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レポート

「ミライシード夏の事例大共有会」イベントレポート

8/2(火)、全国から多くの先生方をお招きし、現場で実践されている「ミライシード」の活用事例をご紹介いただくイベントを開催いたしました。1,200名を超える先生方にご参加いただき大盛況で幕を閉じたイベントの内容を、こちらのレポートでご報告します。
 
・基調講演
イベント冒頭では、教育者として第一線で活躍後も、教育現場でのICT活用を積極的に推進され続けている倉澤昭先生(放送大学客員准教授)より、『主体的・対話的で深い学びを実現するICT教育とは?』 をテーマにご講話いただきました。近年重要視されている「個別最適な学び」「協働的な学び」とはそもそもどのようなものなのか、子どもにとって「伴走者」と例えられる教師にはどのような役割があるのか、そして、ICTをどのような学習場面で何に留意して活用していくべきかなど、ICT教育の根本的な考え方やその効果について、具体的な事例を踏まえながらご説明いただきました。

>>>基調講演のアーカイブ動画は こちら から<<<


 
・事例共有(小学校の部)
次に、今回のイベントの目玉プログラムとなるミライシードの活用事例共有とクロストークを行いました。まずは小学校からスタートです。ここでは一部を抜粋してご紹介します。

<前半>
岩本紅葉先生(東京都公立小学校主任教諭)
テーマ:図画工作におけるICTの普段使い
作品づくりにはオクリンク、交流にはムーブノートを活用。オクリンクでは完成作品の写真だけではなく、工夫した点とその部分にフォーカスした写真も共有することで、各々の作品へのこだわりを知ったうえで鑑賞ができる。途中経過として各工程で写真を残し、プロセスを可視化。 作品を使った交流時にはムーブノートを活用。コロナ禍で課題の多い交流も、学年・学校・地域を超えて実施することができ 子どもたちの活動の幅を広げる一助となっている。

 
和田愛莉先生(神奈川県公立小学校教諭)
テーマ:苦手意識を持つ児童が多い「書く」「表現する」に重点を置いたミライシード活用法
「先生の話を聴いて要約する」という取り組みで、児童はクラスメートの要約文や先生からのフィードバックを確認し、自分自身の改良点を学んだ。回数を経るごとに質・量ともに改善が見られ「書く力」が大きく向上 した。音楽発表会前後の意見交換では、表現力に差がある1年生〜6年生が、文字や絵を使って自由に表現できるオクリンクの特性を活かし、自分なりに感想を伝え合っていたのが印象的だった。

 
庄子寛之先生(東京都公立小学校指導教諭)
テーマ:タブレット端末を「より良く使う」ためのヒント
タブレット端末は「ただ使う」から「より良く使う」のフェーズに移行しつつある。現状の授業へのICTの取り入れ方は本当に有効か?回答を2者選択式にすることで、子どもたちが考える答えを蔑ろにしていないか?など、日々の授業の進め方を振り返ることはとても大切。 強引に使おうとするのではなく、ICTを活用するタイミングや目的・内容を、子どもの知的好奇心を高められるよう、彼ら視点で考えるべき。 ミライシードに限らず、検索エンジンなど他のツールとも掛け合わせると、さらに授業を発展させられるだろう。

 
岩本先生・和田先生・庄子先生とのクロストークでは、ミライシードを授業に取り入れる理由や、授業や提出物に遅れを取っている児童に対するフォローのしかたについて、お伺いしました。

<後半>
田野健先生(石川県公立小学校教諭)
テーマ:社会科の授業でのミライシード活用法
これまで課題解決型の授業を展開するには時間不足が課題だったが、オクリンクを活用することで、短時間でクラス全員分の意見交流が可能に。 自分で考える、意見共有、質疑などの時間が十分確保できるようになった。また、意見が思いつかない子は他の子の意見を見て考えるヒントを得たり、一方思考が速い子は提出BOXで他の子の意見を見て共通点や疑問点を考えたりするなど、各々のペースで取り組むことができている


二川佳祐先生(東京都公立小学校主任教諭)
テーマ:ツールのその先へ
学びには、デジタル・アナログ含め多様なツールを活用できるが、どれも一長一短であることを子どもたちに伝えるとともに、授業では、教科や活動の内容に関わらず今の時代らしいICTの使い方を積極的に取り入れるようにしている。 ある児童のお別れ会を行った際に、子どもたち自らが端末を駆使して写真撮影やメッセージ記入を始めたのを見て、自分たちで必要なものを用途に応じて選べるようになっていると感心。 ICTに限らず、「使わないと使えるようにならない」ことを念頭に、新しいことには積極的に取り組む姿勢を大切にしている。


水谷智明先生・西村知夏先生(京都府公立小学校教諭)
テーマ:明日から試せる!オクリンクの実践報告
文章全体の構成を捉えて要旨を把握する授業では、短冊形のカードで自由に並べ替えを行い文章の構成を整理。根拠が明確になり意見交換が活発に進んだ。 2年生の『スイミー』の授業では、オクリンク上で「スイミーメーター」という気持ちのバロメーターを用意し、キャラクターを動かしながら楽しくグラフ化。主人公の心情変化を可視化し、なぜそのような気持ちになったのかを意見交流することで、複雑な感情変化まで考えることができた。

 
田野先生・二川先生・水谷先生・西村先生とのクロストークでは、学習支援ツールの使い分けのポイントや、学校単位でのICTに関する動きについて、お伺いしました。

>>>小学校の部のアーカイブ動画は こちら から<<<



・模擬授業
前半最後のパートでは、小学1年生「自動車くらべ」をテーマに、模擬授業を行いました。先生画面の操作が生徒画面にどう反映されるのか、二画面で把握いただける内容です。オクリンク・ムーブノートの基本的な操作はもちろん、授業での具体的な活用方法がお分かりいただけるかと思いますので、ぜひアーカイブ動画をご覧ください。

>>>模擬授業のアーカイブ動画は こちら から<<<


 
・事例共有(中学校の部)
休憩を挟み、中学校の授業におけるミライシード活用事例共有とクロストークを行いました。ここでは一部を抜粋してご紹介します。
 
村山俊介先生(埼玉県公立中学校教諭)
テーマ:ミライシードを活用した主体的・対話的で深い学びの実現 実践事例
学ぶ上で大切な「見通す」「結びつける」「生み出す」力と、その先にある自己有用感を身につけるために、ミライシードは最適なツール。国語科の授業で、作品中の人物相関図や人物像をつかむためにムーブノートを活用。生徒の回答の分析、集計まで即表示されるため、生徒が意見を交わしながら能動的に授業に取り組む。 また、スタンプ機能を使い登場人物の心情をグラフ化し一斉共有。最も気持ちが上がったところ、下がったところをコメント機能を使い書き出し、読み取りも行った。 授業後のアンケートでは、学び合いを実感したという声が多くあり、生徒が楽しみながら授業に向き合っていることが伺えた。


輪湖みちよ先生(東京都公立中学校教諭)
テーマ:「社会=暗記」のイメージを覆す素地づくりを!中学校社会科におけるミライシードの活用事例
社会科の授業で、地元から出土した遺物をまとめる活動にムーブノートを活用。写真を撮り、手書きで気づいたことを書き込んで共有。さらに次の授業では、感想や考えたことを共有した。表現の形が制限されないことや共有機能で仲間の興味関心をヒントに新しい視点を得られること が、生徒の学びの質向上に寄与している。ミライシードを使った協働学習を通して、子どもたちが歴史や社会とのつながりに対して当事者性を持てる素地を養えている。

 
浅見拓真先生(石川県公立中学校教諭)
テーマ:GIGAスクール構想に係る1人1台端末を活用した効果的な理科の授業実践
「学び合い」を重要視している私の授業は、与えられた課題に対して、答え合わせまでの全てを生徒同士の対話を通して完結できる展開に 重要項目の説明や検討材料にはScratch、生徒のアイデアの共有や言語化にはオクリンクを活用している。1人1つ用意されているという強みを持つICTを活用することで、授業に対する理解・定着度が高まることはアンケートや習熟度テストの結果で実際に証明済み 不慣れな人もできるところから活用を始めてほしい。

 
村山先生・輪湖先生・浅見先生とのクロストークでは、単元をまたいだ連続的なミライシードの使い方や、評価の仕方について、お伺いしました。

>>>中学校の部のアーカイブ動画は こちら から<<<

 
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参加された方からのお声の一部をご紹介します!
 
『実際の活用事例を具体的に画像・映像で示していただき、とても参考になりました。本校は(私自身も含め)まだまだ使いこなせていない状況ですが、「まずは使ってみる」勇気をもらいました』
 
『使うのに少し構えている部分がありました。2学期以降は難しく考えずに、まずは積極的に使うこと、使い方に慣れることを意識していきたいと思いました』
 
『夏休み中にこのような会があり、とてもいい機会となりました。職場ではなかなか聞けずにそのままにしていたり、何となく使っていました。何のために授業をしているか、何のために学習をするのか、という子どもたちのために、自分自身が学びを続けようと思いました。ありがとうございました』

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ベネッセでは、今後も「ICTをうまく授業に活用できていない…」「今自分が取り組んでいる以外の使い方にも挑戦したい!」といった様々なお悩みや課題を抱えている先生方に新しいアイデアをご提供できるウェビナーを開催してまいります。
次回は、2学期開始直後の9月6日(火)20:00より、 『夏休み明けに役立つ!活用法 共有会』 を予定しております。夏休み明けの授業でミライシードをより良く活用いただけるヒントをご紹介しますので、ぜひご参加ください!