
「デジタル・シティズンシップ」をテーマに、石川県の中学校の浅見先生にご講演いただきました。「デジタル・シティズンシップ」についての基本的な情報の共有をはじめ、現場でのご実践など具体的なお話を聞くことができました。参加できなかった方は、後日共有予定のレポートをお楽しみにしてください。
さて、『活用事例BOOK』はお手元に届きましたでしょうか?前回のコラムでは、協働的な学びを支える「オクリンクプラス」の活用について『活用事例BOOK』から一部を抜粋してご紹介しました。

今回は、学びの定着や家庭学習の場面で頼れる「ドリルパーク」に焦点を当て、提案のヒントとなる事例を共有します。「学校全体での取り組み」と「先生単位での活用」という2つの視点で、代表的な実践を4つご紹介します。
まずは、子どもたちの「学びに対する主体性」をはぐくむ学校全体での導入事例です。
タブレットで学習する「モジュールタイム」(帯学習)の導入
ー神奈川県茅ヶ崎市立鶴嶺小学校のご実践ー
1・2年生が週に計60分、3・4年生が計90分、5・6年生が計112.5分と時間を設定。取り組みは15分を4回に分けるなど、子どもたちの状況に合わせてアレンジ可とします。取り組み内容は子ども自身が考えて決めて学習し、先生はあくまでアドバイザーの立場で見取ります。

子どもたちが自分で考えて取り組むことで、先生は「どうしてここをやってるの?」「なんで今これをやろうと思ったの?」と子どもたちから学ぶ理由を聞き出すなど、ポジティブな声掛けがコミュニケーションの中心になります。
次に、家庭学習をテーマとした事例です。先生と子どもたちのいずれにとっても、メリットが大きい取り組みとなっています。
家庭学習を「自主学習ノート」から「ドリルパーク」に切り替えて負荷軽減
ー新潟県長岡市立栖吉中学校のご実践ー
家庭学習として1週間に100問取り組むことだけを約束とし、課題配信や、教科・範囲の指定は一切せずに、子どもたちの主体的な取り組みに一任。取り組み数と正答数だけは観点別評価として考慮します。状況に応じて取り組み状況をランキングで発表することで、子どもたちの学びへのモチベーションを高めます。

一人ずつのノートをチェックする手間が省け、子どもたちの取り組み状況を一元管理できることで先生の負担が大幅に軽減するだけでなく、子どもたちにとっても、前向きに学習する習慣が身につくことで、基礎学力の向上につながります。
続いて、授業内での知識定着の場面での活用事例です。成績層の二極化という課題に対して、個別最適な学びを実現できる「ドリルパーク」の特長が最大化されています。
基礎力・自己調整力を引き上げる「ドリルパーク」の活用
ー福岡県大野城市立御陵中学校のご実践ー
授業の最初5分は「ドリルパーク」で前時までの復習、最後5分は本時で習ったことの復習を行います。復習であればどこを解いてもOK、理解度や進み具合に応じて取り組む問題を生徒自ら選択します。週ごとに取り組む教科が決められている毎朝10分間の朝学習の時間に、タブレットを使って「ドリルパーク」を解いてもOKです。

不安な生徒は繰り返し解いたり、戻って解いたりすることで自信を深め、一方で自信がある生徒はどんどん先に進むことができます。
最後は、「オクリンク」での協働的な学びと「ドリルパーク」での個別最適な学びの充実と深化をめざした反転学習(フリップド・ラーニング)の実践です。
中学1年/理科「溶解」 「ドリルパーク」での予習で協働学習の効果を高める
ー青森県青森市立佃中学校 安部慎也先生のご実践ー
家庭学習や授業の直前に「ドリルパーク」で「溶解」についての予習を行います。授業では予習でインプットしたことと照らし合わせて、「オクリンク」を活用しながらグループで協働的に学びを深めます。最終的に、予習段階で取り組んだ際に間違えた問題を中心に「ドリルパーク」で改めて復習します。

「ドリルパーク」で予習に取り組み、新しく学ぶ語の意味や内容についてあらかじめインプットしたうえで授業に参加することで、学習効果が高まります。また、「ドリルパーク」の問題を解き直すことになるので、多くの生徒の正答率は上がり、次の学びの意欲へとつながります。
いかがでしたか?「ドリルパーク」の大きな特長は、学校全体での仕組みづくりにも、日々の授業の補助にも活用できるということです。 4つ目に紹介した事例に関連しますが、4月のリニューアルにより、「ドリルパーク」は「オクリンクプラス」と連携して活用しやすくなりました。例えば、授業で使用するカードに「ドリルパーク」の問題を直接貼りつけて、グループで問題にトライするということもできます。
大幅リニューアルについてのコラムはこちらからご覧いただけます。
https://bso.benesse.ne.jp/miraiseed/fansite/start/ict_support_column0313.html
https://bso.benesse.ne.jp/miraiseed/fansite/start/ict_support_column0327.html
『活用事例BOOK』は、お役立ていただけそうでしょうか?多種多様な活用事例をご覧いただき、担当の学校様や学年、クラスの状況に合わせてアレンジしながら、授業のアシストをしていただければ幸いに思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このたび、校内のICT活用推進をテーマとするオンラインセミナーを開催いたします。「ICT担当として、何から始めるとよいかわからない」「なかなか校内推進がうまくいかない」というお悩みをお持ちの先生方にぴったりの内容になっております。

お届けした『活用事例BOOK』を活用した校内推進方法や、夏季休暇に実施する研修会についてなどこの時期に知りたい内容を、リアルな実践事例をベースに現場の先生からお話しいただきます。
ぜひ担当校の先生方にご紹介をお願いいたします。
