次々と”出来事”が起こる避難所のリアルを体験
避難所運営シミュレーション
新家先生から一言:
中学生が避難所を運営することは現実的ではありません。ただ、避難所の運営でどんなことを考慮する必要があるのか、どれだけ大変かを知っておくことで、災害が起きて避難所に行くことになったときに、運営している大人たちを助ける行動ができると思います。
活用場面・活用背景
避難所で起こる様々な出来事の対処を考えさせたい
避難所運営で考慮すべき点を知るだけでなく、実際の避難所では様々な特徴を持った避難者が次々と訪れ、いろいろなトラブルが発生することを体験してほしいと考えた実践です。
How to
「出来事カード」「避難者カード」「物資カード」を次々送り、運営の流れを体験する
1 教員は事前準備として「出来事カード」「避難者カード」「物資カード」を作成しておく。
また、「みんなのボード」に各班のボードと、迷ったときに相談するための「相談ボード」を用意する。
各班のボードには避難所となる「体育館の見取り図」を背景に設定しておく。
2 訓練開始の放送でスタート。
教員は「物資カード」を最初にまとめて各班のボードに送り、「出来事カード」「避難者カード」は1分おきに1枚を目安に各班のボードに送っていく。
3 生徒たちは届いたカードの扱いを班で話し合い決めていく。
「避難者カード」はカードに記載された避難者の特徴を踏まえて、避難所の適切な位置に配置する。
「物資カード」は利用する位置に配置する。
「出来事カード」は対応内容をカードに記入し、対応と関連する場所に配置していく。
途中扱いに迷ったカードは「相談ボード」に送る。
4 「相談ボード」に送られたカードに対して教員や授業に参加したアドバイザーが助言を記載していく。
取り組みの結果
避難所運営の難しさの実感を得られた。
生徒たちは、次々と送られてくるカードをどう扱うかをグループで話し合いながら決めていきました。しかし、カードが処理しきれないうちに新しいカードが届くことに対して「もうカードいらない!」「難しい!」という声が生徒たちからあがりました。この活動でいちばん感じてほしかったのは、実際の現場がどれだけ大変か、処理しきれない状況が起きるか、ということです。結果的に、生徒たちは大変さを実感し、「うまくいかない」と感じたようですので、この活動は成功だったといえると思います。また、今回は授業のアドバイザーとして、東北大学の防災学の専門家にもオクリンクプラスの授業に参加してもらい、生徒たちに助言いただきました。ICTを活用することで、遠くにいる専門家の知識を取り入れ、学びを広げることができたのもよかったと思います。