小学5年 国語 光村図書「漢字の広場」

文章作成から推敲活動まで子ども完結で主体性を育む実践

授業の狙い
  • 既習漢字や文章全体の構成に着目し、文章を整える力を伸ばす
  • 子どもの内発的動機づけを高め、文章を書く意欲の向上につながる授業へ

この先生にご紹介いただきました

八幡市立中央小学校
水谷智明 先生

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授業のポイント

オクリンクとムーブノートを利用し、文章作成から推敲活動まで子どもたち自身で行う実践です。「理想の時間割」というテーマを設定し、子どもたちが選択した好きな教科の学習成果物をもとに文章を作成します。文章を読み返すセルフチェックはもちろんですが、ペアでの推敲活動を通して読み直しの着眼点も学びます。フィードバックを受けて再度文章を作成し直し、振り返りまで実施することが目的です。子どもたちが文章の題材まで考えることで内発的動機づけを高め、文章を書く楽しさの実感や意欲の向上も目指します。

この教科や単元を研究授業に選択した理由

タブレットを活用しながら、主体的・対話的な深い学びを通して、文章全体の構成に着目した学習ができるため、この単元を選択しました。また、教科書にある「漢字の広場」を参考に、本校の子どもたちの実態に合った教科指導ができるようにするため「オリジナル教材」を開発して取り組みました。

研究授業を行った当時のクラスの様子

文章を書くことへの抵抗は、4月当初から比べると低くなっていましたが、既習漢字の使用や、文法と文の構成を意識しながら書くことがまだできていませんでした。そのため、推敲は少し難度が高かったと思います。読み直しをする習慣もついていなかったことから、読み直しの着眼点も子どもたちは不明確な状態でした。

子どもたちに身につけてほしいと感じていた力

文や文章を書く活動を通して、文の構成や表し方に着目して推敲ができる力を伸ばしてほしいと思っていました。既習漢字を使いながら文章全体の構成に着目し、自分で文章を整えていく活動は文章を書く力が伸び、読み直しの着眼点にも気づけるようになります。子ども完結の推敲活動なので、子どもの主体性を育むことも目的としていました。


授業時のポイント

子どもたちに文章を書く意欲を引き出させるテーマ設定と動機づけ

子どもたちに動機付けを行うためには、書くための意味付けを行うことが大切です。子どもたちの“書きたいという意欲”を引き出させるようなテーマを設定すると、取り組みの意欲が変わります。今回は「理想の時間割」を1時間目から4時間目まで考えてもらい、設定した教科の学習成果物をもとに、文章の作成に挑みました。文章を書くための材料も子どもたちが用意したことが、文章を書く意欲の向上につながったと思います本単元の学習目標達成だけではなく、並行して別教科の学習を振り返ることができる点も授業のポイントです。

自分の「理想の時間割」を作成

他教科の学習成果物を貼付したカードを共有後、友だちがそのカードを見ながら文章を作成


ミライシードの役立ちポイント

オクリンクが「理想の時間割」の作成や教科の学習成果物、推敲チェックシートの共有に役立ちましたムーブノートは最後の振り返りに使用し、推敲し合っていない友だちの文章も一斉に確認できました。ムーブノートは相互評価もできる点が便利です。オクリンクとムーブノートのそれぞれの特徴を生かしながら、推敲活動を実現することができました。

書いた文章をチェックリストで推敲

ペアでも推敲した後に文章を書き直し

文章を書き直した後にカメラ機能で撮影後、ムーブノートにアップ

推敲し合っていない友だちの様子もムーブノートで確認

研究授業後の振り返り

子どもたちがまず「おもしろそう!」「書きたい!」と思える外発的動機付けと、自分で作った時間割・シートだからこそ文章を書きたいと思える内発的動機付けがとても効果的だったことがわかりました。また、座学中心で推敲活動をするのではなく、①自分で考えた「理想の時間割」の教科に関する友だちのタブレットから探すために動き、見つけて文章を書く活動。②書いた文章を一人で推敲するのではなく、ペアで推敲する活動。という2つの活動を取り入れたことで、今まで以上に主体的で対話的で深い学びにつながったと思います。
今後は、授業中に意識することができていた推敲の着眼点を継続的に持てるか、そのためにはどんな取り組みが必要なのか、を考えていきたいです。

事例で使用しているカードは、共有コードでダウンロードできます
授業の考案にお役立てください