対話が生まれる書写の実践
クイズやゲームで交流しながら書き順の大切さを実感
津田先生から一言:
タブレットを使わない書写の授業は、ノートに字を書き、先生に丸をもらって終わりで、教師と子どものやり取りのみになりがちでした。もっと子どもたち同士の対話が生まれる授業がしたいと考え、提出BOXでお互いの成果物をすぐに共有し合えるオクリンクを活用しました。
活用場面・活用背景
子どもが自ら「正しい書き順で書こう!」と思える授業づくり
「書き順って大切?書ければいいのでは?」そんな気持ちを持っている子どももいると思います。なぜ書き順が大切なのか、子どもたち同士で対話をしながら実感することができる授業展開を考えました。
How to
書き順クイズでクラスみんなで回答を確認
新出漢字の練習の様子を見ていると、書き順どおりに書いていない子も見かけます。そこで、「書き順クイズをやってみよう!馬という漢字の書き順、正しく覚えているかな?1画目を赤で書いて、2画目以降を黒で書いてみよう」と問題を提示します。
子どもたちはマイボードをタップして出てくる白紙のカードに、1画目を赤で、2画目以降は黒で漢字を書いて提出BOXに提出します。
子どもたちの対話が生まれるよう、名前は表示して提出
電子黒板に提出BOXの一覧画面を映すと、「あれ?横からじゃなかったっけ?」「○○さん上手だね!」など、子どもたちから自然と対話が始まります。そうした対話の声を拾って、書き順の違いを確認していきます。
※提出BOXを子どもに公開することもできますが、今回はより対話が活性化するように、全員が顔をあげて一緒に電子黒板を見るようにしました。
同じように書き順クイズを2~3問行います。すると、子どもたちから「ちゃんと書き順覚えられてなかったな」「でもさ、書き順どおりじゃなくても書ければいいじゃん」などと感想や意見が聞こえてきます。
バラバラ書き順ゲームで書き順の大切さを実感
じゃあ変な書き順で書いてみよう!と、「バラバラ書き順ゲーム」を行うことでうまく書けない、書きづらいことを子どもたち自身が実感できるようにします。
問題にする漢字の画数分のくじを準備して、クラスの代表者がくじを引き、引いたくじの書き順で全員で1画ずつ書いていきます。また、その過程はライブモニタリング機能を使って、全員で確認しながら進めていきます。
「今書くのはこの線だよね?」「書きづらいね!」「変な形になっちゃう!」など、ここでも自然と子どもたちの対話が生まれます。
何画目を書くか、1回ずつくじ引きで決定
バラバラ書き順ゲームをライブモニタリングしている様子
最後に、正しい書き順で漢字を書いてみます。
バラバラで書いたときと比較してどうか?子どもたちに問いかけ話し合いながら、正しい書き順だと書きやすく、よりきれいに書けるということを実感できるようにします。
これらの活動を通じて、子どもたちは「正しい書き順を練習しよう」「もっと上手に書きたい」という気持ちが高まります。そこで、残った時間や宿題で、ノートやドリルパークで練習をできるようにしていきます。
取り組みの結果
練習を主体的に行うようになる
「字がきれいに書けているね」とほめられたり、正しい書き順で書いている友達の字が整っていることに気づいたりするなど、子どもたち同士の交流を通して、漢字練習に積極的に取り組もうとする子どもが増えました。
また、お手本と自分の字を見比べるだけでなく、教師と子どもの1対1ではなく、子ども同士でお互いの字を見合うことで、漢字を正しく書くポイントにより多く気づくことができます。そして、ほかの漢字を習得する際にも、書くときのポイントに自ら気づき、意識して書こうとする子どもが増えたと感じます。