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2月度支援員セミナー「ICT支援員だから知っておきたい! 自由進度学習のAtoZ」振り返りレポート

毎月定期的に開催している「ICT支援員限定セミナー」。2月度は2月20日(木)に札幌市の公立小学校の難波駿先生から「ICT支援員だから知っておきたい! 自由進度学習のAtoZ」と題した講話をいただきました。

先生の講話の内容に加えて、参加いただいた皆様のアンケートから特に印象に残ったポイントを振り返ります。


◆特別講演
「ICT支援員だから知っておきたい! 自由進度学習のAtoZ」

■講話の概要
自由進度学習に関する著書も出されている難波先生から、具体例も交えながら抑えておくべきポイントを分かりやすくお話しいただきました。



1.自由進度学習とは
「子どもが自分の習熟度に合わせて自分のペースで学べる」のが自由進度学習です。単元のすべてが自由進度学習になるわけではなく、土台となる部分は共に学んだうえで、より先に進みたい子は発展的な学習へ、じっくり理解したい子は理解習熟を深める学習へなど、学び直したり、戻ったり、先に進んだりする学習スタイルを自分で選んで学んでいきます。

2.自由進度学習が広まってきた背景
・ICTが学校に入ってきた
  →教師以外にも知識を得るためのツールが子どもたちの手元にある。
・教師が厳しく指導することができない時代になった
  →自分で自分を教育することが必要になっている。
・一斉指導は中間層に合わせて指導せざるを得ない
  →簡単すぎる、あるいは難しすぎる子どもたちが置き去りに・・・。
・倍速再生やスキップなど、自分なりの視聴スピードに慣れている
  →「みんなで一緒に」の足場がとても悪くなっている。
・生涯「学び続ける」時代になった
  →子どもを「主体的に学び続ける人」として育てる必要がある。

授業を自由進度学習に切り替えるべきと言いたいわけではありません。自由進度学習は特別な方法ではなく、子ども自身が中心者となって学習の計画を立て、見通しをもったり振り返ったりしながら学ぶという一つの方法にすぎません。「何を学ぶか」だけではなくて、「何ができるようになるか」「どのように学ぶか」ということを意識することができる自由進度学習を子どもたちの学びの一つの選択肢として考えてもらいたいのです。




3.ICTと自由進度学習の関連性
子どもたちは一人ひとりが多様で、つまり学び方も多様です。そんな子どもたちを誰一人取り残すことなく公正に個別最適化を目指すためには、ICTを活用することが効果的です。これは文科省のGIGAスクール構想が目指す姿とも重なります。




ただし、学級で数十人が一緒に学習するからには、授業を「より協働的に・より対話的に・より蓄積的に」するためにICTが活用されるべきです。視力がよくない子がメガネをかけたらよく見えるようになるのと同じように、ICTを使うことでみんなと協働的な学習ができるというようになってもらいたいです。

学校現場の先生方の中には、ICTに苦手意識をもっている方も大勢います。でも、どの先生も「こんなことをやりたい」と思っていることはあるはずなので、ICT支援員のみなさんにはぜひ「ICTを使えばできますよ」という視点で寄り添っていただけると嬉しいです。信頼関係を結んだうえでの様々な提案で、授業がやりやすくなったり、子どもたちの学びが加速したり、きっと豊かな学びが生まれると思います。




■参加された皆様の感想
・自由進度学習のポイントとICTの活用の意義を改めて学ぶことができた。
・先生のお話をきいてICT活用と個別最適な学びのサポートがかけ離れたも のではないとわかった。
・現場で働く先生のお話がとても分かりやすく、先生から見たICT支援員や ICT機器に対するお気持ちも聞けたのはとても嬉しかった。

◆チーフICTサポータ平山との対談とQ&Aタイム
自由進度学習が向いている学級の特徴や評価に関する話とともに、当日寄せられた現場ならではの質問にも端的に答えていただきました。
参加されたICT支援員の方からは、「先生のお立場からのアドバイスが大変参考になった」「自由進度学習の意味や意義がよくわかった。今後の支援の際に一歩踏み込んでお話しできると思った」「お手伝いの際に協働的な学びを取り入れる意義を絡めてお話ししていきたい」などの感想が寄せられました。

このほかに、現場の声を受けてアップデートされたオクリンクプラスの内容紹介や年度末のPC整理計画のための役立ち情報、先生やICT支援員向けセミナーの案内など、盛り沢山の内容でした。
ご参加いただいたICT支援員の皆さま、ありがとうございました!

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次回4月24日(木)セミナーでは、「年度初めのICT支援を考えよう!」をテーマに新年度の学校状況を踏まえた支援のポイントをお伝えします。

※申込ページ:【ICT支援員】ミライシード研修セミナー

ベネッセでは今後も、ICT支援員の方々に向けたセミナーや企画を実施してまいります。今回参加できなかったという方も、今後のご参加をお待ちしております!