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いっしょに伸ばそう!ミライの芽/第17回 年度末の成績づけは、計画的に進めよう

今年度の授業も残り30日程度になりました。年度末が見えてきましたね。
いかがお過ごしですか?

2・3月は、卒業式や六年生を送る会の準備、学年末のまとめ、また学校によっては学習発表会や研究発表を行う場合もあり、何かとあわただしいのではないでしょうか。さらにこれからは年度末に向けて、成績づけや来年度の計画の起案などで忙しくなることと思います。
 
年度末の成績づけは1年の中でももっとも大変な仕事の一つだと感じているかたも多いかと思います。子どもたち一人ひとりについて1年を振り返り、所感をていねいに書いていくのはとても時間のかかる作業です。
成績づけをスムーズに進められるかどうか、そのポイントは「計画的に行うこと」にあります。
忙しい中ではありますが、今から計画的に成績づけの準備をする時間を確保できるよう時間の使い方を工夫することで、年度末までの大変な時期を乗り切ることができるようになります。
 
そのための時間管理のコツは、ずばり「逆算」です。
・まずは、残りのテストが何枚あるか数えてみましょう。
・そのテストをいつまでに終わらせるか仮の日にちを決めましょう。
・そのために、各教科の単元を何時間で終わらせるかも考えましょう。
これらを考えると、「すべてのテストが終わる日」の見通しがつきます。
 
次に、
・テストが終わった日から、評定を出して指導要録の記入を終えるまでに何日かかるか考えましょう。
・通知表に転記するのに何日かかるか考えましょう。
 
以上のような手順で、通知表を仕上げるまでのスケジュールを考えていきます。計画できそうでしょうか?

もちろん計画を立ててもその通りにいかないことがあるのは当然です。予備の時間も計画に入れておきましょう。とはいえ予備の時間はなるべく使わないという心持ちで、計画より1日早く終わらせるくらいのつもりで取り組むとよいでしょう。
 
ある程度のスパンでの計画を立てておくと、「今日はどこまでやるべきか」がはっきりします。
日々、その日にやるべきことを終わらせていきましょう
毎日の仕事についても、「何時に帰るか」を決めて逆算し、1日の時間をどのように使うか考えて進めます。
無理して遅くまで残ってやるのはおすすめできません。体調をくずしてしまったら、逆に計画が大きくくずれてしまいます。
突然予定外の仕事が入ることもあるでしょう。むしろ、それが日常茶飯事かもしれません。ある程度想定しておきつつ、できないときは「できません」と言うことも大事です。
計画を味方につけ、日々何をするべきか考えながら乗り切っていきましょう
 
成績づけをスムーズに行うもう一つのコツは、テストが終わったらすぐ評定を出せるようにしておくことです。
成績は、テストの点数だけでは評価できないことが多いですよね。日々の授業での発言やアイデア、振り返りとして書いたものなどを見て、総合的に評価していると思います。
こうした日々の子どもたちの様子をあらかじめ振り返っておけば、テストが終わってすぐに評定に取りかかることができます。
子どもたちの様子は日ごろから気にかけて見ておき、いいところを日々メモして蓄積していくとよいでしょう。メモが書けていないなと思った子がいたら、気をつけて見るようにしておけば、全員分の所見がいつの間にかできあがっています
また、ミライシードにたまっているカードなどを見直すだけでも、評定や所見記入が短時間でできるようになります
これについては、また次回のコラムでお伝えしたいと思います。
 
年度末の忙しい時期を、工夫して何とか乗り切っていきましょう。
応援しています!

【執筆者プロフィール】

庄子寛之
元・東京都公立小学校 指導教諭
現・ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター 研究員