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事例共有セミナー

8月1日開催 ミライシードFestival 夏の事例大共有会 <小学校の部>

「夏の事例大共有会」 を開催いたしました。

このページでは、計8名の小学校の先生とICTサポータにご登壇いただき、 意見交流を深めるミライシードの活用法や、研究授業での実践・効果 を発信した <小学校の部> のアーカイブ動画とイベントレポートを掲載しております。

学年に関係なく応用できる事例ばかりですので、
「夏休み明け、もっと児童主体の授業をしたい」
「児童 の成長につながるよう、効果的にICTを使いたい
と思っていらっしゃる先生方、ぜひご視聴ください!

イベントレポート

■事例共有(小学校の部)
GIGA構想スタートから3年目、ICTは「単に使う」から「効果を出す活用」に変化しています。
今回は、子どもたちと先生ご自身、授業や学校の変化を中心に、しっかりと目的を見据えた具体的な方法に踏み込んでご発表いただきました。
 
<小学校事例1>
田野健先生(石川県金沢市立鞍月小学校)
テーマ:子どもたちの疑問で学び合う日本の農業
昨年までは「話し合い」に力を入れていらっしゃった田野先生。ほかの先生方との交流によって、今年度は「学び合い」に力を入れていらっしゃいます。今回の事例では オクリンクを使い、授業前半で子どもたちが情報の整理と課題解決の見通しを素早く的確にできるようになり、焦点を当てたい後半の学び合いに時間をかけられる ようになった方法をご紹介いただきました。
 
<小学校事例2>
吉田沙也加先生(熊本県宇城市立豊野小学校)
テーマ:日常生活に活きるかけ算の実践
吉田先生は、かけ算の単元で人気アニメのフレーズや子どもたちに親しみがあるキャラクターを起用したり、身の回りからかけ算になる場面を子ども自身が探し出し写真と言葉の一覧にしたりするなど、子どもたちが継続的に楽しみながら取り組める工夫をされていました。校内アンケートでは、 自分で考えて表現した、理解が深まったと認識している児童が増加。ワクワクを追求した実践の成果 も出ています。
 
■クロストーク
2~3事例ご発表いただくごとにクロストークを行いました。ご参加の先生方からいただいた質問にリアルタイムで回答する、ライブならではのやり取りが生まれました。
 
ICTの使い始めの質問に対し、田野先生は「子どもたちは楽しくて違うことをやり始めるかもしれないが、叱ると嫌になってしまうので少しは黙認する」など、最初からはうまくいかないことを前提にチャレンジしていただきたいとおっしゃっていました。
毎日使うコツについて、吉田先生は「思いつきで、今、子どもたちのノートを共有したいと思ったらすぐ開く」など、あまり気負いすぎないことを伝えてくださいました。

<小学校事例3>
岩本紅葉先生 (東京都新宿区立富久小学校)
テーマ:図画工作におけるICTの普段使い
岩本先生には、オクリンク・ムーブノートそれぞれについて、図工の活動がスムーズに進行し鑑賞での認め合いができる方法を教えていただきました。鑑賞も 2次元コードで読み取り、スタンプの集計機能でグループづくり、3Dメガネをかけて鑑賞など、 驚くようなICTを活用した取り組みでありつつ、児童への愛情が感じられるご実践 をご紹介いただきました。
 
<小学校事例4>
彦坂知道先生(新潟県長岡市立表町小学校)
テーマ:自分で考えクラスで学び合う「てこ」の実践
全員参加型の授業をめざし、 ブレーンストーミング、考えの可視化、共有化、話し合いなど、目的に合わせた使い方 をご紹介していただいた彦坂先生。一覧で個々人の考えがわかるので、グループで教え合ったり認め合ったりと、子どもたちの姿勢に大きな変化がありました。児童に「自分は授業の傍観者ではなく参加者である」という意識が芽生えたことで、 アセスメントにおける思考力が伸びているそうです。
 
■クロストーク
全員参加の第一歩について彦坂先生は、出せない人はダメではなく、出している人が助けるようにしていること、予想でもいいと選択肢を与えていらっしゃるということです。
岩本先生は、大人数の活動について、全学年で鑑賞する際は、人数を絞り、ほかの先生を巻き込むなどの工夫をされているそうです。さらには、他の学校とつながることができるので、ぜひ一緒にやりましょうという力強いメッセージもいただきました。
 
小学校 事例5>
北出由美子(ベネッセICTサポータ)
テーマ:授業準備を効率化させるICT活用法
今年度よりミライシードで「共有コード」を発行することができるようになり、学校内だけではなく地域で共有するなど、 教材を共同で効率的に作成、共有できる ようになりました。また授業改善の面でも、全員参加型授業がサイクルで回るよう、 目指す姿から計画を立てるR-PDCAの活用を広めていきたい、 との発信を行いました。
 
小学校 事例6>
高橋蔵匡先生(東京都練馬区立石神井台小学校)
テーマ:子どもがチャレンジを楽しめる国語の実践
カードを並べ替え文構造を学ぶ場面で、難易度を3種類用意したり、時間内ならほかの子どものカードを見て何度でも修正できるようにしている高橋先生。最初は 受動的だった子どもたちが、「とりあえずやってみよう」とチャレンジするように なり、異なる立場の意見を聞いて抽象化・概念化して 捉えるといった自身の成長も感じられているそうです。
 
小学校 事例7>
水谷智明先生・西村知夏先生(京都府八幡市立中央小学校)
テーマ:子どもたちがタブレットを使う楽しさを感じ、主体性・対話性を刺激する教育教材
お二人の学校では、教科の本質・特質に合った学力がつく質の高いタブレットの使い方が課題でした。
水谷先生は、子どもたち自身が理想の時間割をつくる、というテーマ設定によって、より書きたいという意欲を上げながら、「個人→ペア→個人→全体」と座学にとどまらない文章の推敲をする授業をご紹介いただきました。 子どもたちが自ら動く仕組みで主体的・対話的な学びを実現 されています。
西村先生は、2年の算数の繰り上がりのある筆算で、図を動かすだけで数の見方が視覚的にわかるシートを作成。動画をみて何度でも学び直し可能にしたり、タブレットを持ち歩いて子ども同士で仲間分けしたりと、ICTはツールとして 教科の特質をしっかりとらえることで「今までの授業よりわかりやすい」と子どもたちからも大好評 のようです。
 
■クロストーク
水谷先生と西村先生は、ICTの導入について「通常の教材研究のなかで、タブレットを入れた方がプラスになる場面で少しずつ入れることから始めると良い」とアドバイスをくださりました。
 
支援員とのコミュニケーション不足については、夏休みの少し時間がある際に、2学期の授業計画を一緒に考えたり、ICTの基本的な操作についてなど、職員室でお気軽に声をかけていただきたい、との発信を行いました。

日時
8月1日に開催した「ミライシードFestival 夏の事例大共有会」のアーカイブ動画とイベントレポートになります。