他者のカードと対話をヒントに個人学習を深化
金谷先生から一言:
個人の学びを深化できるように、「提出BOX」を用いて他者参照を行いました。また、班で相談しやすい状態を作ることで対話が活発化し問いに迫ることができました。 子どもたちが考えを深めるために必要な情報を選んで使ってくれていました。 オクリンクプラスを使うことで、会話も深まりもある授業になりました。
活用場面・活用背景
「マイボード」⇔「提出BOX」のスムーズな行き来で個の学びを改善
授業テーマは、何度も登場する旋律に作者が託した思いを考える。「みんなのボード」はカードの提出が増えるほど情報過多になったり、前時のフィードバックが見えなかったり、他人のカードに加筆できてしまうため、(その生徒だけの)カードにしにくいなどの問題点がありました。そこで他者参照をよりしやすくし、加筆の心配をなくすために「提出BOX」を利用することにしました。
How to
「マイボード(個人学習)⇔提出BOX&班活動(協働・対話)」で気づきを得ながら推測していく
【導入として問いを投げかける】
前時で学んだ、ブルダバ(モルダウ)のタイトルがなぜ併記になっているのか、作曲者があえて同じ旋律を3か所で使っていたことなどを振り返りとして整理。そのうえで、「あえて同じ旋律を3回使ったのはなぜか推測しよう」と問いを投げかける。

【ヒントと対話からアウトプット】
先生からカードを配付。ヒントとして、教科書や資料集(音楽の授業用冊子)オクリンクプラスで配付した資料カード、また、ほかの子の提出内容やフィードバック内容を見ながら考えてOKと伝える。ヒントを見たり周りと相談したりしながら、マイボードで個人カードに記入する。
先生は教室を回りながら、子どもたちに、もう一歩考えを深められるような視点や、ほかの子に質問してみることを促しながら巡回。
【カードを一度提出させ再検討】
一度、途中段階でも「提出BOX」に提出させる。15分間で「ほかの人が出したカードについて、自分にない考えや視点がないか見てみよう。その気づきをもとに自分のカードをブラッシュアップしてみよう」と促す。
最終の成果物として「提出BOX」に提出するとともに、振り返りカードに自己評価とできたこと・感じたことを記入。継続的に同様の自己評価をさせることで、授業後その変化を確認できる。

取り組みの結果
途中の他者カード参照で最終アウトプットが充実
全員が学びに真剣で、目の前の問いに対し向き合う会話が生まれました。あまりほかの子と話すのが得意ではない生徒も、「提出BOX」内にあるほかの子のカードを参照することで、他者の意見を取り入れやすくなります。また、前時の学習内容について、「提出BOX」に先生からのフィードバックが書かれたカードをおくことで、フィードバックをクラス全員の学び・本時のヒントとして使えるように。ICTと場の両軸で、協働・対話の実現ができているように感じました。