登場人物の気持ちの変化を可視化する
八木先生から一言:
ムーブノートの名の通り、考えを書いたノート(カード)をムーブさせる機能を使って、登場人物の気持ちの全体像や変化を可視化しました。
活用場面・活用背景
登場人物の気持ちの変化を読み取る
「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」第3学年及び第4学年の内容には、「C読むこと(1)エ 登場人物の気持ちの変化や性格,情景について,場面の移り変わりと結び付けて具体的に想像すること。」と記述されています。教員の意図的指名や板書等の手立てだけでなく、子ども同士が主体的に気付き、対話し、学びを深めるための手立てを考えました。
How to
場面ごとの心情をグルーピングして可視化
①登場人物の気持ちを読み取る
教員は、物語の場面の数だけタブを作成します。各タブに登場人物の気持ちを書き込めるカードを用意し、授業を開始します。児童は教科書の本文から、登場人物の気持ちが読み取れる言葉の部分を写真に撮り、カードに貼り付け、読み取った気持ちと理由を書きます。
② 場面ごとの気持ちをグルーピングする広場を作成する
1つの広場に2~4人の児童を割り当てられるように、場面1のタブに広場を複数作成します。2~4人で1つの広場を割り当てる理由は、グルーピングの際に全児童に平等にカード移動やペン機能の操作の機会を確保するためです。
参考:グループごとに広場を指定して活動させる方法
※なお、広場を使ったグルーピングがうまくいかない場合は、2~4人で「時間割」を1つ割り当てて活動させる方法もあります。
③割り当てられた広場に集まった全員分のカードをグルーピングする
児童は自分の割り当てられた広場に参加し、作成した登場人物の気持ちを読み取ったカードを提出します。また、割り当てられた以外の広場にも提出することで、全員分のカードが集まります(カードBOXに自分のカードを入れておくと、それぞれの広場に送りやすいです)。
広場に集まったカードを自由に動かして、似た考え同士のグループにしたり、ペン機能を使ってそのグループにタイトルをつけたりすることができます。
参考:広場のカードをグループ化する方法
場面ごとのグルーピングが終わったら、スクリーンショットを新たなカードに貼り付け、場面を比較しながら、登場人物の気持ちの全体像や変化をまとめます。
取り組みの結果
全体像から気持ちの共通点や変化に気付けた
グルーピングされた場面ごとの気持ちの全体像を比較することで、場面の移り変わりの中には気持ちの共通点や変化があること、一人では気付かない多様な考えを友達から知ったりすることなど、子ども同士で気付きやすくなりました。
また、似た考えをグループにして名付けることを通して、「一言で言うと何か」という、要約する力も発揮していたと感じます。