イオンモデルで説明しよう
浅見先生から一言:
簡単な準備で、生徒全員が主体的に授業に参加しながら粒子概念の理解を深められる方法をご紹介します。
活用場面・活用背景
イオンモデルを使って、自分の言葉で説明する
「全員が自分の説明を聞いて、イオンモデルを理解することができる」ということを目標に、目に見えないがゆえに理解しにくい粒子概念を、一人一人が自分の言葉で説明する活動を考えました。
How to
口頭説明した後に、その内容を資料にまとめる
デジタル教材を動かしながら、現象について説明する
教員はScratch※で作成した、それぞれの粒子のパーツを自由に動かすことができるイオンモデルのデータを生徒に共有します。
生徒は端末上で実際にパーツを動かしながら、化学変化の現象(電池のしくみ・中和と塩など)がどのように起こるのか、周りの生徒に口頭で説明します。
端末を見せながら説明する生徒の様子
※Scratchは、MITメディア・ラボのライフロング・キンダーガーテン・グループの協力により、Scratch財団が進めているプロジェクトです。https://scratch.mit.edu から自由に入手できます。
本事例にて、浅見先生が実際に作成したScratchのイオンモデルは、下記からお使いいただけます。
塩化銅水溶液の電気分解/塩酸の電気分解/銀樹/ボルタ電池(塩酸)/ボルタ電池(硫酸)/ダニエル電池/塩酸と水酸化ナトリウムの中和/硫酸と水酸化バリウムの中和
説明した内容を図と言葉を使って資料にまとめる
教員はScratchで使ったものと同じイオンや電子の画像をオクリンクのカードに貼り付け、生徒に送ります。
生徒はカード上で画像を動かし、説明を書き込んで説明資料を完成させます。
提出BOX上でお互いの説明資料を見て学び合う
カードが作成できたら提出BOXに提出し、他の生徒が提出したカードを見合いながら、さらに理解を深めていきます。
取り組みの結果
テストで生徒の理解度の向上が証明された
教員の説明を聞くだけでなく、互いに学び合いながら口頭で説明したり資料を作ったりすることで、分かりにくい粒子概念についての理解を深めることができました。その結果、この『学び合い』を取り入れたクラスは他のクラスと比較して、定期テストのイオンについての問題における正答率が約10%高くなり、明らかに理解度が高まったことが分かりました。