7月度支援員セミナー「2学期からの活用に向けて!研究授業を支援する方法を学ぼう!」振り返りレポート
今年度は隔月で定期的に開催している「ICT支援員限定セミナー」。7月度は7月17日(木)にミライシードDXエデュケーターである東京都公立小学校の井上昌人先生から「2学期からの活用に向けて! 研究授業を支援する方法を学ぼう!」と題した講話をいただきました。
先生の講話の内容に加えて、参加いただいた皆様のアンケートから特に印象に残ったポイントを振り返ります。

◆特別講演 東京都杉並区立杉並第三小学校 井上昌人先生 「2学期からの活用に向けて! 研究授業を支援する方法を学ぼう!」
アーカイブ動画はこちらになります。
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■講話の概要
【研究授業とは】
・研究授業とは、子どもたちをどう育てるのかを授業を通して教員同士が学び合う場。
・校内だけで行うものも、区や市などの指定を受けて行うものもあるが、だいたいは数カ月前から計画して公開日に向けて授業を作っていく。
【ICT活用は「目的」ではなく「手段」】

・ICTは子どもたちの学びをよりよくするための手段。ICTを使うことで思考する時間を確保することができる。使うことが目的にならないように授業を設計することが大切。
・子どもの状況に応じて、授業で使うカードを調整している。吹きこぼれる子も、落ちこぼれる子もいないように、細かい配慮ができるのがICTのいいところ。
・オクリンクプラスで自分の考えをカード化すると、自分の考えを見るとともに、友達のカードを見ることにもなる。友達のカードを参考にして自分のカードを見直したり、更新したりできる。
・学習において「まねる」ことは大切なこと。友達のカードを見ていいなと思ったところはまねしてよいと伝えている。子どもたち同士が学び合い、自分の考えを見直したり、友達に「いいね」と伝えたりするのが自然になり、関わり合いが強くなっていく。
【ICT支援員へのオーダー】

・研究授業のとき、教員は授業をすることに集中していてあまり余裕がない。ICT支援員の方に端末のログイン設定補助はもちろん、パソコンのトラブル対応などに迅速な支援をしてもらえるととてもありがたい。
・授業の準備段階から、ICT支援員の方の多様なアイデアで様々な表現方法やカードの種類などを提供してもらえると、授業がよりよいものになる。
・教員だけでは知識が狭くなりがちなので、ICT支援員の支えがあってこそ挑戦ができる。子ども・教員・ICT支援員の三者連携でよりよい授業を目指していきたい。
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◆井上昌人先生×チーフICTサポータ平山との対談
Q1 ICT支援員の提案で役立ったエピソードはあるか? また、提案時期や内容について教えてほしい。
井上先生 単元が始まる前にICT支援員からカードの提案を受け、それを活用して単元を通して一貫した学習カードが使えて非常に役立った経験がある。単元開始後の修正は難しいため、単元が始まる前の段階で先生と会話しておくことが重要。また日頃から支援をすることで情報が得やすくなるため、日常的な関わりを大切にしておくとよい。
Q2 ICTを研究授業で活用するのはハードルがあるか? あまり得意でない先生への支援はどうするとよいか。
井上先生 普段あまり使っていない先生が研究授業でICT活用をするのは、やはりハードルが高い。どうしてもトラブルが多くなりがち。事前に模擬授業などを通して一緒に練習したりすると、先生たちが自信をもって研究授業に取り組めるようになる。
Q3 研究授業で先生が深めたいポイントは具体的に何か?
井上先生 子どもたちが主体的に学ぶこと。子どもたちが自分で選択し、考えを出すことがこれからの学習では必要となる。そのような学びを促進するためには、ICTツールでの支援が重要。ICT支援員から様々なカードの事例や考え方を提案してもらえると、先生たちがそれを参考に発展させることができる。
最後に井上先生からICT支援員のみなさんにぜひ伝えたいこととして、アップデート情報のこまめな共有についてお願いがありました。
学校現場の先生たちはアップデート情報をなかなかキャッチできていないことが多く、新しい機能を知らないこともあるそうです。研究授業に限らず、授業でのICT活用を進めていくためにも、アップデート情報はこまめに共有してもらえると非常に助かるとのことでした。
■参加された皆さまの感想
・先生方に支援員から働きかけるヒントをいただけた。
・普段研究授業のご支援はさせていただいているものの、お声掛けのタイミングに困ることがあるので、とても参考になった。
・日程が決まった時点で単元と何時間目の授業になるかがだいたい決まっていることが多いということや、先生が支援員に期待してくださっていることを知ることができたので、よかった。
◆企業団体コラボコンテンツ
教科書で学ぶ内容と実社会の課題をつなげ、子どもたちが“自分ごと”として捉え、探究できるように、企業・団体の取り組み活動を教材化しました。探究学習を通じて子どもたちが主体的に学び、社会で役立つ課題解決能力や共同的な学びの力を育むことを目的としています。


これは、一部の学校に限られていた企業との連携をより多くの学校で手軽に実現できるように、学習時期や教科に紐づけてコンテンツ化したものです。オクリンクプラスで使えるカードやワークシートとともに指導案も用意しているので、すぐに授業で活用できます。情報モラル教育など、旬のテーマに関するコンテンツも含まれています。子どもたちの学びを深める多様な学習機会を提供することができるので、ぜひ多くの先生方に使っていただきたいです。
➡ 企業・団体コラボコンテンツの詳細は コチラ!
その他、オクリンクプラスやドリルパークのアップデート情報、小中学校の活用実践事例、イベント情報など、2学期からの支援に役立ついろいろな情報が発信されました。
➡ 「オクリンクプラス」アップデート情報の詳細は コチラ!
➡ 「ドリルパーク」アップデート情報の詳細は コチラ!
■参加された皆さまの声
・研究授業のお話を初め、いくつもすぐに支援へ活かしたいことが定まりました。
・先生が支援員に要望する事がわかりよかった。また、支援員の方が文科省の事や教科内容に熟知しそれに応じた提案をしていらっしゃる事に勉強になった。
今回も盛りだくさんの内容でした。ご参加いただいたICT支援員の皆さま、ありがとうございました!
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次回、9月25日セミナーでは、「2学期の支援につながるヒントが見つかる!その悩み、みんなで考えよう!」のテーマで開催します。
ベネッセでは今後も、ICT支援員の方々に向けたセミナーや企画を実施してまいります。今回参加できなかったという方も、今後のご参加をお待ちしております!
