ムーブノートを用いたDC教育の実践
ヘイトスピーチにどう対応するか
白山市立笠間中学校 浅見拓真先生
浅見先生から一言:
ICTサポーターさんの知見をお借りしながら授業を組み立てていきました。デジタル・シティズンシップ(以下DC)はこの時代に生きるすべての人にとって必要なスキルなので、教員自身も生徒と一緒に学ぶ姿勢で取り組むと為になると思います。
ICTサポーターから一言:
ここまで生徒たちが自分の考えを表現してくれている様子を初めて見ることができ、今後の生徒たちに役立つ授業が実施できたのではないかと思います。今回の教材に向き合う生徒たちの姿を見ることで、行動に生かせる力があると感じました。
活用場面・活用背景
ヘイトスピーチに直面した場合を想定して
「ヘイトスピーチ」は、難しいながらも生徒がこの先直面しうるありふれたテーマであると考え、DC教育の一環として実践しました。
How to
「個人思考→意見の共有」を繰り返しながら、考えの幅を広げていく
今回の授業ではムーブノート上で3つのタブを作成し、それぞれの事例別に使い分けをします。
【タブ1:ヘイトスピーチ規制について】
生徒はヘイトスピーチ規制に関する賛成する理由/反対する理由それぞれを個人で考えます。ムーブノートのカードに入力したら広場に提出し、共有されたクラスメイトのアイデアを確認します。
【タブ2:SNS上で発生した事例について】
次に、「SNS上で差別的な意見に同意しているような行為をした大学生が入学を取り消された」という事例について、生徒それぞれが大学側の意見に同意できるか否かをカード上で選択し、理由を入力した上で広場に提出します。
広場では、教員が選択集計機能を使ってどちらの意見が多いのか集計し、それぞれの立場から代表的な意見を取り上げ共有します。
【タブ3:ヘイトスピーチへの対処法について】
最後はグループ活動です。ヘイトスピーチにどう対応するべきかをグループ内で意見交換し、代表者がカードに記入し広場に提出します。意見を共有することで、生徒は他のグループの意見を参考にしながら、ヘイトスピーチへの対応について考えを広げることができます。
取り組みの結果
視野を広げた上で考えを表現することができた
ムーブノートでタイムリーにお互いの思考を共有し合うことで生徒たちの思考の幅が広がり、その成長が表現に反映されているように感じました。また、表現する場を提供することで生徒たちの意思やアイデアを垣間見ることができ、教員にとっても新たな発見につながる良い機会になりました。