子どもたち自身で学習を進めていく力がアップ
大阪府のことを紹介しよう
貝原先先生から一言:
ICTサポータさんに提案し ていただき、初めてR-PDCAのアンケートを実施しました。子どもたちの声、実態が数値化されて見えるため、教員の気づきが増えたことはもちろんですが、教員が授業方法を変えることで子どもたちの学習する力が大きく伸びたことに効果を実感しました。
活用場面・活用背景
子どもたちの自己認識を確認し、力を伸ばす
目標設定や課題解決能力など、子どもたちの自己認識がどれくらい取れているのか教員の感じている課題と子どもたちの感じている課題のギャップをを知りたかったため、測りたい質問項目が一致しているかつ数値化されているR-PDCAを活用しました。
How to
アンケートで見えたつけたい力を明確にした単元構成で、子ども自身で課題の設定・解決ができるように
遠隔授業の直前と中間、遠隔授業終了後の3回で、子どもたちにR-PDCAでアンケートを実施。遠隔授業実施前の結果を見て低かった「目標決定力」「自己表現力」「理由をつける力」に関して重点的に課題を設定して取り組みました。
1点目、「目標決定力」については、子どもたちが自分で単元内の課題を決められるよう意識しました。教科書の使い方は、1学期に指導済みだったため、国語では自分で選んだ課題を解決していく授業の流れにすることができました。社会科との学習とも関連し、子どもたちにとって親しみやすい「大阪府」を題材として取り上げ、評価規準(ルーブリック)を見ながら、子どもたち自身で取り組みを進めました。
【学習計画】オンライン授業(国語)の評価規準(ルーブリック)
2点目の課題は「自己表現力」。普段から自分が考えていることや、やりたいと思っていることを表現するのが苦手な子が多かったので、今回は自由に表現してもらうことを意識しました。書き方は指定せずに、子どもが自由に調べたことや考えたことをスライドに入れていくという方法で実施しました。
3点目の課題は「理由をつける力」。国語の授業の初めに100文字くらいの作文を書くことを習慣化。子どもたちが取り組みやすいようなお題を決めて、文章の書き方も細かく条件を提示することでスムーズに文章を書くことができるようになってきました。
この3つの力に関して、遠隔授業の開始前と後で、大きく数値が変化しました。特に、「自己表現力」は0.4ポイントもアップ。元々苦手な子が多かった分野で、ここまで力を伸ばせたのは子どもたちが自由にスライドで表現し始めたことと、教員がルーブリックを作り始めたからだと思います。
子どもたちの課題として捉えていた3つの力が遠隔授業の後には数値アップ
遠隔授業全体の振り返りは、オクリンクで実施。オンライン交流の事前準備や交流本番で気をつけたこと、自分にどんな力がついたのか、など、文章でカードに入力してもらいました。振り返りの文量が多い子どもたちも多くいて、前向きに取り組んでくれていたことがとてもよくわかりました。
オクリンクでの振り返りカード
取り組みの結果
子どもたちが自分自身で学習を進めていく力の向上
アンケートを実施することで子どもたちの課題が明確になり、ルーブリックを作成することができました。子どもたちへの声かけの方法もアンケートからヒントを得ています。 課題があってこその計画。R-PDCAの“R(=Research)”が重要であると気づいたことで、子どもたちの課題に教員だけではなく子ども自身も向き合うことができています。オンライン交流のおかげで3学期の授業はルーブリックを渡すと、子どもたちが自ら課題を見つけ、教科書を自分で読みながら授業を進められるようになりました。R-PDCAを使うことで教員自身の振り返りだけではなく、子どもたちは自分で学習していく力を伸ばしています。