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レポート

1学期バズった!スベった!実践持ち寄り会
~第2回関東エリアコミュニティ実施レポート~

本年度から発足した関東エリアコミュニティ。7月24日(水)に第二回が開催されました!テーマは「1学期バズった!スベった!実践持ち寄り会」。4月から夏休みまでの、うまくいった実践はもちろん「ちょっと失敗したなー」という実践も共有することで、夏休み明けに試したくなる授業のヒントが複数見つかる機会となりました。

【イベントレポート】
前回に引き続き、コミュニティマネージャーである練馬区立北町小学校の青木秀夫先生、茨城町立明光中学校の福住里絵先生の自己紹介からスタート。お二人の和やかな司会進行から会が始まり、ご参加いただいた先生方にも自己紹介をいただきました。 その後、2チームに分かれて1学期に取り組まれた「バズった!スベった!実践」の持ち寄り共有を行いました。福住先生、青木先生、安里先生の3名の先生を中心に数々の成功事例と失敗事例をご発表いただき、「わたしの学校でも同じような取り組みをして子どもたちにも好評でした!」「私も以前同じような失敗経験あります…」「夏休み明けに取り組みたい!」など、たくさんの共感のお声があがりました。このレポートでは、ご共有いただいた事例の一部をご紹介させていただきます。

■東京都板橋区 北野小学校 山岸 祐二先生
板橋区山岸先生からご紹介いただいた「バズった!実践」は、5年生理科、メダカの卵の観察をする授業でオクリンクを使った取り組みです。オクリンクを活用することで、観察の授業に対話が生まれ、気づきや学びをより深めることができた事例としてご共有でした。

授業ではまず、観察のために用意したタブレット顕微鏡(タブレットのカメラにつけるマクロレンズ)でメダカの卵の写真や動画を撮影。次に、その写真や動画をオクリンクのカードに貼りつけ、グループ内で共有します。児童は、その共有された動画や写真を見ながら観察を行い、「このメダカの卵は産み落とされて何日目か」について考察し、気づきや学びをカードにまとめて、発表し合います。

ICT導入以前の顕微鏡を利用した授業では、1人ずつ顕微鏡をのぞいて観察をするため、個人学習中心の授業になることが一般的でした。児童の観察するタイミングによって見えている部分が異なったり、動いた瞬間は一部の児童しか見られなかったりするため、児童によって気づけることに差がでることや、子ども同士の相互的な学びが促進できなかったことが課題の一つにあったそうです。 山岸先生は、オクリンクを用いることで、同時に同じものを見て対話しながら子ども同士で学びを深められた取り組みを振り返り、「ICTによって理科の学習がすごく革新的になりました」とお話しいただきました。 山岸先生がいらっしゃる板橋区で大切にされている資料や教科書から「読み解く力」の育成を体現できたそうです。



■山梨県山中湖村 山中小学校 佐藤誠先生
<バズった!実践>
3年生の理科の授業にて、「春の自然を見つける」というテーマにて、オクリンクを活用しました。具体的には、ミッションラリーという手法を使って校庭にある春の自然を探し出し、オクリンクを使って発見を共有し合う取り組みです。


ミッションラリーは、スタンプラリーとは異なり、ただスタンプを集めるだけでなく、特定の場所やイベントで設定された複数のミッション(課題やクイズなど)をクリアしていくアクティビティです。

佐藤先生の授業では、事前に「赤い生き物」「緑の生き物」など、探してほしいお題を書いたカードを用意し、授業開始時に子どもたちに配付しました。子どもたちは配付されたお題(ミッション)に沿って校庭内で生き物を探します。

しかし、佐藤先生の学校では校庭にWi-Fiが通っておらず、校庭でオクリンクのカードをすぐに提出することが難しい、といった課題がありました。

そのため、子どもたちがタブレットで写真を撮影した後、都度学校の玄関まで戻り、Wi-Fiが通る環境下で、改めてオクリンクのカードを提出するという方法を取りました。
このように、ネットワークが繋がりにくい状況を逆手に取り、玄関に集まるタイミングで子どもたちに声かけを行ったり、新しいミッションを配信したりすることで、児童へのフォローのきっかけづくりに繋がり、授業をスムーズに進めることができました。 青木先生からも「ネットワーク環境という制限となりうるものを効果的に使っていてすてきですね」とコメントをいただきました。 

<スベった!実践>
ムーブノートのスタンプ集計を活用の際に、自作のオリジナルスタンプを作成して児童に配置してもらったところ、スタンプサイズが大きすぎて、集計がうまく機能しなかった事例です。
水の流れる方向について、スタンプの矢印の向きで表現してもらった際、「集計すると矢印が四方八方に向いてしまい、どの方向が最も多い意見か判定できませんでした。子どもたちからも、矢印だらけで全然わからない!!と大混乱の反応で、スベってしまいました」とお話しくださいました。

■茨城県茨城町 明光中学校 福住里絵先生
<スベった!実践>
オクリンクプラスを利用開始して間もない頃、3年生の国語の授業で敬語を学ぶ単元において、間違った敬語を正す問題を出題された時の<スベった!実践>をご紹介します。

先生は、文章を正しい敬語に直す問題を6問、スライドショー形式で作成し、みんなのボードに送りました。しかし、スライドショーを閉じるように促していなかったため、1つのボードに30名分のカード×6枚が連結されて表示されてしまいました。

この結果、一画面で生徒それぞれがカードを見合って協同学習することが難しくなり、ボードを行き来しても「どれがどの課題なのか」が分からなくなり、収集がつかなくなってしまいました。



※上記画像のように、連結されたスライドショーが画面内外に散らばり、見づらくなっている。

その後、前回の反省を生かして、①班ごとにボードを作成して、共有 ②班で選んだカードを残して、最後に全体で発表する といった手順で再度授業の組み立てを行ったところ、それぞれの班でどんなカードを作ったが見やすくなり、協同学習に活用しやすくなったようです。

また、オクリンクプラスにおける共同編集の機能をただ使うだけでなく、「個人作業と共同編集の使い分けをしっかり設計しないとうまくいかないと学びました」と私たちにも学びのある発見をご共有いただきました。



各グループの実践共有のあとは、前回に引き続き記念撮影を行って、会も終わりへ。




次回、第3回 関東エリアコミュニティは8月24日(土) ベネッセコーポレーション新宿支社 現地にて13時から実施となります。グループに分かれて、授業づくりコンテストを行う予定です。ご都合がつかれる方は是非ご参加ください。

もちろん関東エリア以外の方もご参加いただけます。どなたでも気軽にご参加いただける関東エリアコミュニティ。皆さまのご参加をお待ちしております。

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