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オクリンクプラス

個々の考えを見える化し、その奥にある心情を語り合う

「きまりになやむ心」

神奈川県相模原市立旭小学校 田屋裕貴先生

田屋先生から一言:
選択肢回答やピン表示など、自分の意思を見える化するだけで語り合いに繋がります。教師から「〇〇の気持ちは…?」などと問うことなく、選んだ選択肢やピンの位置をもとに、自己の考え方や理由を自然と語れる学習へと転換できると思います。

活用場面・活用背景
「きまり」に対して自分の考えを持つ

動画素材も用いながら、きまりは守るものという前提はありながらも、今後の生活の中でどのように「きまり」に向き合っていくべきか、を個々人が考える授業です。きまりに対する考えを可視化するために、オクリンクプラスの選択肢集計やテキスト、ピン集計などを活用しました。


How to
対話を通して考えを深める

1.
オクリンクプラスのカードを「マイボード」に配付。
決まりや約束を破った経験があるかどうか(選択)、身近な決まりやルールとしてどんなものがあるかを書き出し「みんなのボード」に提出する



2.
選択肢集計を行い、決まりや約束を破ったことがある人、そうでない人がどれくらいクラスにいるのかを確認。次にテキスト集計を行い身近な決まりを洗い出しながら「破ったことがあるか」を発言してもらう。決まりは守るものという認識と、守っている率が低いこととのズレに気づかせ、そこから問いを立てる。

3.
動画素材を視聴(おくれてきた客 | ココロ部! | NHK for School)。美術館の警備員が閉館後にやってきたお客さんを美術館に入れてあげるかどうかを警備員の立場になり考える。「入れてあげる」「入れない」という対立する軸が書かれたカードを配付し、ピンを押下し考えを個々人が表す。軸上にピンを押すため、曖昧な気持ちも表現しやすい。また、その場所にピンを押した理由を書いて提出する。



4.
全員のカードが集まったらピン集計を行い、クラス全員の気持ちを可視化。数名にピンを置いた場所、その理由を発表してもらう。様々な考え方があること、それには正解がないことに子どもたち自身が気づき、これからの生活の中で、決まりをどう考えていくのかを子どもたち同士で話し合う。最後に「ふりかえり」をカードにまとめ提出する。


取り組みの結果

 心情には繊細な部分が多く、二項対立でも、微妙なニュアンスの違いがあります。同じ「入れてあげる」でも、100%もいれば10%くらいの児童もいます。それらの意見を交わし合うということは、つまり二択で聞いていながらも、自然と「あなたはどう考えますか」というオープンな問いに対する考えが交わされるようになります。オクプラのカードを活用して対話材料にしながら、児童の滑らかな対話が進められました。学習後には、 「自分と相手の心を大切にしながら、優先具合や状況から判断する。」 「そもそも【きまり】に心を入れてしまうから悩む。きまりはきまりと割り切る。」 「相手や自分、関係する人の幸せ具合が高い選択をしていくべき。」 などといった、深く考えられたふりかえりが見られました。




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