小学1年 国語 光村図書「こくご 一上 かざぐるま」

オクリンクで文の構成を掴み、身体活動で説明文の理解を深める実践

授業の狙い
  • ICTツールを通して重要な語句や文を選び出し、説明文の全体構成を掴む
  • 身体活動を通して、生き物が“かくれんぼ”をしている本来の意味に迫る授業へ

この先生にご紹介いただきました

小田原市立新玉小学校
渡辺まき子 先生

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授業のポイント

「たこ」「はまがい」「もくずしょい」という海の生き物が、海の中でどのように隠れているのか、その工夫に迫ります。3種の生き物について同じ文型で重要な語句が書かれているため、内容が掴みやすいです。事前にオクリンクのカードに語句の枠や写真を入れることで、子どもたちが分かりやすくよりスムーズに説明文を理解できるように意識しました。内容把握を効率化できたことで、深い学びへつながる「なってみる」活動を実施することができました。

この教科や単元を研究授業に選択した理由

本校の研究として教科は国語と定まっていたので、1年生なりに説明文でオクリンクを効果的に活用する場面を考えたいと思いました。一つ前の説明文の単元「くちばし」で取り組んだ際の気づきを生かして本単元を構成しました。 

研究授業を行った当時のクラスの様子

関わり合いを楽しみ、個性にあふれるのびのびとした子どもたちが多いクラスでした。音楽がかかると自然と踊り出すような人間本来のすばらしい感性を、学校に通うことで失わせてはいけないと思い、身体性を大切にした授業を意識して行っていました。 

また、普段から書くこと、読むこと、話すことの活動は積極的に実施しており、、夏休みには絵日記とともに五七五で毎日の出来事を記録する宿題も出しました。国語の授業に限らず、日常場面で話す機会も積極的に設けるようにしています。 


子どもたちに身につけてほしいと感じていた力

本文の重要な語句を正しく捉える力と、自分で身体表現し、友だちと「なってみる」活動を通して文章を深く理解する力です。 
子どもたちはまだ短文しか書くことができない段階のため、書く文字数が多いと負担を感じ、苦手意識をもつ子どももいます。そのため、オクリンクを使って重要な言葉や表現がどこにあるかを考え、抜き出してまとめる力を養ってほしいと考えていました。 
「なってみる」活動の実施は、どの教科でも「体全体で学ぶ」ことを大切にしていたという背景がありました。学校全体で取り組んでいた演劇ワークショップもその一つです。今回の単元でも同様の活動を取り入れ、ただ読むだけでは迫ることができない文章の本質を理解してもらうことを目的としていました。

授業時のポイント

子どもたちが重要な語や文に着目するための、ICTの活用

オクリンクは子どもたちが使うカードにあらかじめ教員が枠を作ることができます。色を分け、カラーの図版も添付し、情報を準備しておくことができるところが便利です。子どもたちは色や写真も手がかりにしながら混乱なく取り組むことができ、かつ間違えても容易に消してやり直しができるので紙のワークシートに比べて心理的負担も少なく、楽しんで取り組んでくれました。
※「たこ」「はまぐり」用に作成されたカードも、共有コードよりまとめてダウンロード可能です。

「もくずしょい」に関する重要な語句を考えている様子

3種の生き物について子どもが作成したカード

より理解を深めるための「なってみる」活動 

「もくずしょい」だけではなく、「たこ」「はまがい」においても、授業の後半は4人組で海の生き物やその周りの様子になりきってみる活動を取り入れました。重要な言葉や表現を抜き出してカードに正しく単語を書くことができても、実際に意味や状況が理解できているとは限りません。実際に体を動かして海の生き物に「なってみる」ことでそれぞれの捉えのずれも明らかになります。「はまぐり」の段落では、足の力の強さなど生き物の生命力に気づくことができていました。教科書では「かくれんぼ」と表現している生き物たちの行動を、遊びで行っているわけではなく生存のために行っていると気づくことも期待していました。  

ミライシードの役立ちポイント

提出BOXが一斉公開できるため、自分の席にいながら友だちのカードを見合えることが便利です。カードを書くのがゆっくりな子どもの時間を確保する間、早い子どもは提出BOXで友達のカードを見ることができる良さがあります。教師の介入なしに友だちに気づいてそっと誤りを知らせるなどのやり取りを通して修正する様子も見られました。実際に子どもたちから“紙よりもオクリンクの方が楽しい!”という声も上がっています。 

「もくずしょい」についての提出BOX一覧

研究授業後の振り返り

オクリンクを活用することで紙のワークシートよりも短時間で取り組むことができたため、体で表現する活動の時間を十分確保することができ、深い学びにつながりました。 穴埋めにすることで1年生でもハードルは低く、早く終わった子どもはカードにイラストを描いて独自のカードも作ることができていたので、1年生でも9月には十分オクリンクを活用できることを実感しました。 

事例で使用しているカードは、共有コードでダウンロードできます
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