導入事例

相模原市 プログラミング教育

神奈川県相模原市は、2017年度、全市立小学校にプログラミング教育を導入しました。初年度は4年生、2018年度は4・5年生、2019年度以降は4~6年生と段階的に実施し、小・中9年間の系統性を重視した授業を展開しています。2020年度には、プログラミング教育を通じて育成を目指す資質・能力と各学年での到達目標、9年間の指導計画、授業実践例などをまとめた「相模原プログラミングプラン」を策定しました。

そうした研究・実践の成果は、年1回行う公開授業で発信。2020年度の公開授業は、同市立小山小学校の5年生で実施された。子どもがオーストラリアの農業問題の解決策として製作した、自動で水をまく潅水機を現地に送り、正常に動くかどうかを、現地の技術者とウェブ会議システムで話しながら進める。そして、不具合が見つかったら、遠隔操作してプログラミングを修正するという授業を行っております。

教育委員会の思い

渡邊指導主事

本市では、コンピューターを活用して問題解決を図る力を育もうと、プログラミング教育を推進しています。そうした力は、従来の学校教育が育成してきた力とは、発想や思考回路が全く異なります。例えば、「夏休みに植物の水やりをどうするか」という問題に対し、従来は「当番を決める」「誰かが持ち帰る」といった解決策が示されましたが、コンピューターで問題を解決する力があると、「プログラミング技術を使って自動灌水機を作る」といった選択肢も持てるようになります。

今回の公開授業では、オーストラリアの農業問題に対して「自動潅水機を作って貢献したい」という思いで試行錯誤する姿から、まさにそうした力の育ちが見られました。プログラミング教育で育つ資質・能力は、あらゆる教科に関連すると考えており、「相模原プログラミングプラン」では、各教科においてプログラミングを伴う授業を実践しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、教育活動のあり方に再考が求められています。「ニューノーマル」と言われる社会で求められる力をいかに育てるかは、その中心的な課題です。そうした社会状況を考えると、コンピューターによる問題解決がますます重視されるのは明らかです。そうした今だからこそ、プログラミング教育に一層注力していきます。

相模原市教育委員会

自治体住所
〒252-5277 神奈川県相模原市中央区中央2-11-15
自治体電話番号
042-754-1111
学校数
小学校70校 中学校35校 義務教育学校1校
URL
「相模原プログラミングプラン2020」(相模原市教育委員会教育センター)
http://www.toda-c.ed.jp/site/kizawa-e/
教育委員会ページ
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/kyouiku/index.html