2学期からすぐ取り入れられるもの多数!
DXエデュケーター直伝!ICT推進アイデア
「ICT推進、何から始めればいいか迷う。」 そんな悩みを抱える情報担当の先生は多いのではないでしょうか。
今回、全国のミライシードDXエデュケーターに、校内で実践しているICT推進の工夫やアイデアを聞きました。集まったアイデアを見ていると、ICT活用を広げるきっかけは意外にもシンプル。
「困ったときに相談に乗る」「実践や授業を公開する」「小さな挑戦を称賛する」。方法はさまざまですが、その根底にあったのは、「先生方が安心して挑戦できる環境をつくりたい」という思いでした。
本ページでは、全国のDXエデュケーターから寄せられた実践アイデアをテーマごとに整理してご紹介します。2学期のスタートに向けて、「これならできそう」と思えるアイデアが一つでも見つかれば幸いです。
目次
① まずは興味をもってもらう
ICT推進は、「知ってもらう」ことから始まる
ICT活用を広げようとすると、つい研修会や授業改善から始めたくなります。しかし、多くのDXエデュケーターがまず取り組んでいたのは、「先生方に情報を届けること」でした。校内通信や校内掲示板を活用し、「こんな使い方もあるんだ」「ちょっと試してみようかな」と思えるきっかけづくりを大切にしています。
アイデア一覧
📣 ICT通信・校内通信で活用事例を届ける
実践内容
- 月に一度、ICT通信を発行する。 ICT活用を先生方の記憶に残る形で継続的に発信する。
- 校内通信を作成し、職員のデジタル掲示板などに掲載。たまに印刷して配布する。
先生の声
- 「困った時に、『あんな使い方あったよね』と頭の片隅にICT活用を置いてもらえた。」(福岡・F先生)
- 「職員のデジタル掲示板などに掲載したり、たまに印刷して配ったりもしています。」(東京・Y先生)
おすすめポイント
研修の時間を取らなくても、ICT活用を身近に感じてもらえます。
継続的に情報を発信することで、「そういえばあの方法があったな」と思い出してもらうきっかけになります。すぐに活用につながらなくても、ICT活用を先生方の頭の片隅に置いてもらえます。
💡 ポータルサイトや掲示板で情報を見える化する
実践内容
- 校内研修のPadlet掲示板に実践事例や便利な活用方法を投稿する。
- Teams上でICTに関する情報や活用事例を発信する。
- 「教員向け」と「児童向け」のポータルサイトの作成。「使えばもっと楽になるよ!」という環境づくりをした
先生の声
- 「掲示板にあったあの活用、やってみたいんだけど詳しく教えて〜と放課後に聞きに来てくれた時に、一緒にやってみます。」(北海道・T先生)
- 「積極的に投稿について聞いてくださる方がいて、ありがたかったです。」(秋田・G先生)
- 「ポータルサイトを作ったことでICTの良さについてわかってもらえました。まだ、教員全員が活用できているところまでは達していないので次の課題です。」(宮崎・H先生)
おすすめポイント
情報発信が、「これどうやるの?」という会話のきっかけになります。
掲示板やポータルサイトで活用事例を見える化することで、一方向の発信で終わらず、先生同士のコミュニケーションにもつながります。
👀 子どもたちの成果物を掲示する
実践内容
- 子どもたちが作成したオクリンクプラスカードを掲示する。デジタルで作成したものを、あえてアナログに紙で掲示することで先生方の興味を引く。
先生の声
- 先生方に見てもらえる機会ができて、「なるほど、そうやって活用するのですね」と感想をいただいたり、「それどうやるのですか?」と質問されたりします。(東京・Y先生)
おすすめポイント
子どもたちの成果物を見せることで、授業での活用を具体的にイメージしてもらえます。
機能や操作方法を説明するだけでなく、「子どもがここまでできるんだ」と実感してもらうことが、次の実践への後押しになります。
② まずは体験してもらう
「聞いたことがある」を「使ったことがある」に変える
ICT活用は、説明を聞くだけではなかなか広がりません。実際にツールを触ったり、学習者として体験したりすることで、「意外と簡単」「授業で使えそう」という実感につながります。DXエデュケーターのみなさんも、体験を重視した研修会や学習会を工夫しながら実施していました。
アイデア一覧
🎓 気軽に参加できるミニ研修会を開く
実践内容
- 放課後15~30分程度のミニICT研修会を実施。自由参加・途中退席可とすることで参加しやすい雰囲気をつくる。
- 会議のない日にミライシード学習会を実施し、サインインなど基礎的な内容から一緒に学ぶ。
先生の声
- 「研修会は強制しない自由参加にしたことで、参加しやすかったと思います。」(秋田・G先生)
- 「一緒にやることで初めて触る先生が多く、基礎的なことを確認できたので助かったと言われた。」(青森・K先生)
- 「同じ学校の一教員の実践なので、無理のない範囲でできそうとの声があった」(岡山・F先生)
おすすめポイント
短時間のミニ研修でも、「まず触ってみる」きっかけはつくれます。
大規模な研修でなくても、実際にツールを触る体験をつくることが、その後の活用につながります。
🖱 先生自身が学習者として参加する校内研修
実践内容
- 校内研で実際アプリを触る研修を実施
- 「オクリンクプラスを使いたくなる理由に出会う。」というテーマの研修会を企画
先生の声
- 「ドリルパーク、テストパークを実際の生徒を想定して触ってもらう研修を実施。結果、単元テストとしてテストパークを利用してくれています。ドリルパークを長期休業の課題として出している先生もいました。」「オクリンクプラスの校内研はキャリア教育研修と抱き合わせで、生徒の立場で参加してもらうものと、実際に先生として動かすワークショップを計画しています」(青森・K先生)
- 「オクリンクプラスを使いましょう!という研修ではなく、今求められている授業ってこんなだよね。それを実現するためには、オクリンクプラスも使えるじゃないか?ということを、研修を通して自然と感じられる研修作りを意識しています。」(大阪・T先生)
おすすめポイント
先生自身が学習者になることで、子どもの視点からICT活用を捉えられます。
実際に体験することで、「授業でどう使うか」を具体的にイメージしやすくなり、その後の実践にもつながります。
③ 実際の授業を見てもらう
「なるほど、こうやって使うのか」を届ける
ICT活用を広げるうえで、実際の授業ほど説得力のあるものはありません。子どもたちの反応や授業の流れを見ることで、自分の学級で活用するイメージが湧きやすくなります。
アイデア一覧
📖 模擬授業で活用イメージを伝える
実践内容
- オクリンクプラスのカード作成や模擬授業を行う。
- 様々な学年を含めた複数の先生によるICT活用授業を自由参観形式で実施。その後、放課後には協議タイムを設けて、一緒にICT活用をしてみたり、質問を受けたりする時間を取った。
先生の声
- 「模擬授業はイメージしやすいと言われることが多いです。鉄板ですが効果があると思います。」(東京・H先生)
- 「平日通常勤務日の5・6時間目と放課後に実施。自主研修にも関わらず、ほぼ全ての先生が参加してくださった。」「見たい授業を、必要な時間だけ見られる機会も有効だと感じた。忙しい先生方の日々に、1回の研修機会でミライシードをはじめとしたさまざまなICTを同時に複数見比べることもできるので、授業発想も豊かなものになった。」「当時、情報教育主任であったため、自主研修として教務主任に提案。管理職へ起案後、打ち合わせにて全体に提案という流れで実現しました。」(神奈川・T先生)
おすすめポイント
実際の授業を見ることで、ICT活用を「説明」ではなく「体感」してもらえます。
子どもの反応や授業の流れが伝わることで、自分の授業での活用をイメージしやすくなり、新たな実践へのハードルも下がります。
🏫 担任に代わって授業をし、活用イメージを伝える
実践内容
- 時には他学級に入り実際に授業を行います。
先生の声
- 「私のクラスではこんな感じで授業をすればよいのだとか、うちのクラスの子たちもこんな反応をするのだとイメージしやすくなります。」(東京・Y先生)
おすすめポイント
自分のクラスでの実践を見ることで、「うちのクラスでもできそう」と実感してもらえます。
実際にその学級で授業を行い、ICT活用の流れや子どもたちの反応を見てもらうことが、新たな実践への第一歩を後押しします。
④ 日常的に支援する
「困ったらあの先生に聞こう」をつくる
ICT活用を広げるには、研修だけでなく日常的なサポートも欠かせません。気軽に相談できる存在がいることで、先生方は新しいことにも挑戦しやすくなります。
アイデア一覧
🤝 気軽に相談できる存在になる
実践内容
- 時間があるときは、校内を歩き回り、さらっとICT支援員のように声をかけるようにしています。
- 先生と一緒に操作しながらサポートする。
先生の声
- 「何か困ったことがあったらいつでも質問しに来てくださいね。と伝えてあります。 いつでも声をかけられても余裕をもてるようにしていることも大事にしています。」(東京・Y先生)
- 「一緒に操作する、何でも屋のようなイメージでいつでも相談してもらえるように心がけています。」(秋田・G先生)
おすすめポイント
「困ったら聞ける人」がいるだけで、新しいことに挑戦しやすくなります。
日頃から声をかけやすい関係をつくり、相談のハードルを下げることで、小さな疑問の解消が新たな実践への一歩につながります。
☕ 授業外の時間に積極的に活用
実践内容
- 3か月限定で毎週火曜日の放課後に30分ほど「ICT利活用のQ&A会」を設けました。
- 放課後の情報交換タイムで子どもの反応とともに自分が作ったカードの使い方を紹介
- ICTを使った授業での児童の反応を先生方と共有したり、オクリンクプラスを使った授業の準備の仕方も同時に共有したりしました。
先生の声
- 「先生方が行う授業でどのように使うと効果的か想像しながら話を聞いてもらいました。また、そのタイミングで一緒に授業の進め方を考えました」(東京・S先生)
- 「実践の話だけでなく実物を見せながら話すと興味を持って聞いてもらえます」(福島・O先生)
- 「一週間分の疑問解消や、次に向けてこうしたいという相談の場に使えるとより有効だと思います」(山梨・S先生)
おすすめポイント
放課後や空き時間は、ICT活用について気軽に相談・共有できるチャンスです。
疑問を解消するだけでなく、子どもの反応や授業の工夫を共有することで、次の授業づくりのヒントや新たな活用アイデアにもつながります。
⑤ 仲間を増やして広げる
ICT推進は、一人で抱え込まない
ICT推進担当者が一人で頑張り続けるのには限界があります。だからこそ、協力してくれる先生や子どもたちを増やし、少しずつ活用の輪を広げていく工夫が見られました。「自分だけが発信者にならない」ことも、推進の大きなポイントです。
アイデア一覧
👦 ICTが得意な子どもを講師にする
実践内容
- ICTが得意な児童・生徒を仲間にして、昼休みの講習会の講師役をお願いする。
先生の声
- 「生徒に講師役、先生に生徒役をさせると、それぞれ最高の先生・生徒役を演じてくれて盛り上がりながら講習ができます。」(新潟・I先生)
おすすめポイント
ICT推進は、担当の先生一人で頑張る必要はありません。
ICTが得意な子どもたちを仲間にすることで、学校全体を巻き込みながら活用を広げられます。子どもたちの自信を育み、先生方も楽しく学べる環境づくりにつながります。
📚 作ったカードや教材を共有する
実践内容
- 自作カードを学年や同僚に共有する。
- 授業で活用するカードを作り、学年の打ち合わせでカードの使い方、評価方法も紹介。少し早めに自クラスで活用して、放課後に「こんな感じだったさぁ!」と共有する。
先生の声
- 「使ってみましたと声がもらえました!」(東京・I先生)
- 「使えたら使ってと伝えることで、相手にも気を遣わせず、使われなくても自分も気にならずに進められるアイデアです。相手が楽だ!と感じてくれれば、どんどん使ってくれるようになりますよ!」(北海道・M先生)
おすすめポイント
「すぐに使えるもの」を共有すると、ICT活用へのハードルがぐっと下がります。
ゼロから教材を作らなくても、カードや実践例をまず使ってもらい、効果や子どもの反応を共有することで、自然と活用者を増やしていくことができます。
⑥ 実は一番大事。挑戦しやすい空気をつくる
ICT推進は、文化づくり
今回集まった実践を見ていると、ICT活用が広がっている学校には共通点がありました。それは、「まずやってみよう」と思える安心感があることです。小さな挑戦を認めてほめる。うまくいかなければ元に戻せばいいと考える。無理に広げようとしない。そんな一人ひとりの挑戦を後押しする文化が、ICT推進の土台になっていました。
アイデア一覧
🌱 小さな挑戦を認め、ほめる
実践内容
- 先生方のどんな一歩も尊重し、挑戦を称賛する。
- 他の先生が活用していることを、オクプラの授業一覧で見つけて声をかける。
先生の声
- 「得意な先生の一歩と、苦手な先生の一歩では大きさが違うかもしれないが、どの先生も一歩挑戦しようとした姿勢を尊重する。」(東京・H先生)
- 「活用していることを気づいてもらえてうれしいという声を先生からいただきます。」(東京・H先生)
おすすめポイント
小さな一歩を認めることが、挑戦しやすい学校文化につながります。
ICT活用の広がりは、大きな成功事例だけでなく、日々の小さな挑戦から生まれます。活用している先生に気づき、声をかけることが、次の実践を後押しします。
🚀 「まずやってみる」を大切にする
実践内容
- まず自分が使ってみる。ダメなら元の方法に戻ればよいと考える。
先生の声
- 「使ってダメならもとの方法でやればいいという心のゆとりをもって業務を進めている。」(北海道・H先生)
おすすめポイント
「合わなければ戻せばいい」と考えることで、最初の一歩を踏み出しやすくなります。
新しい取組には不安がつきものですが、完璧を目指さず、まず試してみることがICT活用を広げるきっかけになります。
おわりに
今回寄せられた実践から見えてきたのは、「ICT推進は、ツールを広めることではなく、挑戦を応援すること」ということでした。
「まずは自分がやってみる」 「困ったときに支える」 「一緒にやってみる」。そんな日々の積み重ねが、ICT活用の広がりにつながっていました。
また、ICT活用が広がっている学校には、「まずやってみよう」と思える先生方が安心して挑戦できる環境づくりも見えてきました。小さな挑戦を認めること。困ったときに相談できること。無理に広げようとせず、まずはやってみること。そんな文化が、学校全体のICT活用を前へ進める力になっています。
2学期は、新しい取り組みを始める絶好のタイミングです。ぜひ本記事の中から、「これならできそう」と思えるアイデアを一つ選んで試してみてください。その小さな一歩が、先生同士の学び合いや子どもたちの学びの広がりにつながり、学校全体のICT活用を前へ進めるきっかけになるはずです。