オクリンクを活用して、かけ算の性質やきまりに気づき、 日常生活に活かす実践
- 子どもが自ら選択することを楽しみ、『わくわく』を引き出す
- 覚えるだけのかけ算ではなく、思考が働くような授業へ
宇城市立豊野小学校
吉田沙也加 先生
授業のポイント
オクリンクを利用し、かけ算の性質や決まりを考える授業の実践です。野菜を例に子どもたちが8の段の問題を作り、グループで作成した問題を解いていきます。子ども自身が作成した問題を解き合うことで、かけ算の式に関する意味の理解を深めることができ、さらには日常生活に活かす方法を考えることを目標としています。
この教科や単元を研究授業に選択した理由
今回の研究授業を実施した前年度に、学校全体で“算数”をテーマにして研究授業を実施していたことと、私自身も算数指導に対して強い興味があったことが教科選定の理由です。
かけ算は重要な単元で、計40時間をかけて授業を行います。研究授業の単元とすることで、自分自身もよりこの単元と深く向き合うことができるのではないかと感じました。また、かけ算の授業は“前の授業からの積み重ね”もありますが、“前の授業の形式を繰り返す”なので、研究授業前に何度も子どもの様子を見ながら授業をイメージすることができます。6の段の学習時には、まだ問題を自分で作ることができない子どももたくさんいましたが、単元が進むたびにコツをつかんでくれました。
研究授業を行った当時のクラスの様子
全体的に、学習に対しても前向きで意欲的なクラスだったので、かけ算の授業を楽しみにしている子どもがたくさんいました。その一方で、かけ算は覚えるものと捉え、苦手な印象を抱いている子も散見されました。
今までの経験上、かけ算で苦戦する子どもが多いこともわかっていたので、ただ覚えるだけのかけ算の授業にならずに、“思考が働くような授業にしたい”と考えながら準備を進めていました。
子どもたちに身につけてほしいと感じていた力
算数は生活と少し離れたところにあると感じてしまう子どもが多いです。特にかけ算はとても身近なものなのですが、子どもたちにとってはあまりピンときていないようでした。そのため、子どもたちが自分の生活の周りにかけ算が存在していることに気づき、授業で学んだことを生活の場で発揮してほしいと感じていました。
2年生の段階でかけ算が生活の中に取り入れられていることに気づき、訓練する癖をつけたら、高学年になったときにも、生活とひもづけながら算数を学んでくれるはずです。ただ計算問題が解けたらよい、ではなく、かけ算の問題を作ることで考える力を伸ばしてほしいと思っていました。
授業時のポイント
子どもが自ら楽しみながら選択できる授業へ
与えられた問題を解くのではなく、自分で選択をしながら問題を作れるようにしました。「わたしはトマトを選ぶ!」「ぼくはピーマンで問題を作りたい!」など、自ら選択できるようなシーンで学習することで、子どもの楽しさがより増すのではないかと思い、授業を考えました。
子どもたちが自由に選択できるように用意した野さいのイラスト
子どもたち同士で学びを深めることができる授業へ
子どもたち自身で似ている意見や間違いに気づけるような交流の場を多く設定しました。カードを送り合うことで、気づきを得たり、考えを深めることができたと感じます。
ミライシードの役立ちポイント
子どもたちの『わくわく』を引き出せたところが、ミライシードを使ってよかったと感じる部分です。通常の紙のワークシートでも授業は成り立つと思いますが、ミライシードを使用することでイラストがカラーになり、自分で好きなカードを選択できるようになります。これは、2年生にとって、とてもうれしいものです。
当時の校内研のテーマが『「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善』だったのですが、まさにこれをかなえてくれたのが、ミライシードでした。
研究授業後の振り返り
元々ICTを使って授業を行うことが好きで、子どもたちもICTに慣れていたので研究授業もミライシードを使って実施しましたが、他の先生方に見ていただく前にノートとICTを使った授業のメリットとデメリットを、自分の中で明確化しておくべきだったと思いました。
授業後の振り返り会では、ノートであれば1人にしか見せることができなかった自分の意見が、オクリンクでは色々な人にカードを送ることができ共有できる、という点で他の先生方から「オクリンク面白そうだね、自分も使ってみたい!」というご意見をいただきました。
事例で使用しているカードは、共有コードでダウンロードできます
授業の考案にお役立てください