生徒同士の学び合いを促し、生徒自身の力で「エレガントな解答」にたどり着かせるオクリンクプラスの活用法

藤本先生から一言:
オクリンクプラスの良さは、お互いの考えを共有するのに便利な点だと考えています。自分の考えを伝えるのが苦手な生徒の考えも授業に取り入れやすいため、その特長を生かした授業のあり方を検討し、今回の授業に臨みました。
活用場面・活用背景
思考の比較からよりよい解決方法を見つけ出す

前時までに、平行線の間に「くの字」の線を引いた際に生じる角の性質を見つけ、既習の図形の性質を用いて説明する活動を行いました。本時では「くさび形」の角の大きさについて、平行線の性質や三角形の内角・外角の関係と関連付けて考察し、成り立つ事柄を説明する活動を行います。 オクリンクプラスの「各生徒の思考を即時に共有できる」という利点を生かし、提示された多様な考え方を比較検討させることで、より簡潔で本質的な解決方法はどれかを見いだしていきたいです。
How to
場面に応じて使用する機能を変えて思考の共有を行う
前時までの学習内容である「対頂角の性質」、「平行に引かれた二つの線に別の線が交わった時の同位角と錯角の性質」を振り返ったうえで、教員から「『くさび形』という図形でも∠A、∠B、∠C、∠Dで何か成り立つことはないだろうか」との問いが出された。

数学専門のウェブアプリを使って「∠A+∠B+∠D=∠C」が成り立ちそうであることをクラス全体で確認したのち、上の式が本当に成り立つのかの説明を、教員がオクリンクプラスで配布したカードを使って説明するよう指示を出した。
生徒はこれまで学んだ学習事項を踏まえて、まずはそれぞれで「∠A+∠B+∠D=∠C」の説明方法を考えた。線ADに平行な補助線を引く生徒や、線BDに平行な二本の補助線を引く生徒、線BDに平行な補助線を一本だけ引く生徒など、様々な考え方が出てきた。


教員はオクリンクプラスの「LIVEモニタリング機能」を使って生徒の思考過程を見取り、「AさんとBさんは似たような考え方をしているね。CさんとDさんも似たような考え方をしているね」といった声掛けを行った。そしてカードに「∠A+∠B+∠D=∠C」の説明を書き終わった生徒は「みんなのボード」にそのカードを出すように指示して、他の生徒がどのような考え方でこの説明に取り組んだのかを見えるようにした。


教員は「みんなのボード」に提出されたカードを、「対頂角の性質を使った説明」、「同位角と錯角の性質を使った説明」といった観点ごとに分類した。そして「他の人の考え方を見て話を聞いてみたいと思ったら席を立って話を聞きにいってもいいよ」と促したところ、生徒同士が集まってタブレットを覗き込み、活発に意見を交わす場面が見られた。

大体の生徒が自分の考えを「みんなのボード」に出したところで教員は交流の時間を止めていくつかの考え方を紹介した。特に辺BDと平行な線を二本引いて説明を行っていたものについて、提出した生徒にこの説明がなぜ成り立つのかを前に出て解説してもらった。そして辺BDと平行で、∠Aと∠Cをそれぞれ通る補助線を引くことで説明できることを確認した。

そのうえで教員は、辺BDに平行な∠Cを通る線しか書いていないカードに着目し、この一本だけの補助線で「∠A+∠B+∠D=∠C」を説明できないか生徒に改めて問いかけた。少し生徒に考える時間を与えた後、自信がありそうな反応を見せた生徒を指名して前に出て解説してもらった。そして辺BDに平行な∠Cを通る線を書くだけで、錯角の関係と内角外角の関係から説明できることを確認した。

また、辺BDではなく辺ADと平行な補助線を引いて「∠A+∠B+∠D=∠C」を説明しているカードも紹介し、そのカードを書いた生徒にこの説明の解説を前に出てしてもらったところでチャイムが鳴り、教員が「次回はこの時間で出てきた様々な考え方を整理してまとめていきます」と予告して授業を終了した。

取り組みの結果
数学における大切な考え方に、生徒自らが気づく姿があった
オクリンクプラスの良さはやはり生徒の考え方を共有できるところにあると思っています。
今日の授業だと「LIVEモニタリング機能」や「みんなのボード」を使って生徒の考え方を全体に共有したことで、「自分の考えに自信がなかったけど他の人も似た考え方で取り組んでいることが分かり、安心して考え続けることができた」と言っていた生徒がいました。
このくらいの年代だと出された課題に対する自分の答えに自信がないと途中で考えるのを止めて答えが出てくるまで待ってしまいがちですが、他の生徒の考え方を参照できることで諦めずに自分の考えを突き詰めた子がいたというのは、オクリンクプラスを使ったことによる効果だと思います。
また、数学だとより簡潔に、エレガントに考えるということが重要になってきますが、これも他の人の考えを見ることができたことで「この考え方よりもあっちの方が簡単だ」、「わかりやすそうだ」という感想が生徒から出てきました。他の人の考えを見ることができたことで数学における大切な考え方に生徒が自然と気づいたというのは、オクリンクプラスを数学で使うひとつの価値になるはずです。
