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いっしょに伸ばそう!ミライの芽/第2回 なんだか最近クラスが騒がしいなと思ったら

こんにちは。

6月が始まったと思ったらあっという間に中盤にさしかかりました。 
5月末に運動会があった学校も多いのではないかと思います。
  
4月、5月はなんとなく「ぴしっ」としていた子がなんだかだらだら。
「静かにして」 
「⚪︎⚪︎さん、前を向きましょう」
「⚪︎⚪︎さん、それはやってはいけないって言っているでしょ?」
よく考えてみたら、こんな発言も多くなっているなんてことはないでしょうか?
  
来年の3月まではまだまだ長いです。
まだ4月から2ヶ月しか経っていないからこそ、ここでちゃんとできることはしっかりやっていきましょう。
 

そんな自分も叱ってばかりだった過去

  
にこにこしながら待っていても、いっこうに静かにならない。
待ってばかりいると、ちゃんとしている子の時間がもったいない。
だからこそ、どんどんきつく注意してしまう。
 
そんなことはないでしょうか?
  
私は若いころもっともっと厳しく指導していました。 
「なんで言っているのに、やらないんだ!」 
と正論ばかり話していた教師でした。
  
力でなんとかなる学級経営は、毎年難しくなってきています。
私もだんだん難しくなっていきました。
強く言っても静かにならない。
 
その結果、クラスの子どもが言うことを聞かなくなって3月を迎えたこともありました。
今思うととても反省しています。
  
「なんで言ってもわからないんだ」
「このクラスは最悪だな」
「あの子がいるから、学級がまとまらない」
  
うまくいかないと、教師である自分の頭の中にもこんな言葉が浮かんできます。
  
ここで大切なことは、
クラスの子どもたちを「集団」として見ずに
「1人ひとり」として見ることです。
  
例えばクラスが騒がしいとしましょう。
若いころの私なら「このクラスは騒がしい」と思うでしょう。
そして大きな声を出していました。
でもよく見てください。
全員が騒がしいのでしょうか?
 
違いますね。
 
その騒がしいクラスの中で、騒がしくしている子どもは半分もいません。
大半の子が、教師であるあなたの話をしっかりと聞いているのです。
  
それなのに教師である若いころの私は、「全員が騒がしい」と思い込んでしまっていました。
ここが大きな問題なのです。
  
騒がしい時は、「静かにして」「うるさい!」という声かけではなく、
「⚪︎⚪︎さんは静かに学習していて素晴らしいね」
「⚪︎⚪︎さんが隣の人のお手伝いしていていいね」 など、
プラスのことに目を向けて言葉を発しましょう。
   
そんな子がいないから困っているという方もいらっしゃるかもしれません。
 
本当ですか?
 
あなたのクラスが30人だとしたら、全員があなたの言うことを聞いていないのでしょうか?
 
そんなことはありません。
 
教師であるあなたのことをしっかり見てくれている子が必ずいます。
それを見つけられるあなたでいてください。
  
そして、騒がしくしている子も、見捨ててはいけません。
何かがあって騒がしくしているだけなのです。
 
大事なことは「どんなことがあっても味方でいる」ということ。
端的に言えば、愛するということです。
 
昨日のその子と比較して、できていることは積極的に伝える。
それも笑顔で伝える。
その結果、その子の心にも響いてくるはずです。
  
ミライシードを使うと、こんなふうに個の様子を知ることができます。
 
たとえば「カルテ」の機能。
 
ドリルパークの正答率や学習量だけでなく、
オクリンクやムーブノートでどんなカードを作成したのか、
一人ひとりの軌跡を確認することができます。
意見や感想が前よりもしっかりとした量で書けるようになっている、
理由をきちんと加えられている、などたくさんの気づきがあるはずです。
 
学級を「集団」として見るのではなく、「個」として見る。
 
意識していただけたら嬉しいです。
 
 
梅雨の時期ですね。
先生方のお疲れも溜まってくるところだと思います。
 
あと1ヶ月とちょっとで夏休み。
楽しいことを考えながら、あと少し乗り切っていきましょう!
 

【執筆者プロフィール】

庄子寛之
元・東京都公立小学校 指導教諭
現・ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター 研究員

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