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オクリンクプラス

ボードを活用した生徒同士の学び合いで「故郷」を読み深める

富山県小矢部市立蟹谷中学校 八下田 道子先生

八下田先生から一言:
単元を通してオクリンクプラスを活用し、生徒同士が端末上で交流できました。授業者主導の講義形式を取る必要がなく、生徒一人一人が考える時間をしっかり確保できたと思います。

活用場面・活用背景
生徒同士で読み深め、考えを深めていくためにボードを活用

中学3年の国語の授業で「故郷」を読む際に、作品中の様々な要素を読み取ったうえで、登場人物や社会・時代背景について、ひいては自分たちの生き方について意見を持ち、表現する力を付けてもらいたいと考えました。そこで、通読・読み深め・批評のそれぞれのタイミングでボードを作成し、オクリンクプラスを活用した生徒同士の学び合いで授業を進めました。

How to
学習のねらいに合ったボードを作成して、学び合いで読み深める

本文の通読時に「作品に関する資料」ボードを作成
第1・2時は本文の通読を朗読CDの聴取で行いました。教員が「作品に関する資料」のボードを作成して、リンクから様々な情報を閲覧できるようにしておきました。



生徒たちはそれぞれ必要なタイミングでリンクから情報を閲覧して、作品を理解しながら気付いたことや考えたことを個人カードとして作成していました。教科書とは異なる訳者のリンクをカードに添付してシェアしている生徒もいるなど、一人一人が自分のレベルやペースに合わせて最初の内容把握ができました。

「作品の場面ごと」にボードを作成して、意見交換をしながら読み深める

第3・4時は「作品の場面ごと」にボードを用意し、生徒は各場面のボード上でカードを作成してお互いに参照できるようにしました。生徒は自分と同じ課題に取り組んでいる人の考えを画面上で確認できるので、参考になったカードに「いいね」スタンプを押したり、コメントを送り合ったりしていました。

自分の考えを書くことに難しさを感じている生徒は、ほかの人の考えを参考にしながら言葉にすることができていました。



第5・6時は、自由に教室内で課題に取り組みました。個人で考えを深める人もいれば、数人でグループになって教室の一角で話し合ったり、教師と意見交換をしたりと、生徒それぞれが自分のペースで取り組んでいました。読解が得意な生徒は複数の課題に取り組むこともできました。



「批評する観点ごと」のボードで批評文を読み合い、考えを深める
最後の第7時は読み深めたことを踏まえて、「故郷」という作品を批評する活動に取り組みました。「批評する観点ごと」にボードを作成し、自分が選んだ観点のボードに入って友達の批評を参照にしながら批評文を作成していきました。



読解が得意な生徒のなかには複数の観点を織り交ぜた抽象的な視点での批評文を作成している人もいました。



最後の振り返りは、友達の批評を読んで自分の捉え方との共通点や相違点に気付いたことで考えが深まったことをカードにまとめました。

取り組みの結果
ボードを活用した生徒同士の学び合いで、作品を深く理解できた

今回の実践では、授業者主導の講義形式を取らず、それぞれの時間でボードを活用して友達の考えを参考に自分の考えを深めたり、実際に意見交換したりすることができました。生徒一人一人がじっくり考えたり、表現したりする時間を確保できました。
今後は、教室内でのリアルな意見交換の設定の仕方を工夫し、オクリンクプラスでの活動と対面での交流のハイブリッドな授業スタイルを構築していきたいと考えています。



  • 中学3年
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